真実と覚悟
翌朝 支倉「おはよー。昨日は良く眠れたかー。」有藤 {眠れる訳ねーだろ!まだ頭が昨日のことに着いていけてねーんだよ}、と言いたいところだが、ぐっすりそれも8時間程だろうか?一度も起きずにぶっ通しで寝られた。これもそれも全て招き入れてくれたこの世界の老人 ライオス・ケンフォルドンの待遇が良かったからである。有藤 「うーす。ライオンさん。」ライオス 「ワシの名はライオスじゃ。」有藤 「すんません。ライスさん。」支倉 「お前、自分の名前を弄られるのは嫌な癖に人の名前を間違いまくるのはある種のいじめられ詐欺じゃ。」と俺の頭を背後からチョップする。詐欺って、でもまぁ確かに名前を間違いことはしっかり謝らなくてはならんし、状況から考えて『うーす』ではなく『おはようございます』か。ライオス 「朝食はできとるぞー。はようお食べ。」俺ら二人が早急に食事を取るとライオスは急にシリアスな顔になった。ライオス 「この世界では【モース】と呼ばれるまぁ病気の元になるものが生まれつきで体のどこかに発生しており、それを不幸率【グース】と幸福率【ギース】を均衡に保つことによって進行を遅らせる。しかしその為には特異能力を発生【ダウンロード】しなくてはならない。」支倉 「【ダウンロード】?」ライオス 「あー、しかしむやみやたに【ダウンロード】していい訳でもない。何故ならそれをすると【ギース】が減少し、【グース】が増え【モース】が悪化する。」有藤 「じゃあもうこのままでいいんじゃねぇ。」ライオス 「ところがそれもまたダメなんじゃ。」有藤と支倉 「どうして?」ライオス 「考えてみりゃあ解る。確かにそのままだったら【ギース】は上がるしかしそしたら【グース】が減る。ということは?」有藤 「は?だから?」支倉 「そうか双方の均衡が崩れるのか。」ライオス 「そう。だからワシらは戦うしかないのじゃ。それに理由はもう一つある。今ワシらの国を統括している王族側が【モース】を広めて独り占めしようとしとるんじゃ。」有藤 「そりゃあ何とかしないといけない…の?」支倉 「何故疑問形?」有藤 「いやだっていきなり勇者になれみたいなことを言われてもなぁ。」そこでライオスさんいわく、今日は武器の買い出しをするらしい。 夕方 有藤 「あー今日は疲れたなぁ。いやちょっとまてまてまて!!」昼過ぎから薄々気付いていたが、視界が段々と見えなくなってる。「おーい支倉ぁどこにいるぅ?」返事がない。仕方がないので、手探りでライオスさん宅を探し回った。何とか呼び寄せることが出来たが、俺は何度も「何?何?」と聞き返す支倉にも異変が起こっていることを悟った。有藤 「お前、耳が聞こえないのか?」支倉 「えっ何?」有藤 「あー聞こえないから答えれないのか。」しかしそれこそが彼の聴覚が遠退いんだという確かな証明でもあった。そういえば話に夢中で気が付かなかったが、あのライオスさんも右足が義足で杖をついていたような。そうかこれこそが【モース】の脅威。{で俺らどうすりゃあいいの?}と思っていたその時、ライオスと同じに反政府組織 通称【アンリミテッド】に所属する部下が訪れてきたのだ。
二人の元に訪れてきた【アンリミテッド】に所属する彼らはとは果たして一体何者なのか?そして彼らは二人の味方になってくれるのか!