21 すてきな虹色ソーダ
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その後、あたしとれーちゃんも眼鏡を受け取った。言乃花お姉ちゃんが、
「何色にしたいか決めてから眼鏡に触れてね」
と教えてくれたので、
── んー、何色にしようかなあ。
ちょっと考えて。
── よし、今日の気分はこれだね!
あたしが眼鏡に触れると、指が触れた部分から綺麗なオレンジ色に変わっていく。眼鏡に付いているチェーンもキラキラと光りながら同じオレンジ色に変わっていった。
「すっごーい、綺麗っ」
眼鏡に見とれているうちにれーちゃんも眼鏡を取っていた。れーちゃんの眼鏡はピンク色に変わっている。
「すごい。本当に魔法の世界なんだ……」
「ふふん、ようやく実感した? そうだよ、すごいんだから! あたしは師匠の魔法を何回も見たことあるよ。すっごくカッコイイんだから!」
「あら、しーちゃん、そんなに副会長の魔法を見たことがあるのね? ……そう、それは後でゆっくりお話を聞かせてもらわなければいけないかしら」
言乃花お姉ちゃんがそう言って師匠に笑顔を向けた。言乃花お姉ちゃんが笑うといつも冷たーい風が吹くんだよね。ちょっとコワイよ?
「おい、言乃花くん、魔力が漏れているのではないか?」
「そうですか? 問題ありません意図的ですから」
「何だと? おっと、そうだ、我が弟子とその友人の怜奈くんと言ったな、君たちのために我が社から最新のマシーンを取り寄せたのだ。こちらに来たまえ!」
急に移動し始めた師匠についていくと、実験室の窓際に近い奥の壁に見たことのない機械が置いてあった。側にはガラスコップが並べられている。師匠が機械にコップをセットするとスイッチみたいなものを押した。すると、コポコポシュワワーッとさわやかな音がしてコップに飲み物が注がれていく。
シュワシュワしてるから炭酸飲料みたいだけど、なんだか不思議な色をしている。きっちり人数分入れると師匠がコップを手渡してくれた。
「師匠、これは?」
「あなたこれ、いつの間にこんなところに?」
れーちゃんも不思議そうにコップの中身を見つめている。コップの中のものはゆらゆらと揺れるたびに色が変わっていく。
「無論、我が社のものだから送ってもらったに決まっているだろう。詩雛くん、これは我が社が開発した『虹色ソーダ』というものだ。先日帰省した際に学園にも搬入されると聞いたのでな、私の研究室にも一台送ってもらったのだ。ここに来た時はいつでも飲みたまえ!」
「はい、師匠ありがとうございます! それじゃさっそく、いっただきまーす」
ゴクリと一口含むと口の中にさわやかな香りが広がり、炭酸が喉をすべり降りていく。飲んでいる間にもコップの中のソーダ水はピンク、水色、紫、オレンジとどんどん色を変えていく。不っ思議ー!
「うわぁ、これ、おいしー!」
「ほんと、そんなに炭酸もきつくなくて飲みやすいね。いろんな味がする……」
れーちゃんはちょっと炭酸が苦手なんだけど、このソーダは飲めるみたいだ。ツーンとしたところがないから飲みやすいのかな。味も不思議で、ベリーっぽいかと思うとメロンっぽかったり、ピーチやグレープっぽい味がしたり。舌の上でどんどん味が変わっていく。夢中で飲んでいたらあっという間に空っぽになっちゃった。
「おかわりはいるかな?」
「お願いします!」
「あ、わたしは半分だけ」
「私もお願いできるかしら」
学園探検をして渇いた喉がしっかり潤ったところで(三杯目をおかわりしようとしたら、ソフィーちゃんに「飲み過ぎは良くないよ」って止められちゃった。てへ)、私たちは実験室を出て廊下を歩いてみた。もちろん眼鏡をかけてだよ。眼鏡はとっても軽くて付けてることを忘れちゃいそうだ。でも、教室の前の表札も、壁に貼られている掲示物も、こっちの文字の下にきちんと日本語が表示されている。
── すっごーい、本当に文字が読めるよ!
さっすが師匠。かーっこいーーー!!
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それではまた二週間後の10時ににお会いしましょう!
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