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何処かの誰かの何か  作者: 霖霧 露
2/23

誰かの金曜日予定

※この話はフィクションだったと思います。実際のモノとは多分関係ないです。と、希望的観測を述べておきます。

 金曜日はカラオケに行こう。

 そう考える火曜日の午後およそ3時。金曜日の予定に娯楽を入れることは人によっては難しいことであり、そんなことが出来る人は特別な存在なのだと感じてほしいところであるが。

 とりあえず、自身を大学生と仮定しよう。しかも金曜日の授業が午前中しかとっていない堕落系大学生と限定すれば放課後にカラオケに行くなど造作もないことである。

 それも二人や三人ではない。独りでだ!

 ヒトリカラオケを予定した寂しい学生生活を送っていることはさておいて。何故火曜日にそんなことを予定したかというと火曜日というのはブルーマンデーから続く魔の二日目なのだ。水曜日なら折り返し地点。後この日を乗り越えればあとは木・金だけだと魔王の側近たちに挑むような勇気をもって立ち向かえるのだが、火曜日はまだ長い惨劇の第二幕と呼べる。(※感想には個人差があります。)

 そんな辛い火曜日を乗り越えるために自身にご褒美を用意するのは当然の帰結と言って差し支えがないと思いたい。

 さて、金曜日は何を歌おうか。

 自身の計画に胸を躍らせる。カラオケにいくのは割と好きなことで、日ごろ人と喋らない自身にとっては声帯を退化させないための対策であると同時に、他人の迷惑顧みず大声を出せるのだからなんと素晴らしいことか。

 ・・・・・・まずは、目の前の現実に直視するとしよう。

 現在進行形で授業は進んでいる。この授業の後ももう一枠予定されている授業にため息が出るのは許してほしい。

 魔王や側近に挑む前は魔王の手先の雑魚を倒さないと。

 雑魚と呼ぶにはあまりに手を焼くものではあるが、自身のレベルアップを図るための経験値になってもらうことにした。




 最後の一筆は、切なく。しかし歓喜に満ち溢れている。

 最期の板書の書き取りを終えたことに喜びを感じつつ、授業終了の合図を聴くや否や帰りの支度を済ます。

 この苦労は間違いなく自身の幸福のために積み重ねられる試練なのだ。

 授業を終えたことを過大評価・誇張し、自身を遠まわしに褒める。


 駐輪場で自身の自転車にまたがり帰路を辿ろうとする。

 ・・・・・・。

 ふと、思ったのだ。

 今日は楽しかったのだろうか。

 勉強が嫌いな自身にとって授業は地獄であったが、これも娯楽のスパイスと考えると、感じ方は変わってくる。

 うん、今日はきっと楽しかった。

 


 昨日は楽しかっただろうか。明日は楽しいだろうか。誰かは楽しめただろうか。何処かで楽しんでいるだろうか。

 とりあえず、今日は楽しかった。




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