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魔獣使いの勇者狩り  作者: 朝霧
魔獣使いの苦悩編
4/8

魔獣使い始めました ②

「ぐるるるるる・・・」

「あーえーえーえぇぇぇぇ・・・」

さてさて、悪魔の手先こと自分クラウン=フーリスはこれで本日何度目でしょう!?ってなピンチに陥っています。どんなピンチかって?簡単に説明しよう!


その1。ただいま魔物・魔獣を操る【魔導支配】を使って配下にした魔獣は狼10匹。

その2。目の前には綺麗な真紅の毛を持つ狼がいます。

その3。そいつその狼相手にうちの狼君たち・・・皆尻尾巻いちゃってるんです。

その4。・・・俺の力・・・通じない。ハイここ重要ね!

結論。この真紅の狼・・・めっちゃ強い!!間違いないっ!


っというところまで分析したうえでさてどうしよう。こっちが操れない以上は戦うないし、逃げるという選択肢しかない。俺としてはとりあえず事なきを得るためにその場をさっさと退場したいのだが・・・どうやらあちらさんは殺気をバリバリ放ってるんですよねぇ~これはアレですか?「人(?)の縄張りへ勝ったに入った上、子分までかすめ取るとはいい度胸してんなぁ!」的なアレですか?


「ぐるるるるる・・・がう!」

威圧的な咆哮と共にまっすぐ俺の方に走り出してきた!こうなったら残されたのは戦うという選択肢のみ!だが、当然ながら俺に狼と戦う力なんてない!っとなると残っているのは魔獣を操る能力とこの10匹の狼だけ。ぶっつけ本番だが、やらなきゃ・・・うん。良くてあの狼の晩御飯だな・・・俺。


「ぬぉぉぉぉ!全員あの真紅の狼を囲んで動きを止めろ!」

俺が指示を出すとさっきまで尻尾を巻いておびえていた狼たちが一斉に身構え素早く真紅の狼を取り囲む。あっちもそれに素早く対応するように足を止め自分の周囲を取り囲んだ狼たちに身構える。

ここまでで解ったことと言えば狼たちは俺の命令には絶対服従だということ。普通あれだけおびえている状態からあれだけ完璧な動きはできない。多分感情とかそーゆー部分もまとめて支配しているんだろう。そんでもってこっからどう攻めればいいかわからないこと・・・だな。

命令できるのはいいが・・・今の状態だと全員を同時にしか動かせない。その所為で迂闊に動かすとあの狼がこっちに来る可能性もある・・・・さて・・・まじでどうしよう・・・


「・・・ん?」

にっちもさっちも行かない状況でいきなり左腕に変な重みを感じた。恐る恐るそっちに目をやると・・・一体いつからあったのか、やけに重苦しい銀色の腕輪が左手首にがっちりと撒きついていた。腕輪にはぐるっと一周する形で灰色の宝石みたいなものが合計四つ埋め込まれていた。ついでに確認している過程で腕輪に紙切れが挟まっているのを発見した。っていうかこれ・・・そーゆーこと・・・だよなぁ・・・

狼たちの状況に注意を払いながらそっと紙切れを引き抜き開いてみる。


『悪魔からの超!特別大サービスー!!わー俺様ってなんて懐が広いんだろうなぁー』

「まっ・・・まっ・・・またかぁ!?」

絶叫しながらも必死で紙切れを破かないように手にこもる力を抑えつけながら続きを読むことにする。


『さーて!俺様のとーっても残念な道化師君がこれを読んでいるということは・・・はーやーくーも自分の手に負えない敵に出会って半ベソを書いているのだろう。おぉなんて残念なんだろう!残念なのは顔だけでいいのに・・・』

「残念言うなー!!」

『さーて!そんな残念な道化師君に俺様からの最後の贈り物!それがこの銀の腕輪!名付けて【ゼッタイシタガエール君】だ!』

「どんな名前だよ!どこの青いロボットの秘密道具だよ!?せめて厨二チックな名前にしろよ!そっちの方がまだ諦めつくから!」

『厨二病な名前がいいって?うわー引くわーこいつ厨二病患者だし!』

「だーもう!なぜまた俺は紙切れと会話してるんだよ!?ってかいいだろっ厨二病でも!?」

『しっかたねーな。じゃぁそいつの腕輪の名前【才覚の腕輪】ね。まぁどんなもんかっていうとだ。こいつはお前が支配できない相手でも支配可能にできる腕輪なんだ』

「・・・え?ってことはこれあるならそもそも支配できない奴いないんじゃね!?」

『そんな世の中甘くねー!そいつについてる宝石の数。それはお前の能力を超えた相手でも支配できる数なわけだ。当然それを超える数はいくら頑張ったって支配できない。ついでに言うと神の加護を強く秘めた奴はその加護を取っ払わないと腕輪の力でも支配できない』

「もはや色々諦めてフツーに会話として返してるし・・・しっかし、なるほどつまり俺は神の加護を受けた奴以外ならどんなに強い相手でも4体までなら支配して操れるわけだ・・・ってこれ便利だけど使いどころ難しくね!?迂闊に使えないじゃん!」

『ちっちっちっち・・・安心しな!今はお前が支配できない相手でもそのうちそいつを支配できるだけの力を手にできるかも(・・)しれない。それでこの腕輪での支配が必要なくなった場合は自動的に腕輪の支配をやめてお前の能力だけで支配することになる。そーなれば埋まってた枠が一個空くって寸法だ。便利だろー?』

「便利だな・・・便利だが・・・かもを強調しすぎだろ・・・」

『まぁ、大体こんなもんだ。ってことで俺様の親切な親切なサービスタイムはここで終~了~!後は自分で頑張って俺様を楽しませろよな~』

・・・ここまで読んでまた色々疲れた気がするが・・・とにかく!


「ぐるぅ!?」

「ふっふっふ・・・どーやらお前も事の重大さを感じているようだな!逃げても無駄だぞー!」

変な笑いが口からこぼれる・・・うん、悪役っぽいな!・・・すげー噛ませの下っ端っぽいセリフだが。


「覚悟しろ!『我を主とし、我に従え』!!」

真紅の狼に向かって力強く指さしながら言い放つ。さっきは何の反応も起こさなかった・・・が、今度は腕輪についた宝石の一つが赤い光を放って灰色から赤い宝石へと色を変える。そして・・・


「ぐぅぅぅ・・・ぐるるるる・・・きゅぅぅぅん」

たった今さっきまで牙をむいていた真紅の狼が何かに耐えるような声を上げながらも・・・最後には屈したのかやけにかわいらしい鳴き声を上げてその場に伏せる。


「ふふっ・・・勝った!」

我ながら大人げない気もするが・・・人に置き換えると結構アレな気がする。ぐるりと大勢で囲んで俺に従えーとか・・・これ取り囲まれてたのが女の子とかだったらただの犯罪やん・・・

ってか、何か変だ・・・?なんでこんなイメージが湧いた・・・?


「・・・なぁ真紅の・・・ちょっとこっち着て」

何気なく真紅の狼を手招きする。完全に俺の支配下にあるため素直に俺のもとまで歩み寄る。さっきまで俺に牙を剥けて唸っていただけあって少々たじろぐが、まぁささっとすむ用事だし「ちょっとごめん」と後ろ脚を持ちあげて確認・・・


「うん・・・この子・・・メスだ!」

ただの犯罪だった。まぁ、だからって俺を裁く奴いないし、ってかそもそも人じゃないから一応セーフ・・・うん、セーフだ。


まぁ・・・色々結果オーライで行こう。解決が必要な問題はけっこー山積してるし・・・こんなことでいちいちツッコミ入れてたらキリがない・・・よな?

それに日も落ちて暗くなってきたし・・・そういえば、飯どーしよう?

ここまで読んでいただきありがとうございました。

誤字・脱字・感想・ご指摘など、何かありましたら感想フォーム等にてよろしくお願いします。


うぅむ・・・なんていうかテンションがやや無理矢理過ぎる気はするが・・・

まぁ・・・どうなるやら・・・

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