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黒い紳士と幼女(+α)たち  作者: 名無アキラ
白河騒動
6/72

目的地

0:00には投稿するつもりだったのですが…遅れてしまい申し訳ありません。

目的地


エ「オニキスぅ?そろそろ起き…はぁ?」


オニキスを起こすために来たエメラルドが見たのは


オ「俺は紳士俺は紳士俺は紳士俺は紳士俺は紳士俺は紳士…」


菜「ふふ…ふふふふ…」


血まみれの布団、自己暗示の如く呟き続けるオニキス、血のついたナイフ、そしてそれらに囲まれて幸せそうに眠る菜真理の姿だった。


――――…


その後、エメラルドによって卯月が呼ばれた。ライとフーは屋敷の探索をしている。


卯「まったく…私謹製のスーツが破れるほどの怪力に改造した覚えはないのだがな…」


オ「あは…火事場の馬鹿力ってヤツですかね?」


オニキスが頭を掻いて答える。


卯「まあ、いい。直しておこう。今度は壊れないようにしておこう。ふふ…」


と、エメラルドがオニキスに言う。


エ「因みにこんなことをした理由はぁ?」


オ「できることなら幼女には健やかに育ってほしい。死なれても困るし。」


エ「そんなとこだろうと思ったわぁ…」


オ「しかし…ヤンデレってのはそれだけ想われてるってことだと考えると、病まれ冥利に尽きるかもしれないな。ヤンデレ美幼女…アリだな!」


エ「ナシよぉ!」


――――…


ラ「あ、おにぃちゃん!」


フ「おはようです!」


オ「グッ…あぁ、おはよう。そういえば自己紹介もしてなかったね。」


鼻を押さえながらもどうにか耐えるオニキス。


オ「俺はオニキス。正しくはブラックオニキスなんだけど…長いだろ?」


ラ「アタシはライ!」


フ「私はフーです!」


ラフ「「これからよろしく!」」


オニキスに走り寄り、腹の辺りに抱きつく二人。


オ「グフッ…あぁ、よろしく。それで…呼んでおいてなんなんだけど、君たちは何者なの?」


ラ「アタシは雷の精!」


フ「私は風の精です!」


オ「精…妖精とか精霊みたいな?」


ラ「そう!」


フ「疾風迅雷の化身なのです!」


胸を張る二人。

と、エメラルドがポツリと言う。


エ「疾風迅雷の幼女ってぇ…鬼ごっことか得意そうねぇ。」


それを聞いたライとフーの目が光る。


ラ「鬼ごっこ得意!」


フ「おにぃちゃん、鬼ごっこやりたいです!」


オ「よし!じゃあ俺が鬼だぞ~!」


ラフ「「きゃ~~~!!」」


楽しそうに屋敷の中を走り回る3人。そのまま卯月とエメラルドがいる部屋を出ていった。


エ「…輝いてるわぁ…」


卯「オニキスにとってはこの状況が一番の幸せなんだろうな。」


エ「そういえば、ヒーローにならなかったら保育士か幼稚園の先生になりたかったって言ってたわぁ。」


エメラルドがしみじみと言った。



――――…


ライ、フーと一緒にどこかに行ったオニキスを放置し、エメラルドと卯月は小屋から持ってきた本を読んでいた。

時折二人の笑い声が聞こえるので、危険は無いと判断してのことだ。もっとも、オニキスがいるので安全なことは確実なのだが。


と、菜真理が部屋に入ってきた。


卯「ん?おはよう、なーちゃん。」


エ「おはようございまぁすぅ。」


菜「うむ、おはよう。」


挨拶をするとキョロキョロと周りを見て菜真理が聞いた。


菜「オニキスは…」


と、エメラルドが菜真理に見えないようにニヤリと笑い、一転して悲しげな表情をつくり、菜真理に向き直った。


エ「…オニキスは、もう…っくっ…。最期に…死ぬなって…逝っちゃったわぁ…」


菜「えっ…そんな…だって大丈夫だって…」


一瞬呆気にとられていた卯月だが、すぐにエメラルドの考えを理解したのか神妙な顔つきになる。


卯「あぁ、もうダメだった。中枢をやられていたからな…あれは塞げないだろう。」


菜「そ、そんな!だって治るって!自分で!」


エ「アイツは…命懸けで…」


菜「嘘だろ?なぁ、嘘なんだろ…?」


菜真理の表情が絶望に染まりかけたその時。


ラフ「「んきゃ~~~!!」」


オ「よぉし!捕まえた!あ、なーちゃんおはよう。」


菜「…へ?」


ライとフー、そしてそれを追いかけるオニキスが入ってきた。


菜「ど、どうして…死んだって…」


オ「見ての通り生きてるけど?

言ったでしょ?あれくらいじゃ死なないって。」


菜「な…に…?」


ギギギ、と油の切れた機械のような動きで振り向く菜真理。その視線の先にはニヤニヤと笑うエメラルドと卯月。


菜「お前たち!さっきのは」


エ「あらぁ?嘘はいってないわよぉ?」


卯「う、うむ、そうだな。ククッ。」


エ「オニキスは『死なれても困る』って言った後しばらくしてライちゃんとフーちゃんと鬼ごっこしに行ったしぃ。」


卯「オニキスのスーツは自動修復機能の中枢をやられていたから自動で塞がることはできないしな。」


菜「なっ、ななな…っ!」


エ「『そんな…だって大丈夫だって…っ!』…ククッ…」


菜「………グスッ…オニキス……二人が…」


遂に菜真理がオニキスに泣きついた。


オ「…おい、エメラルド。お前、幼女を泣かせるとはいい度胸をしているじゃないか。」


エ「あ、アタシだけぇ!?卯月さんだって…あれ!?卯月さん?」


エメラルドが周りを見ると卯月がいない。


卯「私もな、本意では無かったのだ。しかし、エメラルドがな…」


オ「エメラルドぉぉお…命が惜しくないようだなぁ…」


エ「卯月さぁん!」


と、エメラルドに助けが入る。


ラ「なぁ、おにぃちゃん!」


フ「さっき見つけたの、見せるのです!」


途端、オニキスの全身から発せられていた殺気が嘘のように無くなる。


オ「そうだった、そうだった!」


ラ「まったく!」


フ「メッ!ですよ!」


エ「助かったぁ~…」


その場にへたりこむエメラルドであった。


――――…


コレを見つけたのは私の同志と幼い者だと信じて。


幼きは?


この問いに答えられる者なら私の同志であろう。

ならば躊躇うことはない。この屋敷の裏手に道があり、そこを道なりに行けば湖がある。その湖からは恐らく河が流れ出しているだろう。

その河を下れ。河の辿り着く先に同志たちがいるだろう。


道中には困難があるだろう。辿り着いた後も困難が待っている。道は君の前にはない。ただ信念を貫く者だけが終末の平和へと踏み込める。


私の予想が正しければ、世は乱れに乱れているだろう。私の過去を見ているようだ。


天下は争乱に満ち、民は苦しんでいることだろう。しかし、義の心を持つものは必ずいる。君はその者たちを率いて平和を呼ぶだろう。


最後に、この小屋と屋敷にあるものは好きに使ってもらって構わない。もっとも、どれほど残っているかもわからないが。


君の前途に光あらんことを。


                   政


――――…


読み終わり、卯月が聞く。


卯「これは?」


オ「二人と鬼ごっこしながらあの小屋に入ったら、二人が見つけたんです。」


ラ「凄いだろ!」


フ「エッヘン!です!」


胸を張る二人。


卯「ふむ…何にしろ、目的ができたのは良いことだ。この書き手が言う『同志たち』に会いに行くのも良いだろう。」


一行の目的地が決まった。


――――…


卯「ところで、オニキス?」


オ「なんですか?」


しばらくして卯月がオニキスに訊ねた。


卯「あの『幼きは?』という問いの答えは何なんだ?」


オ「あぁ、あれですか。あれは『幼きの問い』の一番簡単なものですね。ある程度道を知っていればそれで本物かどうか分かります。正式なものになると『幼きの問答』と言うものになるんですけど…」


卯「なんだ、幼女趣味の常識だったのか。」


実にどうでも良さそうに卯月が言った。


――――…


目的地が決まり、準備をはじめる一行。ここぞとばかりに卯月と菜真理の技術力が威力を発揮する!


次回、『魔改造』。


ラ「瞬く稲妻の如く!」

ありがとうございました。誤字脱字等ありましたらご指摘頂けると嬉しいです。

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