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黒い紳士と幼女(+α)たち  作者: 名無アキラ
後日話
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後日2《再会編》

後日2《再会》


オ「それじゃあ…ライ、フー、セン!ここにおいで!」


瞬間、始めてライとフーを呼び出したときと全く同じコミカルな音と煙と共に人影が三つ飛び出して来た。


ラ「兄貴!」


フ「おにぃちゃん!」


セ「オニキス!」


そしてそのままオニキスに抱きついてきた。オニキスはしっかり構えてそれを受け止める。


ラ「待たせすぎだぞ!」


フ「おにぃちゃんなら大丈夫だって信じてたです!」


セ「オニキスは最強だからな!」


オ「待たせてごめんな…」


そう言って三人を見る。ライとフーは地球で言えば中学校二年生か三年生くらい、センはそれよりも少しばかり下に成長していた。ちょうど『少女』から『女性』に変化するかしないかという年齢。すなわち、オニキスのストライクゾーンから抜け出しかけているということだ。


オ「皆、大きくなっちゃったなぁ…」


様々な感情のいりまじる声でしみじみと言う。兄的な立場からみれば妹分の成長は喜ばしいこと。だが、紳士ロリコンとしては残念なことである。


ラ「200年も経てばな。」


フ「おっきくなったです!」


ライが苦笑いしながら言い、フーはふんすと胸を張る。ちなみに、フーの胸部はさほど成長していない。


オ「…ライは『おにぃちゃん』って呼んでくれなくなってるし。」


ラ「そ、それはっ!」


オニキスの恨みがましい視線にライが慌てる。が、その横からフーがニヤニヤしながらオニキスに言う。


フ「ライちゃんは恥ずかしがってるんです!寝言で時々『おにぃちゃん…』って言ってたです!」


ラ「お、おいっ!」


ライが慌ててフーの口を塞ぐ。


オ「そうかぁ…ふぅん…」


ライはクーデレさん気味に育ったのだろう。オニキスはほっこりした気分になった。これが『萌え』である。


ラ「ち、違うからな!そういうのじゃなくて、その、子供っぽいからやめたんだからな!」


オ「わかってる、わかってる。」


顔を真っ赤にして声を荒げるライ。オニキスはその頭をポスポスと軽く撫でる。完全に可愛い妹を見る気分になっていた。


ラ「や、やめろよ!」


フ「といいつつ、逃げはしないのですねー。あ、おにぃちゃん!わたしにも!」


フーが頭を擦り付けてくる。その頭を撫でてやってふとオニキスは思った。自分の手は二本、そしてどちらも埋まっている。センが仲間はずれではないだろうか?


オ「なあ、セン。ちょっと待って…」


セ「じゃあ、センはオニキスの頭を撫でてやるぞー!」


想像の斜め上をいく回答。どういう原理かふわりと50cmほど宙に浮き、オニキスの頭を撫でる。


セ「センは偉いからなー!偉い人は与える人だってフーが言ってたぞー!」


恐らくどういう意味なのかはわかっていないのだろう。

が、それでオニキスが癒されるのは確定事項である。センは他の二人よりも少しばかり幼い外見をしているのだから。もっとも、胸部に限ればこの中では最大である。


オ「センも大きくなったなぁ。」


自然に出来上がるカリスマの気配に感心しながら、ライを撫でる手を一旦休めてセンを撫でてやる。

ちなみにこの発言にセンの成長を喜ぶ以外に他意はない。オニキスは紳士なのだ。


――――…


オ「そういえば…美和にも会いに行かないとなぁ。」


精霊三人娘と卯月、菜真理と談笑しながらふとオニキスが呟く。すると、


美「呼んだ?」


次の瞬間には隣に美和が立っていた。


オ「へ?」


卯「おお、美和か。遅かったな。オニキスが戻ってきたらすぐに来るかと思ったんだが。」


美「母さんが『妻は夫の斜め後ろを歩くもの』って言ってたから。呼ばれるまで待ってた。」


美和がドヤ顔をしている横でオニキスはポカンと口を開けていた。

オニキスの超感覚は死ぬ前よりも向上している。一キロ先で針が絨毯じゅうたんに落ちる音を聞き分けることができる。比喩ひゆではない。

そんなオニキスの超感覚に引っ掛からなかった美和の接近。美和がオニキスのいない間に超絶隠密技術を身に付けたという可能性も無きにしもあらずだが、考えづらい。

と、あっけにとられているオニキスを見て菜真理が苦笑いしながら種明かしをする。


菜「オニキス、簡単なことだ。テレポートだよ、テレポート。元の世界にいたときには卯月も私もよく使っていただろう?」


そう、テレポート。瞬間移動、空間転移、言い方は種々あるが想像通りのそれである。

卯月や菜真理は超科学力《ご都合テクノロジー》によってそれを実現させていたが、ここにはそれほどのものはない。

いや、オニキスがいなかった200年ほどの間に卯月たちが完成させたのかもしれない。そう考えたオニキスは聞いてみる。


オ「そこまで発展させたの?確かにだいぶあちこちの雰囲気は変わってたけど…」


菜「は?…ハハハッ!いや、そうじゃない。ここにはもっとそれらしいモノがあるだろう?」


オニキスの問いに一瞬ポカンとした菜真理だったが、すぐにオニキスの考えがわかったのか笑いながら否定した。そして、ウインクをしながら人差し指を立てて言う。


菜「魔力だよ、ま・りょ・く。」


そして立てた指をそのままオニキスに向ける。


菜「ちょうど君がまとっているそれだ。」


そう言われてオニキスは自分の体を見る。あの地獄で発言した黒いオーラは現世に戻ってきても使うことができた。今は意識的に抑えているが、若干は漏れてしまっているのだろう。

納得した様子のオニキスを見て菜真理は更に言葉を続ける。


菜「わかったか?その魔力、私たちも随分と研究したが…結局はほとんど何も分からなかった。わかったのは不思議なパワーだということだけだ。

もっとも、こんな理詰めな考え方をするから魔力が使えないんだろうが。」


卯「私たちには人類の英知の結晶たる科学力がある。それで十分だろう?」


もっともだ、と答えて笑いあう卯月と菜真理。

それをボンヤリした顔で眺めているオニキスの真正面に美和が回り込んでくる。

美和は精霊三人娘よりも外見年齢は高く見えるくらいに成長していた。高校生くらいの見た目なのだが、雰囲気が大人しいので新成人くらいにも見える。


美「せっかく来たのにオニキスは菜真理と話してばっかり。嬉しくない?」


あまり表情は変わらないが、ほんの少し眉尻が下がっている。それを見てオニキスが慌てて否定する。


オ「いや、そういうわけではないけど!ただ随分とスゴくなってるからビックリしただけだよ。

俺がこっちにいたときには川の中で迷ってたくらいなのに。」


美「!そんな昔のこと…」


若干顔色が赤くなる。だがしばらくするとその赤みも引き、美和はオニキスをじっと見つめると満足げにうなずく。


美「うん、龍気もしっかり大きくなってる。」


オ「龍気?」


美「そう、龍気。」


オニキスが聞き返すと、美和が肯定する。そこで黙ってしまったので恐らくは説明するという考えには至っていないのだろう。


オ「そういえば死者の都の動物園にいたお姉さんがそんなことを言ってたような…」


必死で薄れかけている記憶から『龍気』という単語を見つけだそうとするが、先の一つ以外は全く覚えが無い。

そこで、チラリと菜真理と卯月を見て助けを求める。二人は顔を見合わせてため息をつくと、卯月が説明し始める。


卯「龍気。まあ、魔力と同じようなものだ。ただ魔力よりも発現する効果が大きいのだ。龍や美和に聞いて確認した結果、『神力>龍気>魔力』といったような関係になっているようだ。他にもこういう特有の魔力的なモノというのは存在するらしい。ちなみに龍も美和が使える。研究がはかどったよ。」


卯月が笑って説明を締め括る。と、美和が顔を赤らめながら補足説明をする。


美「龍気があれば『龍』になれる。龍になれば…わたしと結婚できる。オニキス、あとちょっと。」


オ「へっ?」


突然の情報に驚くオニキス。愛でる対象であり、娘のような感覚ではあるが、それ以上のものはないのだ。イエスロリータ、ノータッチの信念は大切だ。


オ「だ、だけど龍が許さないんじゃ…」


だが、その逃げ道は塞がれていた。


美「龍玉は龍気を増やす。」


オ「はっ?…あっ!」


かつてオニキスに助太刀の報酬として龍玉を渡すことをきめたのは龍であり、詳しい効果を説明せずに使い方だけを教えたのは睡蓮だった。

つまりは美和の両親もオニキスの退路を塞ぎに来ているのだ。

あんなに幼い頃からオニキスに嫁ぐことを目標としていた美和。それを元に言い寄られてしまえばオニキスも断りきれないかもしれない。

絶体絶命のピンチかと思えたが、それに救いの手を差しのべる者がいた。


卯「ふふふ、それはまだ無理だろうな。」


卯月である。その後ろでは菜真理もうんうんと頷いている。


美「どうして?」


美和が少し眉間にシワをよせる。

それに対して卯月は悪びれもせずに言い切る。


卯「オニキスはしばらく私たちと共に世界を回るからな!こいつが散々私たちを待たせている間に私たちがどれだけ世界を変えたかを見せてやらなくてはな!」


自信たっぷり、意義は許さないと言わんばかりに言う卯月。だが、美和も簡単には引かない。


美「卯月たちはもう世界の中心。いなくなると世界が終わる。」


卯「各機関ももう自立できる程度には発達している。問題は無いだろう。」


美「でも、最終決断をする人は必要。でしょ?」


卯「なるほど。ふむ…」


美和の言い分にも一理ある。卯月はしばらく考え込む。何か良い案のトリガーになるものはないと部屋の中をグルリと見る。

と、ある一点で卯月の視線が止まる。その先には出されたお菓子をパクついている精霊三人娘、特にセン。

卯月はスタスタとセンに近づいてその肩をガシッと掴む。


セ「ふぇっ!?ごほっ、えほっ、んふっ…なんなのだー!?」


いきなりのことに驚いてお菓子を喉に詰まらせて咳き込むセン。だが、卯月はそれに頓着とんちゃくせずにセンをグイグイと押していく。

菜真理も卯月の考えを察したのか、部屋の中心に据え置いてある自分たち専用の椅子をポンポンとはたいて埃を払う。


卯「これで、解決だっ!」


そして、その椅子にセンをストンと座らせる。


菜「うむ。悪くない案だな。」


美「どういうこと?」


訝しげに首をかしげる美和。

自信満々、顔に笑みをたたえて卯月と菜真理が答える。


卯「私たちは引退して、この地位は水の精霊センに全権利と共に譲ることにする!」


菜「万事解決、これで問題ないだろう?」


美和は悔しげな様子ながらも、この言い訳は形だけはしっかりしているので言い返すことができない。


美「むう…しばらくお預け。」


卯「ハハハッ!せいぜい女を磨いておいてくれ!」


そう言うと卯月はオニキスに向き直る。菜真理も一緒だ。


卯「さあ、オニキス!一緒に来い!」


菜「すぐに準備しろ。世界は広いんだ。」


卯月が懐かしい黒のヒーロースーツを差し出す。

見た目は変わってなくても前より魔改造されてるんだろうな。そんなことを思いつつ、オニキスはそれを受けとるのであった。



これでホントにおしまいです。これまでありがとうございました。ではでは!

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