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ノワール・ガールズ・パニック  作者: アキラ明晃


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9/9

運命のルーレットは回された

 土曜日の夜、ノワールファミリーは招集された。場所は公園の近くにあったボロいアパートの2階。ここが1番見れるという理由から前川が準備してくれたのだ。


村上「よう、こんな場所を借りれたな」


前川「ふ、パパに頼めばちょちょいのちょいよ♪」


村上「こう言う時だけ親の力、借りるんか・・・」


松木「おじさん、利用されてる?」


瀬戸「子バカかな?」


窓には一眼レフカメラに望遠鏡、床には寝袋が人数分に食料品に着替えや生活必需品が鞄とリュックに詰め込まれていた。もはや、準備は万端だ。あとは例の未確認生物が出てきてくれたら嬉しい。その頃、ベルとクロノスは・・・。


ベル「世界防衛局(ワールドガーディアン)の様子は?」


クロノス「まだ通信をキャッチ出来ない。ただ、恐らく異次元中に向けてパトロール隊を出動させているのは間違いない筈だ」


ベル「ここも時間の問題か・・・。短いようで長かった・・・」


クロノス「奴らが来たらこの世界を出るのか?」


ベル「あぁ、これ以上迷惑をかける訳にはいかない。荷物はいつでも準備してある」


クロノス「ただ、今度はプレシャスファミリアが暴れる可能性がある」


ベル「なら、奴らも一緒に連れ出す。そして、奴らを引き渡せば全て済む話だ」


ベルは追われた身である事を自覚し、この世界から出ようと考えていた。この世界に来てからは沢山の事を学び、話し合える人とも出来た。しかし、自分は異世界人であり、この世界に留まるべきではないと感じ、みんなには申し訳ないがこの世界を出ようと計画していたのだ。


ベル(瀬戸、前川、村上、松木・・・ありがとな)


ベルが立ち上がり、歩こうとした時だった。急にバキッと音がした。すると、床に穴が開き、ベルはそのまま落ちてしまった。それを見た瀬戸達は大急ぎでベルを救出しようとするも間に合わず、ベルはそのまま落とされてしまった。ボロアパート故の残酷なジンクスであった。


前川「あぁっ!!ベルちゃんっ!?」


村上「やっぱボロいからこうなったんかいっ!!」


瀬戸「は、早く助けにいきましょうよっ!!」


松木「でもでもっ!!下は他の人の部屋だよっ!?」


前川「なら、私達もここから落ちるわよーっ!!」


瀬戸「えぇっ!?」


村上「アホかーっ!!!!!」


前川はみんなを引っ張って一緒に落ちてしまった。下ではベルがしりもちをついていたが、上からまた降ってくる事に驚き、クッションにされてしまった。


ドガッ!!!


ベル「な、何で降ってくるんだっ!?」


村上「おいっ!!重たいわっ!!」


瀬戸「うぅ・・・って、わ、私はそんなに重くありませんっ!!」


松木「うわわっ!!そんなに暴れたら・・・」


その時、バキバキッと音がした。流石に5人分は重すぎたのか、今度は板が壊れて、畳と一緒に落ちてしまった。


5人「うわぁぁーっ!!!」


クロノス「みんなっ!!」


クロノスも後を追いかけると、下は空洞になっていた。結構深かった為、みんなあちらこちら痛みを感じていた。でも、幸い骨折などの大怪我はしていなかった。


瀬戸「痛た〜・・・て、ここは?」


松木「うわ〜、空洞になってるよ?なんか奥があるみたい」


前川「こ、これはっ!!!まさか、地下に何かがある系ねっ!!!よーしっ!!みんな、レッツゴーよっ!!!」


村上「は?勝手に行っちゃあかんやろ!?」


前川「ここに人なんて住んでないわ。それに何もなければ引き返せばいいし」


村上「はぁ〜、不安やな」


そして、前川達は奥の方へ進んだ。先頭をクロノスにして、クロノスの放つ明かりを頼りに前へ進んだ。道はずっと続き、しばらく歩くと壁が見えた。そこにはただ何もなかった。しばらく辺りを見るも、何もなかった。


ベル「何故こんな空間があるのだ?」


松木「うーん、誰かが掘った後って事は分かるわね」


村上「あぁ、確かにこんなの自然には無理やな。ところどころ後が残ってるわ」


前川「何かあるんかと思えば、何も無いなんて、なんかショック」


前川がショックを受けた。まぁ、何かあるかと期待はしてしまうか。そんな時、瀬戸が何かを見つけたようだ。


瀬戸「うん?何か埋まってますよ?」


村上「なんなてっ!?」


ベル「ここにもあるわ。暗くて足元が見えないけど、ここに最近掘った後があるわ」


松木「ね、ねぇ、中には、最悪、その、死体って事はないよね?」


瀬戸「不吉な事を言わないでくださいっ!!」


前川「何か埋まっているなら、掘るしかないわねっ!!何か掘る物は・・・あら、こんな所にシャベルがっ!!」


村上「なんで持ってんの?」


前川はシャベルで掘り出し始めた。壁の土は硬かったが、ここは柔らかい為女性の力でも簡単に掘る事が出来た。そうする事数分、中から梅干し壺が幾つも見つかった。結構重たく、みんなで持ち上げるのが精一杯だった。


前川「これは・・・梅干し壺?」


瀬戸「何でこんな所に?」


村上「梅干し壺なんやから、梅干しでも作ってるんちゃうんか?」


松木「あれ?でもこの部屋は誰も住んでいないって言ってたよね?」


ベル「なのにこんな所で梅干し壺があるって事は梅干しなんかじゃなく・・・」


ベルはそのまま蓋を開けた。するとその中身は札束がぎっしり入っていた。他の梅干し壺にも同じくらい、ぎっしり入っていた。一同はこれに驚愕した。


松木「えぇっ!?札束っ!?」


村上「なんでやっ!?って、こっちには宝石が入っとるっ!?」


ベル「恐らく、脱税ってやつね。こんな所にお金を隠すとは、よく閃いたわね」


瀬戸「考えたら確かに、誰もこんな場所にお金を隠すなんて普通は考えないわね」


前川「これは・・・未確認生物以上のものを見つけてしまったわね。このままほっておく訳にはいかないわ。まずは誰がこんな事をしたのか調べないと」


ベル「こんな入念に隠す奴だ。しかも、ざっくり見てみると計数十億の価値はあるわ」


村上「数十億やとっ!?」


瀬戸「じゃあ、犯人は?」


ベル「恐らく大金を稼げる奴ではあるな」


松木「じゃ、じゃあ、政治家とか社長とか?」


村上「いや、自分の株を下げる事なんかせぇへんやろ。それに賄賂にしたら、貰い過ぎる気もするし」


みんなが犯人だと思う人物を挙げてみるも、結局分からなかった。とりあえず、ここに長くいるのも危ないのでひとまず梅干し壺を元の場所に埋めて、土を被せた後、大急ぎで地上に出て、新しい板を持ってきて、畳と一緒に被せて部屋を出た。結局、この日は未確認生物の撮影よりも、脱税のお金があったと言う結果になってしまった。しかし、ここから彼女達の運命のルーレットは回り始めていた。この事に気づくのはそう遠くはなかった。


前川「・・・あれ?私、いつの間にこんな宝石を?」


ポケットに違和感を感じた前川はポケットに手を入れた。そこには青い宝石が埋め込まれたペンダントが入っていた。確か、あの壺の中に混じっていた宝石類の1つだったものだ。しかし、無意識にポケットに入れてはいない。だとすると、何故これがここにあるのか、疑問が増えたがこれは後に元の持ち主に返すとしよう。


§


ドン・リングル「朝からどうしたんだ?」


ネクシース「リングル、聞いてよっ!!あの女、分け前をガッツリ持っていってたのよっ!!」


ドン・リングル「じゃあ、あれか?俺達は騙されたってか?」


ネクシース「許さないわよっ!!元から気に入らないけど、私のお金を取ろうとするなんて、もっと許さないわっ!!!」


キンピアス「しかし、我々を出し抜くとは、なかなかやるな」


その頃、ネクシースはアリスデルが上納金をあまり渡していない事に気付き、当たり散らしていた。その暴れっぷりは異常で、ブレスロイド達が止めに来てもすぐに振り払う程であった。実際、プレシャスファミリアにある貯金額はざっと500万程度だった。これではマフィアを名乗るには恥ずかしいレベルだった。


ネクシース「あの小娘をとっ捕まえて、金の在りかを吐かせるわよっ!!」


キンピアス「待て、彼女の能力を忘れたのか?奴はありとあらゆる影に忍び込めるのだぞ?この部屋には影があり過ぎるぞ」


ネクシース「ならここにある物、全て壊すわっ!!」


ドン・リングル「まぁまぁ、あの女がダメならまた新しい能力者を作るしかねぇだろ?こっちには能力者を生み出せる銃があるんだしよ」


ネクシース「ふんっ!!相変わらず甘いじゃないっ!!私は早く札束のお風呂に入りたいのよっ!!」


ネクシースはそのまま部屋へ戻ってしまった。相変わらずのわがままさに2人は頭を悩ませていた。


キンピアス「このままでは、残りの金も彼女の浪費癖ですぐになくなりそうだ」


ドン・リングル「しゃーねーな。こればっかりは嫌だが、しばらくは節約をするしかねぇな」


こうして、プレシャスファミリアの節約生活が今、始まろうとしていた。


§


アリスデル「だ、誰が掘ったの・・・?」


その夜、いつものようにお金を例の梅干し壺へ移動させようとした時、誰かが掘った後が見つかり、梅干し壺が全てなくなっていた。この隠し部屋を知っているのは自身だけで、絶対に見つからない場所へ隠した筈だった。しかし、何者かが掘り当てたせいで、絶対という言葉が使えなかった。


アリスデル「確かにここには私のお金が入っていたわ。そう言えば、畳が妙にズレてたり、仕切り板が新しくなってたり、天井が修復された後が残ってたりと、不可解な事があったわ・・・はっ!!!」


アリスデルは何かに気付き、急いで地上へ出た。向かった先は玄関で壁をハンマーで壊すと中からは監視カメラが出てきた。いざという時の為に配置していたのだ。カメラからSDカードを取り、パソコンに繋いであの夜、何があったのかを一部始終見始めた。最初は何もなかったが、途中から大きな音が出て、最後らへんには複数の女子達が出始めたのだ。どこから入って来たかは恐らく、天井から入って来たに違いない。その後、重みで仕切り板が壊れて中へ進み、そこで現金等を見つけたに違いない。


アリスデル「私のお金を盗むとは、愚か者には制裁が必要ですわね」


アリスデルはパソコンを閉じると、彼女達を探し始めた。泥棒ではなかったが、秘密を知られたからには生かしてはおけない。目の前にあった電柱の影に、アリスデルは影に身を潜めた。


アリスデル(彼女達はまたここへ来ますわ。その時があなた達の最後ですわ)


そうして、彼女達が現れるまでじっと留まるのだった。


§


放課後、前川はみんなを招集した。そこで前川は例のペンダントを見せた。


村上「な、なんやこれ?」


松木「瀬戸ちゃんとベルちゃんの持ってるペンダントと一緒だね」


前川「気がついたら、私のポケットに入っていたわ。見た目が見た事ある物だったから、ベルちゃんに確かめてもらおうと思って」


ベル「これは・・・一体どこで見つけたっ?!」


前川「へ?あの日の帰りにポケットに何故か入っていただけだよ?」


クロノス「このペンダントから魔力を感知した。だが微量だったからか、僕も気づく事が出来なかった」


瀬戸「えぇっ!?じゃ、じゃあ、あの梅干し壺の中に入っていたって事っ!?」


前川「そうみたい。ちなみに梅干し壺は上の階へ一応移動させたけど、バレるかな?」


村上「バレるやろ。というか、ウチら捕まえられて、吐かせられるで」


松木「じゃ、じゃあ、正面からは入れないね」


ベル「なら、塀の上を登ればいいじゃない?」


瀬戸「ベルちゃん、それが出来るの猫。私達、不審者扱いされる」


頭を悩ませる5人。犯人がいつ現れるかも分からないこの状況で、1人で動くのは危険だ。しかし、このまま放置する訳にもいかない。悪い事をする奴は人権はない。まずはあの部屋に誰が来るのかを見張って、罠を張る。その罠はもちろん梅干し壺で、ひとまずは梅干し壺を餌に誘き寄せられた所へ自分達が突撃し、犯人を押さえるという考えだ。ちなみに、前川が1人で考えついたらしい。


前川「我ながら、ブリリア〜ントッ!!」


村上「それ、自分で言うか?」


松木「じゃあさ、いつ実行するの?出来るだけ、早い方がいいよね?」


瀬戸「なら、明日なんてどうですか?明日、みんなであのアパートに集合と言う訳で・・・」


ベル「ただ、もし犯人が男だった場合はどうする?私達、女子の力では敵わないぞ」


前川「あら?私はこれでも柔道、空手、合気道、舞空術の経験者ですわ?」


村上「待てっ!!最後の方がすごい引っかかるっ!?」


前川「まあ、入って1週間で出禁と言われました」


松木「何でっ!?問題行動でも起こしたのっ!?」


前川「師範代とその生徒を、全員病院送りにしてしまいまして」


瀬戸&村上&松木「何でーーーーーっ!!!!!」


ベル「あー・・・一応は強いのだな・・・」


前川の異例の前歴にベルは固まってしまった。とりあえず、犯人の相手は前川に任せよう。私達は通報をすれば、後は警察に任せれば良い。うん、なんか行ける気が・・・する筈。


前川「さぁっ!!とっとと犯人捕まえて、部費アップ目指すわよーっ!!!」


村上「目的内容、変わってないっ!?」


ベル「ま、まぁ、捕まればいいのか?」


早速、犯人逮捕に動き出した5人であった。しかし、後にノワールファミリーが瞬く間に世間に知れ渡る事件になるとは、この時は誰も思わなかった。


§


・・・『見つけた・・・』

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