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何処かの誰かの何か  作者: 霖霧 露
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誰かの本棚

※この作品はフィクションだった気がしますが如何せん記憶があいまいなため確証がありません。実在のモノとは一切関係ないと思うのですが自信をもって述べることが出来ません。

 本棚とは、凄くバッサリ言ってしまうなら本を収納する棚である。これだけでは文字数が稼げないのでさらに細かく書いていくが、本を収納するそれではあるのだが人によって収められている本が違い、ある意味では所有者の人格の一部を写し取っていると言っても過言ではない。

 そう、本棚とはただ本を収納するだけの箱では断じてない。これは、宝箱に等しい。

 本棚の前に立ち尽くし、並べられたタイトルを眺めて恍惚としていた。前述のとおり、自身は本棚を宝箱のように思っている。そこには自信が心揺さぶられた漫画・小説・書籍がスペースを潰していた。

 ・・・・・・実家にある本も回収しないと。

 現在住んでいるアパートの一室の隅。そこには二つの本棚が並べられている。一つは半分程度スペースを埋められている前後二列のスライド本棚。もう一つはまだ何も収納されていない回るタイプの本棚。どっちも本棚の必要性に駆られ、本棚を密林の名前のようなネットショップサイトで探したうえで見つけ、衝動買いしたものである。スライドタイプの本棚の詳細は前後二列四段のスペースを持つそれであり、現在は前列一段目は空・二段目はなんか気迫が人の形をしてて特殊な能力を使える物語の八部全巻・三段目はタイトルに惹かれたり既読小説の続刊だったりの未読小説・四段目は森のホ○ォ。後列一段目に何度も読み返したくなるようなお気に入り小説・二段目に内容をおおよそ記憶した読み返すことはもうあんまりない小説・三段目は雑多漫画・四段目は書籍が収められている。回転するタイプの本棚は実家のお気に入りの本を回収する予定だ。

 一見、統一性はない。だが、そこにはある一つの統一性がある。

 相変わらず、王道な話がない。

 そこに収められた本たちはほとんど邪道と呼ばれ、正直マイナーと呼ばれるものが多い。決して王道が嫌いなわけではない。決して恋愛ものが嫌いなわけではない。

 ガッシュべ○とか鋼○錬金術師とか好きだったけど。スクールランブ○とか流されて藍蘭○も好きだったけど。

 それらは実家にいたころ勝手に増えていった本たちである。それに。

 なんだかああいうの読んでいると自分が穢れている気がしてくる。

 清い恋愛・堅い友情・熱い青春。どれもこれも本来ならばそれに類似する出来事は普通に生きていれば起こる。もちろん、あそこまで劇的ではないだろうが。それでも、恋愛も友情も青春も。なんだか自身はぱっとしない。何故かリアリティがない。共感できないのだ。

 その点、この本はとっても面白くて。何故か共感してしまうんだ。

 一冊の本を手に取る。スライドタイプの後列一段目の本。

 力に頼らない。いや、暴力に頼らない、この主人公が好きだ。

 その本は、主人公が一切暴力に頼らず、言葉だけで世界統一を目指す話。言葉という猛毒を持つ蛇の物語だ。

 どうしてこんなのが好きなんだろう。どうしてこんな話を面白いと感じてしまうのだろう。

 王道系ファンタジーと銘打たれているその本はどう捉えても王道とはかけ離れた、邪道だ。王道なら主人公は剣を握り、正義を行使するだろう。

 この主人公は違う。

 言葉を携え、人々を騙す(信じさせる)。正義を語らない。

 きっと誰かはこの話を好きになれない。きっと誰かはこの話を好きになれる。人それぞれの好みであり、これは自身の好みだ。

 これは、宝物だ。

 見まごう事なき宝物だった。

 その本棚は自身の宝物だった。


 誰かは何に宝物を詰め込んでいるだろう。誰かは何を宝物にしているだろう。

 宝箱は人それぞれ。宝物は人それぞれ。それらは何でもいい。人と共感できるものでもいい。人に笑われてしまいそうなものでもいい。

 時々、ほんのちょっとでいい。時々考えてほしい。

 あなたの宝物は何?




 日刊のような感じになってますが、そろそろこのモチベーションがクールタイムに入ると思うのと、そろそろネタが尽きるかもしれませんので不定期更新になると思います。気分が乗ってれば日刊のままです。ご了承ください。

 何かありましたらここのメールやら感想機能やらなんやら、もしくはTwitterの方に連絡ください。何だったらフォローしてください。リフォローは多分しません。

Twitter→https://twitter.com/nagaamagiri

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