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4 メイの部屋にて(学園Side:)

4話目、本編未登場のメイの私室になります。

特別棟の寮にあります。


それではお楽しみ下さい。

 ソフィーはそのまましばらくしーちゃんとの通話を楽しみました。


 しーちゃんが教えてくれたのは、 ニホン という国の学校に通っていること、外で遊ぶことが好きで、けいどろやドッジボールという遊びが好きなこと。


 ソフィーはアカデミーのこと、大切なメイのことを話しました。しーちゃんは『魔法』という言葉にワクワクしているようでした。魔法について知りたそうでしたが、ソフィーは魔法が使えません。


「今度お話するときまでに聞いておくね」


 と約束をして通話を終えました。


「ふふ、新しいお友達が出来ちゃった。後でメイに報告しなくちゃ」


 ソフィーはタブレットを落とさないように大切に抱えると、嬉しそうに歩き出しました。来る時よりも少し軽い足取りで、笑顔をうかべながら。




 その夜、メイの部屋でソフィーはタブレットを見せながら新しいお友達のことを話しました。


「それでね、しーちゃんがね……」


 メイはソフィーが一生懸命に話すことを「うんうん」と相槌をうちながらにこにこと聞いてくれました。


「そっか。しーちゃんって言うんだね。ソフィー、素敵なお友達が出来て良かったね。私たちの授業中に学園のお仕事を手伝っているのは知ってたけれど、一人でどうしてるかなって心配してたの。これからはしーちゃんとお話しが出来て素敵ね。本当に良かったわ。とっても元気そうな女の子ね」


 メイは濃い紫色の瞳を柔らかく細めます。


「私も話してみたいな、しーちゃんと」

「かけてみようか?」

「ううん」


 メイが首を振ると、紫色の髪がさらりと揺れました。普段は腰まで届く髪を二つに分けて結んでいますが、寝る前には降ろしています。ふわりと甘い花の香りが流れてきました。


「メイの髪、今日見たお花にそっくりね。中庭でしーちゃんとお話していたときに見たのよ」

「中庭? ……ああ、言乃花ことのかが教えてくれた藤の花ね。そう? 似ている? ふふ、ちょっと嬉しいかも」


 メイが笑うと、揺れた髪がまた甘い匂いを広げます。その香りに包まれて、ふわぁとソフィーがあくびをしました。


「もう遅いよ。続きはまた明日にして寝ましょう。……ねえ、明日からそのタブレット持ち歩くの?」

「うん。いつでもしーちゃんとお話したいもの」

「そう。おやすみ、ソフィー」

「おやすみなさい、メイ」


 ソフィーはベッドに入ると、すぐにスースーと寝息をたて始めました。


「ふふ、疲れていたのね……」


 メイはソフィーが眠ってから、しばらく何かを考えているようでした。


「……うん。これがいいかも」



 その夜、メイの部屋の電気は夜更けまで消えることはありませんでした。



 翌朝目を覚ましたソフィーは、メイの机の上に赤い布が置いてあることに気付きました。ベッドから起き上がり、トコトコと机の前まで行くと、


「わあ、可愛い!」


 そこには真っ赤なイチゴの形をしたショルダーバッグが置いてありました。赤い毛糸で編んだ紐が付いていて、肩から掛けられるようになっています。緑の葉の部分が蓋になっていて、開けるとちょうどタブレットがすっぽり収まる大きさです。


「おはよう、ソフィー」


 メイがまだ眠そうに目をこすりながら起きてきました。


「おはよう、メイ。あの、これ……」


 ソフィーが大事そうにかばんを持ち上げながら聞くと、メイはにっこりと微笑みます。


「タブレット、落としたら大変でしょう?」


 とととっ。


 ソフィーはメイのベッドに走り寄り、ぎゅうっとメイに抱きつきました。


「メイ、メイ。ありがとう。宝物にするね」


 ぽろぽろと泣くソフィーの頭を優しくなでながら、


「良かった、気に入ってくれて」


 と嬉しそうにメイは微笑んでいました。


 窓の外からは楽しそうに会話する鳥の声が聞こえてきます。


「このカバン、みんなに見せるね!」


 ソフィーはショルダーバッグを抱き締めると、涙をふきながらそう言いました。

なかなかしーちゃん回が回って来ませんが、次回もソフィーサイドのお話になります。一挙に登場人物が増えるので、お楽しみに。


本編ではあまり書かれないだろうメイとソフィーの会話が書けてとても楽しかったです。ニューアイテムも登場しました。これから活躍しそうなバッグです。


面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、ずーっと下の方にある⭐️をポチポチポチっと押したり、ブクマ、いいねで応援してくださいね。


感想もらえるとまりんあくあが大喜びします。レビューいただけると、変な舞いを踊って喜びます。


それではまた二週間後にお会いしましょう!投稿時間は 22時を予定しています。



本編の宣伝です。


しーちゃんが登場する物語


「We are enlister. Save the princesses of Emulia. ─古墳に入ったら、異世界の姫様の協力者にされてしまったので、日本を救って異世界に転生します! ─」

はこちら


https://ncode.syosetu.com/n5917gw/


ソフィーが登場する物語

「絶望の箱庭~鳥籠の姫君~」

はこちら


https://ncode.syosetu.com/n3370hf/

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― 新着の感想 ―
[良い点] アプリで異世界の、しかも別作品の人物同士が交流するという設定が面白いなと思いました。 [一言] ここまで読みました。
[一言] ソフィーとめい本当に温かい話をありがとうございました! また次話も楽しませていただきますね*˙︶˙*)ノ"
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