3 アプリの謎
アプリのどこが変なのでしょう?
「どう変なのです?」
あたしはスマホを出すと、画面を見せた。
「これが、あたしが転移するときに使ってる『異世界通話』っていうアプリなんだけどね、」
アプリを起動すると、大きくソフィーちゃんの顔が表示される。上の方を指さしながら説明する。
「ここに、『ソフィーとお友だちになりました。通話しますか?』って書いてあって、ソフィーちゃんの下に書いてあるのが『通話』と『ビデオ通話』なんだ。ソフィーちゃんとお話する時に使ってるのがこの二つだよ。その下に書いてあるのが『異次元通路』でね、この『異次元通路』ってところをタップすると、転移先が選択できるようになってるんだ」
「なんと、これ一つで門が開くのですか? すごすぎるのです!」
目を丸くして聞いている美桜ちゃんに説明を続ける。
「最初はなかったんだよ。初めて学園から自分の部屋に戻った後に表示されるようになったんだ。学園から帰るときにね、あたしは学園長さんに『元の世界に影響がないように』って、この世界のことは忘れちゃう魔法をかけられたんだよね。今はこのアプリ、ソフィーちゃんから連絡があった時しか使えないんだ」
「なるほどなのです。それが変なのですか?」
不思議そうに聞く美桜ちゃんに首を振る。
「ううん、変なのはここからなんだ。このアプリ、最初は『いろんな世界の人と通話できます』って書いてあって、たくさん表示されていたのに、ソフィーちゃんと通話した後は他の人が選べなくなっちゃったんだ」
「ん? どういうことなのです?」
「ほら、見てよ。ソフィーちゃんの表示を消すマークがないでしょ? どこを触っても、ソフィーちゃん以外の人とはもう通話できない状態になってるんだ」
「このマークではないのですか?」
美桜ちゃんが一番右端の✕マークを触ると、アプリ自体が終了してしまった。
「ね、わかった? あたしはこのアプリでソフィーちゃんとしか話せなくなってるんだよ。……まあ、元の世界に戻ったらこのアプリのことも忘れちゃうから困ってないんだけどね。でも、変でしょ?」
すると美桜ちゃんが腕を組んで、難しそうな顔をすると言った。
「それはとてもあやしいのです! ふ、ふ、ふ、ここは美桜探偵に任せるのですよ」
美桜ちゃんはかけていない眼鏡をクイッと直す仕草をするとキランと目を光らせた。
── う、なんか嫌な予感がするよっ!
身構えていると美桜ちゃんが言った。
「まずはこのアプリのことを調べてみるのです! アプリを作ったのは誰なのです? 設定を調べればわかるはずなのです。ソフィーちゃん、眼鏡を貸してほしいのです」
「はい、どうぞ」
ソフィーちゃんがイチゴのバッグから、赤色の眼鏡ケースを出すと美桜ちゃんに渡した。
美桜ちゃんは眼鏡をかけると、あたしのスマホを操作してアプリの設定画面を開く。
「ここですね。アプリの詳細を確認してみるのです」
美桜ちゃんがタップすると、アプリのアイコンと『異世界通話』というアプリの名前の下に、何か表示されている。
「『ワールドエンドミスティアカデミー技術部』と書いてあるのです」
「え? それって、この学園の技術部がこのアプリの制作者ってこと?」
「うふふ、それってこの学園の部活動の一つね。部長はプロフェッサーさんよ」
「なっ、師匠ーーーっ!?」
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アプリを作ったのはまさかの師匠!?
続きをお楽しみに。
それでは、また2週間後にお会いしましょう。




