プロローグ
をのこ草紙と呼ばれる書物は失われていますが、その存在を示した証拠は残っているそうです。
『をのこ草子』
と、呼ばれる書物を、皆さんはご存知だろうか?
目安箱で有名な、享保の改革を行った将軍・徳川吉宗(1751年没)の頃に記された、江戸時代の謎多き予言書だ。
その内容は、以下の通りである。
「今より五代二百五十年を経て、世の様変わり果てなむ。切支丹の法いよいよ盛んになりて、空を飛ぶ人も現はれ、地をくぐる人も出るべし。風雲をかりて雷電を益するものもあらむ。死したるを起こす術もあるべし。さるままに人の心も漸く悪となりて、恐ろしき世の相を見つべし。妻は夫に従はず、男は髪長く色白く痩せ細りて、戦の場になぞ立つこと難きにいたらむ。女は髪短く色赤黒く袖無き着物を着、淫に狂いて父母をも夫をも、その子をも顧みぬ者も多からむ。よろず南蛮の風を学び、忠孝節義はもとより、仁も義も軽んぜらるべし。かくていよいよ衰えぬるその果てに、地水火風空の大いなる災い起こりて、世の人、十が五まで亡び異国の軍さへ攻め来るべし。この時、神のごとき大王いでまい、人民悔い改めてこれに従ひ世の中再び正しきに帰りなむ。其の間、世の人狂い苦しむこと百年に及ぶべし」
書かれている内容は、解釈の仕方によって如何様にも取れる。
だが、万人が読んでも普遍の部分があるのにお気づきになっただろうか?
それは、をのこ草子が書かれた時代より250年後に、世の中が急激に変わってしまうとの箇所だ。そして、人間は以後100年間も苦しみ続けると言う。
さて、吉宗の時代より250年後と言えばいつになるのだろうか?
そう。ちょうど二十一世紀が当てはまる。
馬鹿な。二十一世紀が始まって何年経っていると思っているんだって?
大きな変化なんて、何も無いだろうって?
果たしてそうだろうか?
すでに……あなたの知らない場所で、予言が始まっているとしたら?




