成就しないクリエイター
掲載日:2020/09/01
沢山創られた想いのカタチ。
その一つ一つを風船の紐に結んで飛ばした。
赤い風船にはこの想いを。
青い風船にはこの想いを。
黄色い風船にはこの想いを。
風船は無限にあるから沢山飛ばした。
いつしか無くなってしまったのは想いの方だった。
あんなに沢山あったのに。
それと同時に気づいたのは、
飛ばした風船が全部落ちていた事だった。
他人の風船は沢山飛んでいるのに。
それから沢山の想いをしたためた。
私の想いをもっと見て。
私の想いを遠くに運んで。
私の想いを多くの人に届けて。
願ったのに、
飛ばした風船は目の前で墜落していく。
どうして。
あの人が飛ばした風船は天高く飛んでるのに。
創った想いを皆んなに見て貰えてるのに。
私の風船は周りの風船に埋れて割れる。
永遠に皆んなの視界に入る事はない。
風船に結びつけた想いをいくら弄ったところで、
決して軽くはならない。
いつも同じように落ちる。
どんな工夫も意味を成さずに。
そうして次第に気付いていく。
私の想像は、
私の創造は、
天高く舞うことも出来ない、
重鈍な愚作だってこと。




