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黒い紳士と幼女(+α)たち  作者: 名無アキラ
白河騒動
4/72

3話目です。ご指摘おまちしています。


オ「やってまいりました!」


エ「どこか分からないけど!」


オ「どっかの森!」


ハイテンションで話すオニキス、エメラルド。そして一転、オニキスが真面目な調子で話し出す。


オ「さて、エメラルドさん。」


エ「はい、なんでしょう、オニキスさん。」


オ「周りがクレーターでもなく、近辺に見当たらなかった森であり、尚且つ植生がまったく見知らぬモノなので異世界転移ってことでいいんじゃないでしょうか。」


エ「…なんで植生なんて知ってるのぉ?」


オ「ふふふ…今まで黙っていたが、俺は過去こう呼ばれていたことがある!『三丁目のレオナルド・ダ・ヴィンチ』と!」


エ「ショボいぃ!多分結構物識りなんだろうけど呼ばれ方がショボすぎてかなり格がさがってるぅ!」


オ「落ち着けって。」


エ「そ、そうねぇ。こんな状況だものねぇ。」


オ「そうだ。…ところでエメラルド?」


エ「なにぃ?」


更に顔を引き締めてオニキスが言う。


オ「こんなところに美幼女が二人落ちてるんだが拾っても良いですかね?」


エ「お巡りさぁん!こっちでぇすぅ!」


なるほど、地面には愛らしく美しい少女が二人、倒れていた。


オ「ふむ、見たところ双子のようだな…こちらの幼女は髪の色と質が尋常じゃない。透き通るような銀髪の中に仄かに混じる桃色…そしてこの手触り。」


オニキスはごく自然に少女たちを地面から抱え起こし、木にもたれ掛からせた。


エ「ちょっとぉ!なに自然に触ってるのよぉ!」


オ「ふむ、ここまで伸ばすと手入れも大変だろうに…手入れを怠らなかったのだろう。」


エ「素直に引いているアタシがいるわぁ…」


オ「しかし!こちらの幼女は更に素晴らしい!炭素を抽出したカのような漆黒の髪に日の光を知らないかのような白い肌!見た目で言えば俺のストライクゾーンまっしぐら!凡人が見れば銀髪の方が目を引くのであろうが…真の探求者である俺には分かる!こちらの幼女の圧勝であろう!」


エ「えぇー…ちょっとロリコンの気があるとは思ってたけどぉ…ここまでとはぁ…」


と、少女たちがほぼ同時に目を開いた。


双幼「「うぅうん…」」


エ「あ、起きた。」


黒幼「…ここは…?」


オ「おはようございます。さっそくですけど、俺とお友だちになりませんか?」


すかさず少女たちの目線に合わせるようにしゃがみ、話しかけるオニキス。


エ「お、お巡りさぁん…早く来てぇー!なんだか気持ち悪いぃ!」


オ「特に黒髪の君!もうお嫁さんにしたいぐらい可愛い!」


エ「…」


黒幼「わ、私でいいのか?」


オ「もちろん!」


エ「え?なにこの状況?完全に意味が分からないんだけど?」


オニキスの意外すぎる一面にもはや混乱さえ通り越してしまったエメラルドに銀髪の幼…少女が話しかける。


銀幼「エメラルド、お前普通にも喋れるんだな。」


エ「え?なんでアタシのこと知ってるのぉ?」


銀幼「む?そういえば生身で会うのは初めてだったか?私だ、ダイヤモンドだ。」


エ「う、嘘ぉ!?」


ダイヤモンドとエメラルドをよそに黒髪の幼…少女とオニキスの会話は続く。


一方、黒髪の幼女の顔つきは暗い。


黒幼「しかし…お前は私の敵ではないのか?」


オ「もちろん!八百万の神と君の美しい黒髪に誓って!」


ダ「ふむ…オニキスはこんなヤツだったか?」


エ「ないわぁ…」


黒髪の幼女は少し躊躇ったあと、意を決したように言う。


黒幼「私は…悪の大総督、カーボンなんだぞ?お前はダイヤの手下なんだろう?」


オ「なっ…!?」


驚くオニキスに諦めの表情を浮かべるカーボン。


カ「…ふっ、やはりな。どうせ私よりダイヤを選ぶにきまって…」


オ「ダイヤさん、ちょっと俺カーボンちゃんを裏で支える専業主夫やるんで休暇貰えないですか?」


エ「えぇー…」


カ「なっ!?な、な、な、なにゅを!?」


ダ「はぁ…オニキスにこんな弱点があったとはな…。」


オ「ちょっと幼zy…可愛らしい女の子とは敵対する気にはなれないですね。」


名前の通り、その場に混沌をもたらしたオニキスであった。


――――…


森の地面に車座に座る四人。いや、車座とは言えないだろうか?

ダイヤモンドとカーボンはオニキスの膝の上に座っているのだから。


オ「いや、すみません。すこし取り乱しました。」


ダ「おい、オニキス。」


オ「なんですか?」


ダ「お前は敬語なしでは話せないのか?」


オ「できますよ?でも、ダイヤさんは上司ですし。」


ダ「それなら敬語なしで話せ。大の男が中身はともかく見た目は少女な私に敬語を使うというのもおかしなモノだろう?」


オ「そうですか?じゃあそうします。」


ダ「できていないぞ。」


オ「…追々ということでお願いします。」


ダ「うむ、人前に出るときまでに慣れておけ。」


カ「わ、私も敬語無しで…」


オ「もちろん!俺と君の仲だろ?」


申し訳無さそうな態度から一転、サムズアップでもしそうな勢いで返事をするオニキス。


カ「え、そ、それって…」


そしてエメラルドはそれを見てやけに煤けたような表情になる。


エ「ないわぁ…アタシさっきからこんなことしか言ってないかも知れないわぁ。」


ダ「立場的には私もなーちゃんもほとんど変わらない筈なのだがな?」


と、オニキスがカーボンに聞く。


オ「そういえば君の本当の名前を聞いてなかったな。教えてもらっても良いかな?」


カ「…言いたくない。」


オ「どうして?まさか…俺の事が嫌い?」


絶望した表情でオニキス。


エ「いやぁ、寧ろ好かれてると思う方が難しいわぁ…」


カ「ち、違う!その…余り可愛らしいものではないのだ。」


オ「大丈夫!嫌なら君の好きなように呼ぶさ!」


エ「そのキャラ気持ち悪いからやめなさいよ!ホント、止めなさいよぉ!」


カーボンは照れたような表情で言葉を返す。


カ「そ、そうか?それなら君が決めてくれないか?

私の名前は…菜真理というのだ。」


オ「ナマリ…ね。じゃあ、ダイヤさんと同じでなーちゃん!これからも末長くよろしく!」


カ「…こ、こちらこそ…ふつつかものだがよろしく頼む。」


エ「…アタシのオニキスのイメージが壊れすぎてるわぁ。」


ダ「ふむ、ようやく合点がいったぞ。」


しばらく無言でオニキスを眺めていたダイヤモンドが頷き、言う。


エ「何がですかぁ?」


ダ「うむ、1年前ほどの襲撃のときにオニキスが異常な働きをしたことがあっただろう?」


エ「あぁ、あれねぇ。いつもみたいにグダグタしてから行くのかと思ったら急に飛び出してったわぁ。」


ダ「ふむ。あのときの人質は12歳の可愛らしい少女だったんだ。」


エ「…自分のスタンスを変えるほどのロリコン…。一周回って清々しいわぁ…。」


ダ「ちなみに私の本名は卯月という。」


オ「いきなりですね。」


ダ「敬語が抜けていないぞ。」


オ「いきなりだね。」


ダ「よし。なーちゃんばかりオニキスと仲良くなって狡いからな。」


その瞬間、オニキスの鼻から紅い液体が噴き出した。


オ「ブフォァッ!幼女の嫉妬…エメラルド、俺はこの迸るソウルをどこにぶつければ良いのだろうか?」


エ「とりあえず鼻血拭けばぁ?」


(以下

ダイヤモンド→卯月(ダ→卯)

カーボン→菜真理(カ→菜)

と表記)


卯「さて、先ほどオニキスが意外な一面を発揮している間にある程度辺りを探索した。」


オ「え、いつの間に?」


エ「ずっと隣にいたわよぉ?」


驚く二人に少し自慢げな卯月。


卯「お前達、私も自身を改造しているんだぞ?広範囲スキャン位はついている。ザッと半径10kmを円形にスキャンした。」


オ「そういえば、ダイヤさんの」


卯「敬称はいらないぞ。」


オ「…ダイヤの改造ってどの系統か知らないけど探索系なんで…なのか?」


エ「ダイヤさんは基本は指揮だけだからねぇー。

そういえばぁ、いつも画面に出てたダイヤさんって本物じゃないんですかぁ?」


卯「うむ。死刑囚の女を国から秘密裏に譲り受け整形、改造手術を施した後洗脳し、影武者として操っていた。」


オ「結構えげつないで…な。」


スムーズに話さないオニキスに苛立ったように卯月が言う。


卯「いい加減慣れないか。」


オ「だって、4年も敬語だったんですよ?いきなり変えろと言われても脳に焼きついてます。」


卯「ふむ…まぁ、こうして生身の付き合いをするようになったことだ。追々慣れるか。無理はしなくて良いぞ。」


オ「わかりました。」


エ「それでぇ、ダイヤさん。ダイヤさんはどこ弄ったんですかぁ?」


エメラルドが話を元に戻す。


卯「ふむ、おおよそ全てだ。できるであろうことは全てした。」


オエ「「は?」」


卯「と言っても肉体自体はほぼ生まれ持ったものだ。脳の制限を外したり筋肉を強化したりはしたがな。」


エ「ってことは、10km半径を五感だけでスキャンしたのぉ!?」


卯月は呆れたように言う。


卯「そんなわけがあるか。サーモグラフとカメラ、超音波探査機を載せた小型ヘリだよ。ヘリといっても半重力で浮いているからUFOに近いがな。それの単純な操作限界が10kmなんだよ。本式の機械と組み合わせればもっと伸びるんだがな。」


オ「…だとすると、脳の改造による異能系能力。機材使用となると…収納系?」


卯「…流石は『三丁目のレオナルド・ダ・ヴィンチ』だな。これだけで当てられるとは思っていなかったぞ。」


オ「はは、それほどでも。」


心底感心する卯月。そして照れたように頭を掻くオニキス。


エ「えぇ?三丁目のレオナルド・ダ・ヴィンチって公式なの?」


菜「む、姉さん。無生物のスキャンはしていないのか?」


と、それまでしばらく会話に入っていなかった菜真理が口を開く。


卯「ふむ、生憎と生物及び目視できるものしかしていないな。」


菜「なら、仕方ないか。そこの樹の幹の中、人工的な空洞だ。内部にカプセルがある。」


エ「こんな真面目な会話を膝の上でする…アタシの常識は通用しないのぉ?」


そう。未だに二人はオニキスの膝の上にいるのである。


――――…


簡潔に三行で説明してやろう


・ここは異世界エルス

・技術水準は近代ヨーロッパ

・法整備は比較的なってない。

・つまりは剣と魔法


―――…


これは樹の空洞の中にあったカプセルに入っていた紙片である。


エ「なんで四行なのよぅ!」


卯「ふむ、異世界か…」


菜「今や一部ではありきたりな言葉と化しているな。」


オ「…法整備が緩い?結婚年齢と人数もか?」


エ「あ、あれぇ?皆スルーなのぉ?」


――――…


オ「あ、裏に地図ついてますよ?」


卯「ふむ、『ここに行け』か。場所は分かる。付いてこい。」



――――…

卯月の機器により、目的地への道のりを順調に進む一行。果たしてそこには何があるのか?


次回、『小屋』。


卯「正義の眩さを瞳に!」

お読みくださりありがとうございました。この先は不定期更新になります。できるだけ早く投稿したいと思います。

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