4 実験にはアレが付き物だよねっ!
実験といえば、アレですよね(笑)
あたしは昨日の夜のやらかしを師匠に話した。
シュリーアさんたちを送ってからあたしたちはすぐに寝ちゃったんだけど、夢を見ている間にふと思いついて思念体になれないか試してみたんだ。
そしたらさ、うまくいって調子に乗ったあたしはれーちゃんの思念体を連れて空に上がってみたんだ。すっごい景色が見られてついでにシュリーアさんたちのことを調べようと思ったら……みつかっちゃった。てへ。
連れ戻されてめっちゃくちゃ怒られたよ……。しかも、思念体になるのは危険だからできないようにされちゃった。とほほー。
「君は馬鹿なのか? その件については以前に説明しておいたはずだが?」
「え? そうだっけ?」
「幽体はそもそも肉体と繋がる存在ゆえ長時間その状態では肉体が耐えられぬと言わなかったか?」
「……言われた気がします」
「説明したことが身についていなかったようだな。それでは我が弟子にもう一度、とくと説明しようではないか! そもそも……」
そしてあたしは師匠から幽体についての講義をみっちりと聞く羽目になってしまった……。
── 命の危険があることはよーっく分かったよ!
「我が弟子は思いつくとコントロール不能になるところがあるな。それを抑止される立場になるのはある意味仕方なかろう」
師匠にそれを言われるのはなんか納得できないところもあるけど、ここで言ったらさらに講義が長くなるのは経験上イヤというほどわかってるので、大人しく聞いておいた。
── 師匠だってすぐ暴走しちゃうの、あたしは知ってるよっ!
「さて、それでは詩雛くん、本日の実験に進もうではないか!」
「はい!」
今日は机の上に、小さな水槽、土の入ったケース、アルコールランプが用意されていた。
「それではまずは土に思念波を流して動かすことができるか実験してみよう」
「はい! 土よ動けー」
── くうぅ、あたし、魔法使いっぽい!
けれど、
しーん。
やっぱり何も起こらなかった。水槽の水も、アルコールランプの炎にも何も起こらない。がっくしだよー。ただ、ちょっとだけランプの炎が揺れた。けれどほんの少しだったから、あたしの鼻息で揺れたのか、ただの風のゆらぎなのかわからなかった。
── ひょっとしたらあたしにもできるんじゃない?
って期待していたから、この結果にはかなりへこんだ。
「あーーーっ! なんっで何にも起こんないのーーーっ!」
思わずブチ切れて近くの別のテーブルに手をついたら、
「あ、」
「詩雛くん、すぐこちらへ!」
「はい師匠!」
ここからはお決まりのコースだ。
どっかーん。
師匠の作った壁の内側で息を潜めてリーゼお姉ちゃんが怒鳴り込んでくるのをやり過ごす……はずが。
「……あれ?」
「ふむ」
しばらく待っても、廊下をドタドタと走ってくるいつもの音が聞こえない。
「リーゼお姉ちゃん、生徒会室にいないのかな?」
「いや、そんなはずはないが、妙ではあるな」
師匠が土の壁を消すとくるりと振り向いた。
── あ、お説教の予感。
「あ、あの師匠、あたしそろそろ行かないとー、失礼します!」
「待ちたまえ、詩雛くん!」
呼び止める師匠の声を振り切って急いで廊下に出た。そのまま階段のところまで来て、少し気になったので生徒会室を覗いてみることにした。階段を通り過ぎて生徒会室まで進むと、扉をノックした。
「失礼します」
扉を開けると、
「大変申し訳ございませんでした!」
いきなりリーゼお姉ちゃんがスライディング土下座をしてみせた。
── これ、どういう状況?
今回は本編の78話〜81話あたりとリンクしています。
しーちゃんのやらかしは本編ではかなり大きな転換点ですが、しーちゃん自身は覚えていません。なのでしーちゃんにとっては「てへ」くらいの感覚です(笑)
さて、リーゼのスライディング土下座の意味とは?
2週間後をお楽しみに!
それでは、またお会いしましょう。
本編の宣伝です。
しーちゃんが登場する物語
「We are enlister. Save the princesses of Emulia. ─古墳に入ったら、異世界の姫様の協力者にされちゃったので精霊を仲間にして日本を救います! ─」
はこちら
https://ncode.syosetu.com/n5917gw/
ソフィーが登場する物語
「絶望の箱庭~鳥籠の姫君~」
はこちら
https://ncode.syosetu.com/n3370hf/




