出雲の呟き
思っただけ
バスガイドたるもの喋るだけとな?
馬鹿馬鹿しいな。いや彼女達はそういう仕事だからまだいいのだろう。問題はそれを受け入れ歓迎するものだ。
旅行をなんだと思っている、旅をなんだと思っている。ただ美人と喋りたいだけならそういう店に行けばいい。
旅とは本来、感じ学ぶものだ。実際に目で見て音に聞き肌で感じることで初めてそれは生きた知識になりうる。
それを『すまーとふぉんで調べたほうが早いし詳しい』だと?
それは学ぶということがなんたるか何もわかっとらん愚か者が言うことだな。
旅で学ぶことで大切なのは『自分がどう感じた』かだ。実際に思い考えることは百の知識よりも遥かに貴重で人生においても大切だ
例えばだ、戦時の手紙や武器を展示してある博物館に行き自分の頭で考えた者、すまーとふぉんとやらで調べただけの者。どちらの方がより身に染みて分かっているだろうか?また人に語るときにどちらの方が心に残るだろうか?
答えは明白だ、自分の頭で考えた者だろう
知識だけを取るならすまーとふぉんで調べた者の方が確かに多いだろうな、だがそれだけじゃあ役に立たん。自己満足で自己解決なだけだ。少ない知識でもどう捉えたか、何を感じたか。それはやがて自分をつくる。沢山考え、感じた者はそれだけ厚みのある人間になるだろうさ。それに考えれば疑問が湧く、そうすれば調べる。そして知識が増える。
つまり、思案することは知識に繋がるのさ。考えた先の知識はより多くの人の心を揺さぶるだろう
硬い?真面目すぎる?楽しければいい?
それは生きている者としての怠慢だな
『楽しいだけの人生』にそれ程価値はあるとは思えんな。今を生きるのなら己の生に価値を見出したいのなら考え感じろ、そうすればやがて理想の己に近づけるだろうさ