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プロローグ
プロローグ
かつて、絶対的な英雄と巨悪の存在により、世界はひとつになった。
しかし、巨悪が英雄に倒され、その英雄も没すると世界は幾つにも分かれ、淀んでいった。
そして現在、世界は闇に覆われていた。力を持つ者は持たない者を虐げ、弱いものはひたすらに忍ぶのみであった。
そんな世を憂えて立ち上がる者たちがいた。志を同じくする者たちを集め、ある者は野に臥し、ある者は勢力を広げていった。
しかし、長年積み重なった権力と欲望により結束した悪は揺るがなかった。志は高く天を突けど、力は壁に阻まれる。
世界が悪に屈しようとしたその時、絶大な力を持つ者が現れた。
志を高く持ち、決して欲に屈しない。その者は探求者。道を切り開く者。彼の後ろには道がある。続く者たちがそれを広げた。
これは一人の探求者が自らの道を切り開く物語である。
~『神話伝』序章より~