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アプリで転移って最強じゃない!? ─アプリを使ったら転移できちゃったので、異世界の学園に遊びに行っちゃいます!─  作者: まりんあくあ
第二章 れーちゃん、学園にお邪魔します!

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5 言乃花、学園長の思惑を探る(学園Side:)

今回の主役は、何と言乃花です!

しーちゃんとソフィーの知らない学園長のお話。


にぎやかにパンペルデュクッキングをしている食堂を出た言乃花は、学園長室にいました。


「座るかい?」

「いえ、立ったままで結構です」


 学園長は部屋に入ると声をかけましたが、言乃花は硬い声で答えました。学園長はそのまま窓際へ歩いて行くと、振り返ります。にっこりと笑みを浮かべ楽しそうに見えますが、言乃花はそれがうわべだけのものだということを経験で知っていました。


 ── あの笑顔はくせものよね。また煙に巻かれないように気をつけないと。


 こっそり気合を入れていると、


「それで、何の話かな?」


 いつも通りの様子で気楽に聞いてくる学園長に、少しイラッとしながらも気を引き締めて聞きました。


「とぼけないでください。詩雛しいなさんのことです。別世界から度々(たびたび)来られるなんて、おかしいですよね?」

「それはさっき説明したでしょ? ソフィーくんのためだよ」

「本当にそうでしょうか?」


 ── 学園長が本当のことを話すとは思えないわ。ボランティアでこんな手間のかかることをするはずがないもの。


 言乃花が注意深く学園長を観察しながら聞き返すと、ふと瞳を柔らかく細めて言いました。


「本当にソフィーくんのためでもあるんだけどな。君たちが授業中、ソフィーくんはずっと一人で過ごしているんだよ。僕も話しかけるようにはしているけれど、それでも廊下を一人で寂しそうに歩いている姿をよく見かけたよ。かわいそうじゃないかい?」

「それは……」


 確かにソフィーが授業の手伝いや学園の雑用を率先して引き受けていることは言乃花も知っていました。けれどもソフィーが孤独を感じていることまでは気づいていませんでした。言乃花の前でソフィーはいつも笑顔だったからです。


 ── 私がソフィーちゃんに会うときはほとんどメイさんが一緒のとき。学園内で見かけても、すぐに笑顔で話しかけてくれていた。寂しい思いをしていることには気づかなかったわ。……でも、きっとそれだけではないはず。


「ソフィーちゃんのことはわかりました。ですが、それだけで学園長がわざわざゲートを設置するとは思えません」

「本当にソフィーくんのためでもあるんだよ? 彼女が()()()()()であること。それが関係してもいるんだ。彼女はなるべく()()()()()()()()()()()()()()存在だからね」

「それは、どういう意味ですか?」

「ん? どういう意味だろうね? それに、詩雛くんはいずれあの二人に会う。彼女たちがどう動くか、かな?」

「学園長? あの二人とは?」


 けれども学園長は外の景色を見つめたまま答えてはくれませんでした。

 

「そろそろ戻った方がいいんじゃないかな? パンペルデュが焼き上がる頃だよ。焼き立ては美味しいよー。あ、ソフィーくんに僕の分は学園長室に後で持ってきてって言っといてね」


 学園長は振り返りもせず、手を振りながらそう言いました。


 ── これ以上は何も言ってくれないわね。

  

 言乃花はため息をつくと、


「失礼しました」


 と言って学園長室を出ていきました。ガチャリと音がして扉が閉まります。


「……さて、詩雛くんはどういった選択をするのかな。彼女たちに出会うのは……もう少し後みたいだね。その前にもう一人……かな。さらに面白いことになりそうだね。彼女のお相手はどうしようかな」


 楽しそうに独り言を言う学園長を見ていたのは、窓の外の木々だけでした。


学園長が何かたくらんでいるようですね。

「箱庭」の読者様、こうでなくちゃ!って思ってもらえたら嬉しいです。


しーちゃん本編の読者様、学園長はこういう人なんです(笑)しーちゃん視点では書けない学園サイドがこれから時々出てきます。その辺りのギャップも楽しんでもらえたら嬉しいです。


それではまた二週間後にお会いしましょう。


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こちらはこのコラボ小説と同じ二週間に一度くらいのスローペース更新です。ゆっくり更新ですので、ブクマ推奨します。


どちらもよろしくお願いいたします。



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― 新着の感想 ―
[一言] 何かを考えている学園長。 言乃花ちゃんはそんな学園長に何かを思うが果たして。 でもソフィーが嬉しいと思ってくれるなら俺はそれでも素敵な事だなと思ってしまうのですが果たして? しぃちゃんもソフ…
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