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√3

俺たちは教室のゴミ箱のゴミ捨てを済ませてカバンを取りに教室に戻った

百合にとっても俺にとっても少々ムダな時間になってしまった


俺は机に置いた学生カバンを取る


「じゃあ、帰るか」

「そうね」

「途中、コンビニでも寄らないか?」

「なんか欲しいものでもあるの?」

「勉強の時におやつでもどうかと思ってな」

「あんたね、もの食べながら集中して勉強できるの?」


まるで、母親のようなお叱りだな


「百合はおやつ食べながら勉強しないのか?」

「たまにする事はあるけど」

「なら、問題ないだろ?それに、今日はせっかく教えてもらうんだ大したものではないが百合の分も俺が買ってやる」

「え?うん、そう言う事ならありがたく頂くわ」


そう言って俺たちは教室を後にする

校舎を出ると運動部の掛け声などが響く放課後らしい風景が広がる


「そういえば、百合は部活とかって興味あったりしないのか?」

「急になによ」

「勉強が得意なのは知ってるが、小学校からの付き合いなのにあまり百合の事を知らないような気がしたんだ」

「まあ、そうね。私って勉強以外あまり関心ないのよ」


百合は平然とそう言う


「にしては、クラスの女子に仲が良いのも居るみたいじゃないか」

「それは、女の子の流行だとかは自然と耳に入ってくるし少なくとも興味がないわけじゃないから」

「あるじゃないか、関心のあるもの」


俺は百合に指摘した


「それ、関心って言うのかしら?」

「例えそれが周りに話しを合わせるためにやっていることだとしても物事に関心を持つって言うのは素晴らしい事だぞ?」

「どうして?」

「うーん、そうだな。」


俺は少し例え話しを考える


「これはちょっと、関心とは違うかも知れないが....例えば、百合が日本語を誰からも教わらなかったら人と話ができるか?」

「できるわけないでしょ」

「だが、今はこうして日本語を話せるのはなんでだ?」

「親が話しているのを聞いてそれから段々と話せるようになるでしょ?普通」

「そうだ、まあこの例え話しは関心ではなく人間の本能的な習慣だが。もし、それすら関心がなかったら人と話すことなんて不可能だろう」

「まあ、たしかに」

「まあ、何が言いたいかって言うとだ。人は関心を持つことや対ヒトとのコミュニケーションによって心を保ってる。人間が1年間喋らないとどうなるかわかるか?」

「うーん、なんとなくで想像つくのは....話しかけ方を忘れるとか、あとは他人が怖くなったりとか?」

「間違えてはいないが、俺の求める答えは精神的な病気にかかるって事だ」

「まあ、そうでしょうね」


俺たちはそんな会話をしながら途中のコンビニを見つける


「いらっしゃいませ〜」


店員が景気のいい挨拶をする


「さてと、百合は何が欲しいんだ?」

「そうねえ」


百合はお菓子の商品棚を眉間にシワを寄せながら物色する


結構、悩んでいるのか?


俺は、袋詰めのチョコと飴を取る

そして、場所を飲み物エリアに変えてペットボトルのジュースを取った。


「百合、そろそろ決まったか?」


もう一度おやつエリアに戻るとまだ眉間にシワを寄せながら商品棚を見ている百合がいた。

しかし、いくつかのおやつは手に取っていた。


どれどれ、何を選んだ....って


百合の手には、ポテトチップスとスナック菓子


どう考えても勉強する時のお菓子じゃないだろそれ....


「おい、百合」

「なによ」

「いくらなんでも、勉強の時にポテチはないだろポテチは」

「え?そう?私はよく食べるんだけど」

「ノート汚れるだろ?」

「いや、わたし目で勉強するからページめくる時ぐらいしかノート触らないし。ページめくる前に手拭いてからめくるし」


そこの問題でもないのだが、まあいい


「お前、本当にそれで良いんだな?」

「いや、そうなんだけど。たまには違う物食べたいなって思って悩んでるのよ」


ふむ、そうだな。

まあ、勉強しながらつまめるものは俺が選んでるし

百合の分は休憩の時用にするか。


俺は、コンビニによくあるプリンやゼリーなどが置いてあるエリアを見る


あるか?


俺は見渡す。


お、あったあった。女の子が好きそうなものと言えばこれだろう

俺は早速、百合の元に商品を持っていく


「百合」


百合がこちらを振り返る


「これじゃダメか?」

「え?良いの?ケーキなんて...それも2つも」

「1つは俺のな!」

「なんだ、でもいいの?」


俺が取ったのはコンビニによくあるカット済みのショートケーキだ


「いいよ、せっかくだからな」

「あ、ありがと」

「飲み物はいいのか?」

「いや、飲み物まで買わせるなんて悪いよ。ケーキまで買ってもらって」

「このケーキだってコンビニのなんだから大した金額じゃない気にするな」

「なんか、ごめん」

「謝る必要はないだろ、俺がこうしたいんだ」

「そっか、ありがと」


百合も飲み物を選んで俺たちはレジに商品を出す


「お会計、1672円になります。」

「はい。」

「1700円お預かりします、、、28円のお返しです。ありがとうございました〜」


お会計を済ませ俺たちはコンビニを出る


「コンビニで1600円って高いじゃない」

「別に大丈夫だよ」

「せめて、その袋くらいは持つわよ?」


百合は手を出して俺に言う


「いや、女の子に荷物なんて持たせられないだろ」

「だって、さすがに悪い気しちゃうわよ」

「気にするなっての」


それでも不満そうにする百合


「だったら、俺と手を繋いでくれないか?」

「え?なんで」


さすがにこれは引かれるか?


「嫌だったか?それなら....」


俺が最後まで言いかけると百合は俺の空いた右手を握った


「百合?」

「嫌じゃ...ないわよ」


今、百合の顔はよく見えないが頰あたりが赤くなってるのがわかった


「い、嫌じゃないなら良かった。」


あまりにも突然だったので俺も少し驚いてしまった。


俺たちは手を繋いだまま家へと足を進める


ちなみに、桜衣 百合√編は両性巫女による魔法要素は加えません

巫女同士のバトルなどを描いているのは系列作品の「両性巫女の高校生活」の方になります。

高校生活の方に関しては史実ストーリーですが 桜衣 百合√編はあくまでIFストーリーのつもりです

もしよければ、「両性巫女の高校生活」の方も読んでいただけますと幸いです。

ですが、注意点としては1話に平均15000文字とひたすら長い文章になっておりますので後々改稿を検討はしておりますがご了承ください。

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