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やっぱりれっしゃのたびはたのしいな

グ~っ。

誰かの腹の虫が鳴く。

「僕の腹時計が叫んでる。飯の時間だと叫んでる。」

小声でぼそりとつぶやいた遥夢さんの一言。側に居たから聞こえたけど何のことなのだろうと思っていたら、神子さんがまるで精気を吸い取られたかのように一気に脱力して、その直後いきなり遥夢さんをひっぱたいた。

「それ外で言うなって何度言えば判るんですか。」

「仕方ねえ。何か食っていくか。」

正規さんが言う。

わたしたちは、食堂階と呼ばれている、デパートのレストラン街のような階についた。すると遥夢さんがどこかへ走っていく。追いかける私たち。遥夢さんが立ち止まったのはとあるそば屋の前。

「……天ざるか?」

正規さんの問に頷く遥夢さん。まるで犬が尻尾を振っているかのようだ。

店に入ると個室に通された。まあ、20人も居れば仕方ないか。

「えーっと。山菜特天ざる大盛り5…じゃなくて、7枚。」

「僕のおごりですから、遠慮なさらずに。むしろ、遠慮なんてしたら殺しますよ。」

「「え。」」

「あー、残りは決まったら呼びます。」

正規さんが店員にそう言ってとりあえず注文を終える。

[あ。私、山菜天ざるにする。]

「私もそれにしよう。」「「わたしも。」」

結局みんな山菜特天ざるの大盛りというのになった。

「ふー。食った食った。」

姉が腹をたたきながら笑う。

「ほじゃ、善光寺まで歩きますか。」

わいわいと大騒ぎで歩く一行を町の人はどう見ていたんだろう?

善光寺に着き、境内を自由に散策する私たち。

[あの、何時にここを出発するんですか?]

「20時です。特別高速線を使用して藍蒼市に向かいます。」

「「えーっと。今日のですよね?」」

「当たり前でしょう。」

夜まで何をしてればいいんだろ?

「さーてと。ちょっと、こっちのキャンパスに顔出してくるわ。先生居るって言うし。」

犀川のほとりに、遥夢さんたちの出身大学がキャンパスをおいていて、そこに遥夢さんた

後で聞いたら是非出たかった講義を神子さんたちがやっていた頃、私たちと摂津姉妹は神子さんの恩師に会ったことすら無いので、ぶらぶらと長野観光をしていた。

「いつも駅から神子さんちに行くか藍蒼から直行やからこう市街地ぶらぶらは久しぶりや。」

遥夢さんたちの国である蒼藍王国は鉄道の国と言われているそうな。広大な国土を結び、さらに定時制を確保するために国土全体にまるで肝臓の血管網のように縦横無尽に軌道が張り巡らされている。

この世界の瑞穂もこの二国に及ばないまでも鉄道もが発達している国の一つで有り、その中枢である長野は山がちな土地柄なためか、パワーがあり数十秒でトップスピードに達する能力を持つ車両が導入され、専用軌道のみならず併用軌道も多用される、世界有数の鉄道の街となっている。

特に併用軌道では、六両八両と言った大都市圏で一般的な長さの列車は当たり前に行き交い、JRやLTR、長野電鉄だけで無く中都の交通局までもが鉄道路線を運行している姉にとって天国みたいな街。

そんな街をぶらぶらしながら、私たちは真朱彌さんの案内で長野市内の繁華街、権堂地区にやってきた。

「いろいろあるなあ。あの、東京はどうなってるんですか?」

「明らかに埋め立て地だと地図で見て判る部分は水没しとる。ほかにも、房総半島の付け根に落ちた隕石の影響で起きた津波で京葉道路の付近までが海中に没 しとる。地震の影響は凄かったはずや。

東都の都庁は仙台に行ってもうてその跡地にはJRIの本社がある。」

[世田谷はどうなったんですか?]

「そこのハンバーガー屋入って話そうや。」

よく見るMマーク。この世界にもあったんだ。

「みんな何にする?何でもええよ。」

そうは言われても私たちはこの世界の通貨を持ってない。

「ん?ああ。支払いの心配か?みんな所属を示す物はもっとるか?社員証、学生証、軍務手帳。何でもええ。今行った中で一番ええのは軍務手帳やけ…そういえば、就労証明持ってる人8人も居るな。

まあええ。ここは私が支払う。遥夢さんや無いけど、あんまり遠慮せんで欲しい。この身分になるとな、収入に支出が追いつかなくて貯まる一方でな、困っとるんや。口座の貯蓄限度額が一杯になってもうてなあ。」

よくわからないけど大変そうだ。

私は、お気に入りのメニューと同じ名前のメニューを見つけてそれを注文した。

「…あれってもしかして。ミラ、決済は任せた。」

そう言って真朱彌さんは歩いて行ってしまった。真朱彌さんが向かった先にはあの大使さんが居た。

「あれって、璃茶さんやないか。」

[あ。連れてきた。]

「やっぱり思ったとおりやった。何か神子さんに文句言うって息巻いてるから、みんなそれ食ったら、藍蒼大に向かうで。」

真朱彌さんが大使さんを連れてくると誰かの電話が鳴る。

真朱彌さんが、机に縦線を一本引く。

「どないしたんや?…うん?…今か?今な、権堂言うとこの-におる。周り?何かやたら長い電車が行き交ってる大通りのそばや。…え?迎え?はあ。」

今度は机に横線を引く真朱彌さん。

「ん?ああ。電話がかかってきたときにどこでもいいから体の正中線と平行な方向に。つまりは縦線を引けば受話。横線を引けば、終了になるんや。」

数十分後。河川敷にて

「何だって?」

「まあ、ね。しっかしリーさんの声は地声でアニメ声だからなぁ本人も気にしてるけど、こればかりはねえ。」

何故まあ、犀川河川敷に集まっているのかと聞かれたら、涼子さん曰く神子さんのせいとしか言いようが無いそうな。文句を言うと息巻いていた璃茶さんも、地声のせいで、神子さんにきちんと伝わったかすら疑問である。

それほど璃茶さんの地声は俗にアニメ声と言われる声質。

そして時間つぶしで入った居酒屋で、見事に遥夢さんたちに酔い潰されてしまった。

「ある程度は強いはずなんだけどなぁ。」

「おまえらが笊過ぎるんだよ。」

「笊じゃねえよなぁ。」

「排水溝だよね。」

このやりとりに呆れ頭を抱える正規さん。

「あ。そっち。排水口じゃなくて。」

「あ、そっちか。」

「もうやだこいつら。」

「いつもこうなんですか?」

姉が、質問する。

「え?ああ。こいつらはこれが平常運転だよ。」

夜。昼間とは違う賑わいを見せる駅。夜行列車に乗る人降りてくる人。JRIと言われる会社。私たちの世界で言うMRに相当するらしいが、そちらは比較的まばらだ。」

『7時のニュースをお知らせします。

トリニティテクノロジカルソフトウェアは、先ほどLLCが開発販売するCLLOSに付属する疑似人格型ユーザーサポートインターフェース、通称「A.I」と高い互換性を有する新型アシスタントアニマルプログラムを開発したと発表しました。

A.Iとの共存が可能といううたい文句 で販売を開始すると担当者は述べていますが、アシスタントアニマルプログラムに対する市場の見方は冷ややかです。その理由の一つとして、3C社が販売する A.Iの派生品の一つに、A.I-MMJ、ミミジャネーノA.Iという物が存在し、A.Iベースであることから来る完成度と安定性の高さから…。』

「なんで替えるのよ。」

「そうや。気になるや無いか。」

「A.Apにはユーザーの精神を徐々にむしばむという致命的欠陥があって、IICが、3Cから安全宣言が出るまでは、開発禁止にしたんだよ。まだ原因が特定されてないから、安全宣言を出してない。」

神子さんが言う。どうやらこの世界には2種類のNASが存在していたがそのうちの一つが、致命的欠陥を抱えていたために開発が禁止になっているらしい。

『臨時ニュースをお伝えします。IICはさきほど、開発が無期限で禁止されている疑似人格型ユーザーサポートインターフェース、アシスタントアニマルプログラム通称「A.Ap」を無断で開発販売しようとしたとして、日本連邦最大のソフトウェア開発会社トリニティテクノロジカルソフトウェアを国際電脳法違反 として、総合紛争仲裁裁判所に告訴しました。

A.Apには使用を続けると使用者の精神を徐々にむしばみ最終的に崩壊させてしまうと言う致命的な欠陥が確認されており、その原因は現在も確認されていません。

販売終了時の開発協力者で有り販売元である3C社は『全ての責任を持って、この欠陥の原因と対策を究明する。』との声明を発表しており、その成果を世界中のIT企業が首を長くして待っていた中での今回の騒動に、3C広報はFIBの取材に対し、

「今回、安全が確認されていないソフトが世に出回りかねない事態となってしま誠に遺憾であるが、この事態には当社にも、原因究明があまりにも遅れているという責任がある。

トリニティテクノロジカルソフトウェア社は、当社とも大変良好な関係を持っており、寛大なる審判を望む。トリニティ社を始め、今後、 A.Iと互換性を持つUSIを開発する意思を表明した企業にはA.I-MMJなどの技術を無償で公開する方針である。」

とのべ、今後のUSI、ユーザーサポートインターフェース業界の動向から目が離せません。

なおトリニティテクノロジカルソフトウェア広報は、取材に対して、

「当社の身勝手な行動が、業界全体に大きな影響を与えてしまったことに深く反省している。裁判所の決定を真摯に受け止め、自戒していく方針である。3C社の心遣いに深く感謝すると共にできる限り、日本の、世界の電脳産業の発展にまた一から挑んでいく心で、再出発を切りたい。」

とのべています。同社の開発部門では今回のような話は一切無くもしかすると同業他社からの嫌がらせでは無いかとの見方もあり、CIPOや、CUPの捜査の結果が待たれます。』

空中に浮かぶフレームに写るキャスターが淡々と読み上げるニュースを耳にしながらホームに出る私たち。

「なっげー。」

「35kmあるからなぁ。」

「「は?!」」

35kmもあるなんて訊いてないよ。

「間違えた。50kmだ。一等編成が45kmあるから。」

50kmも有るホーム。見渡せば360度パノラマで地平線の先まで駅だった。

「一つの駅につき最低200のホームがある。そうじゃないと捌けないほど大量の列車が走ってるから。」

目を輝かせる姉。それにしても、本当に視界に映るのはホームか行き交う列車だけ。建物なんて見えやしない。

時間になり列車に乗り込んだ私たち。神子さんに渡されたチケットに記された部屋に入る。

[すごーい。]

「これが、列車の中とは思えないな。」

『この列車はLSN-LTS-LTR salfa varis LUNAHA folzeain el LINKRIS mairena 特別高速線ボルフラント本線ルナハ8888号リンクリス100号ボルフラング中央発、ニューセント・パンクラス、フローラ、蒼明、長野、ルーラ、アリス、藍蒼経由瑠美野行きです。途中、アイルーン王国連合蒼藍王国アルトマリア市、狸天市は経由しません。これらの地域に ご用のお客様は次に停車致します、ルーラにて、一般編成にお乗り換え下さい。

停車駅と到着時刻のご案内です。蒼藍王国マーライヤーナ州ルーラ日付変わりまして1時 20分。ラルト王国アリス州アリス市アリスセントラル10時20分。蒼藍王国ルネスティアラ州藍蒼市藍蒼中央20時10分。同神宮総合20時20分。終点 蒼藍王国ルネスティアラ州瑠美乃市瑠美野22時40分の到着予定です。

なお、接続路線、乗り入れ路線の状況により、途中運転を打ち切る場合がございます。その際はどうぞご了承下さい。

ウェリアス線の全線定期点検のため通常行っています、ウェリアス線への直通運転は行いませんのでご了承ください

また、各停車駅にて、ボルフラント本線をはじめとして各路線に接続します。


本日はLSN-LTR salfa varis LUNAHA folzeain el LINKRIS mairena 特別高速線ボルフラント本線ルナハ8888号リンクリス百号にご乗車いただきまし て誠にありがとうございます。これからのアナウンスは当列車に初めてご乗車いただいておりますお客様にのみ放送しております。

車内設備のご案内です。

1号車から450号車は一等車、551号車から750号車が二等寝台車。751から1000号車が二等座席車となっております。

500号車501号車が食堂車、451から460号車が一等車側の浴場車。

541から550号車が二等車側の浴場車です。461号から470号車及び、531から540号車が遊戯車。

471から499号車が図書館車、502から505号車が医務車。

506から530号車には映画をご用意しております。なお470号車と471号車の間は二等車のお客様は行き来が出来ませんのでご注意下さい。

当列車は20両ごと5百人の車掌が乗務しております。そのほかに1両につき一名の執事が乗務しておりますので、遠慮無くご利用下さいませ。

浴場車は二十四時間利用可能ですが、給湯システムの管理の関係上二三時半から一時半の間はお客様による温度調節が出来ません。この時間は一律37度での給湯となります。


お客様のを快適かつ安全に終点までお運びする運転士、並びに列車長をご紹介します。運転士はルーラ総合運輸区所属-運転士。列車長は神宮総合運輸統括司令所所属-です。

また、各部屋のベットもしくは、寝台の枕元、各座席の肘掛け部分で、当列車専属A.Iに連絡を取ることが可能です。

それでは皆様快適で楽しい列車の旅をどうぞお楽しみ下さい。

当列車専属A.Iエイシァ・エル・セルファバリッサ・リンクスメイリナがお送りしました。』

結局この日はこのアナウンスを聴いた後軽く部屋でシャワーを浴びて、用意されていた寝間着に着替えて寝ちゃったんだけど次の日の朝。とはいえ、外は真っ暗だったんだけど。

ジーッ。

[あと五分だけ…。あ、お、おはようございます。な、何かご用ですか?]

「ほんとに遥夢さんや無いけどいつまでも見ててあきひん寝顔やったわ。」

真朱彌さんが私の顔をのぞき込んでいた。

[なんですか。]

「朝飯一緒に行こうおもってな、誘いにきたんや。」

[朝食って、…外真っ暗ですよ。まだ朝な訳ないじゃないですか。]

「何ゆうとるんや。宇宙空間なんやから外真っ暗なのは当たり前や無いか。それにしても、セクスィーな格好しとるなあ。」

真朱彌さんが少しにやにやして私を見ている。視線をたどると。寝ている間にはだけたようで、寝間着として用意されていた、浴衣の胸元があらわになっていた。

[レイさん、下着つけないんか?]

やっぱり和装だと開放的になっちゃうんだと思う。一応プライベートスペースだし。

「そう言う問題やないやろ…お姉さん幸せそうやな。」

[昨日は遅くまでこの列車について調べてましたから。]

「そうか。ほら起こす起こす。朝食バイキング楽しまな損や。」

私が姉を起こしている間に真朱彌さんはもう廊下に出ていた

「ほないこか。」

[その前に、部屋の鍵どうしたんですか?]

大事なこと。

「遥夢ちゃんな、SVL全列車全室のマスタースペアキーを持ってるんよ。それで一枚貸してもろたん。」

すごいコンプライアンス的に問題な気が。

「細かいこと気にしとったらふけるで?」

真朱彌さんは羽魅先生には無いタイプの大人の色気を持っていると思う。羽魅先生は豪快な姉御肌の女性が持つ色気。真朱彌さんは落ち着いた、大人の色気のイメージそのものな大人の色気。さっきまでそう思っていたけどこれじゃただののんきな人だよ。

そんな感じで会話を続けつつ食堂車についた。

食堂車は食堂車と言うよりも、どこかホテルのレストランもしくは映画などに出てくる豪華客船のレストランのようだった。

「君たちの部屋もそうだけど、蒼藍王国は、空間操作技術に長けている。だから、本来、横幅3m弱の鉄道車両の内部をこの様に大きく広げる事も可能なんだ。」

食事はさっき真朱彌さんが言っていたとおりビュッフェ方式。俗に言うバイキングタイプで食べ放題だった。

「崎原夏海様ですね?」

「は。はい。そうですけど。」

「当社会長より、スペシャルドリンクのプレゼントです。」

ウエイターが持ってきたのは、藍色から上に行くにつれ色が薄くなり一番上の層は水色になっている、カクテルのような色合いのドリンクだった。

「おいしい。」

[お姉ちゃん。……どっかで見たことのある配色。]

「基本一等編成はこの配色の帯を白地の車体にまとっていますから見覚えがあるのは僕たちにとっては当たり前ですが、数秒程度しか見てないのにレイさんよく覚えてましたね。」

「「会長。」」

国王というのは知っていたけど、会長って。

「それ、ここで言いますか。」


朝食を終え、図書館車に遊戯車にとおのおの好きな場所に向かうな私と敦雅は、遥夢さんと正規さんの案内で2人部屋に入った。

「星守と国守の巫女を第1段階の覚醒状態に引き上げます。

その後、断続的に最終段階で有る第二段階の覚醒状態に二人の状態を引き上げ、覚醒の感覚と、方法を体に叩き込みます。

第1段階だけなら僕だけでも良いんですけど、第二段階まで一気に引き上げるので同一室内に能力制御の精密性をあげるために制御補助をしてもらおうと正規さんを引っ張り込みました。」

「お、おい遥夢。それってもしかして。」

「女性はですね、正規さん。胸と下腹部に一番気が集中しやすいんです。そこで、そのどちらかから直接覚醒状態に引き上げるための処置を行います。」

遥夢さんの言葉に苦笑しつつ回れ右をして部屋の隅で壁を見つめ坐禅を組む正規さん。

「さてと。始めましょうか。まずは検査ですからリラックスして下さいね。」

そう言って、空中に穴を開けそこに手を突っ込む遥夢さん。

「ぅおきょ?!」

素っ頓狂な声を上げて穴から落ちてきたのは真朱彌さん。

「な、何や一体。」

「蒼天宮到着前に覚醒だけは可能にしておかないと今後の異形対決に支障をきたしますから。真朱彌さん、検査を。」

遥夢さんが笑顔で言うので、真朱彌さん苦笑せざるをえなかった。

「結構難しいなぁ。胸も子宮のあたりも複雑に気が入り乱れてる。特にレイさんの方は、これから肩がこって難儀するはずや。

星の気が一気に流れ込むから、その関係で男受けする体つきになるはずや。

せやから、レイさんは胸の方から覚醒鍵を入れた方がええな。敦雅さんは、子宮の方に気が入り乱れとるから、へそから覚醒鍵を入れるとええ。」

真朱彌さんの言葉に従って力を発動させる遥夢さん。

まあ、何が変わったかは見ただけでは判らない。

そのうち、外が青くそして明るくなる。時間は10時29分。ラルトと言う国の首都、アリスについたそうだ。藍蒼中央と、神宮総合を除きほとんどの駅のホームは、亜空間に建設されている。長すぎるために用地が無いからだそう。

「後10時間弱で、目的地に着きます。藍蒼中央を出たら、降りる用意をして下さい。」

再び漆黒の闇の中に走り出した列車の中で軽く荷物をまとめ終えた遥夢さんが私たちに告げる。

国境を過ぎ、数時間。窓の外に大きな青い惑星が見え始める。あれが遥夢さんたちの国蒼藍王国の中枢。首都惑星ルネスティアラ。

列車はあの星のとある大陸西岸にある四角い場所を目指しているそうだ。

首都ルネスティアラ惑星中枢都市藍蒼。それがあの四角い場所の名前。

めちゃくちゃな大都市とのことで楽しみだ。

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