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犬の声

作者: 潮路


 外から犬の吠える声がした。

 困ったものだ。そんなに吠えると、近所の子供がまた怖がってしまうではないか。

 ハイハイと答えると、家のドアを開ける。

 主人の接近を感知したのか、吠え声は途端に甘え声へと変わった。

 小屋の中に、好物のサツマイモを二、三切れ置いてやる。

 すると、嬉しさに満ちた声を上げて、小屋の中へと消えていった。

 わんぱくな性格は生前と変わらないな。

 家族の一員であった柴犬の姿を思い浮かべ、私は苦笑した。

ちょっとしたファンタジー。

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