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ノワール・ガールズ・パニック  作者: アキラ明晃


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7/9

リリースされし魂

 名取「くそっ!!金盗むの忘れたっ!!けど、金なさそうな家ではあったな」


その頃、名取は下水道の中に入って逃走していた。いくら酷い目に遭わされたとはいえ、殺人をしてしまった以上、逃げる事しか出来なかったからだ。しかし、証拠は何一つ残っていない。なので自分だとバレずには済む筈だ。あとはしばらく遊んで暮らせる金があれば十分ではあるが。


名取「次は何しようかな〜♪♪♪働いてた会社を潰すのも一興だな」


そんな事を考えている時、突然上から何かが現れて、液体化したにも関わらず、名取を掴み、そのまま引きつられてしまった。名取も何が起こったか分からず、ただ引き上げられるだけだった。


名取「な、何だっ!?」


引き上げられたのは住宅街のある場所だった。マンホールから引き上げられたようだ。外は夜かつ土砂降りで、自分を引き上げた人の顔すら見えなかった。ただ、黒い何かがいる事は確かではある。


名取「て、テメェかっ!?」


???「そうだよ・・・あなた、能力者なんだね」


名取「なっ!?何故分かったっ!?」


???「私も能力者だから、能力者同士は引かれ合うって本当だったんだ・・・」


名取「て、テメェは誰だっ!?」


???「・・・」


名取「だ、誰だって言ってんだっ!!!」


???「あ、ちょっと考え事。私の名前はノワールガール。その命、私がいただきます」


雷の光で姿が一瞬見えた。その姿は全身黒ずくめで白髪の姿をした女性で、まるでホラー映画に出てきそうな姿をしていた。それには、名取も肝を冷やした。とはいえ、幸いな事に外は雨で、近くにはマンホールがある。自身の能力にとって最高のシチュエーションである。逃げるのも手、戦うのも手だが今は逃げる事に集中したい。


名取「ぐ、貴様と戦う暇はねぇんだっ!!」


ノワールガール「私はあるわよ。あなたがどんな事をしてきたか、実践してあげる」


すると手のひらから黒い何かが飛び出て、名取の体を掴んだ。名取は逃げる間もなく捕まってしまった事に動揺し、そのまま抵抗する事なく振り回されて、地面に叩きつけられた。それを5回繰り返してやった。


名取「ぐはっ!?ば、馬鹿なっ!?何て力だ・・・」


ノワールガール「まだ序の口の前の前ですよ?これから本当の地獄扉(インフェルノゲート)へ送ります」


ノワールガールは掴んだ名取をそのまま遠くへぶん投げた。速度は車以上に速く、能力を使う暇もなかった。そして、そのまま公園に入り、ドームにぶつかってしまった。ドームの壁に穴が開き、どれだけ凄まじい力だったか確認出来る。名取はボロボロになりながらも、何とか自力で立った。すると、名取の目の前にはいつの間にかノワールガールが現れていた。


名取「な、ひぃぃぃっ!!!」


ノワールガール「ここには逃げれる水道管はありませんよ?」


名取「何っ!?」


ノワールガール「わざわざ公園へ投げたのはあなたが逃げにくくする為です」


公園には地下水へ通じるものが限られている為、住宅街と比べて逃げられる確率が低いのだ。公園の周りにはマンホールなどはあるが、ドームが中心部にあり、尚且つノワールガールからは逃げられる事は不可能であった。ここでノワールガールは名取を倒すつもりだ。


名取「ふざけるなっ!!大体この社会が悪いんだっ!!俺様は悪くねぇっ!!」


ノワールガール「社会が悪いから人も殺すと?」


名取「けっ!!あんな幸せそうなもんを見せつけられて、俺への当てつけかっ!!俺が苦労してるのに、あいつらはのほほんと優雅に飯を食っている!!俺様は明日、いや今日食う飯にすら困っているのにっ!!」


ノワールガール「だから強盗を?」


名取「そうだっ!!力をもらった時は最初驚いたが、これがあれば今まで俺をコケにしてきた連中を見返せるんだよっ!!」


ノワールガール「・・・くだらない」


名取「何っ!?」


ノワールガール「実にくだらない、くだらない、くだらない、くだらない、くだらない、くだらない。お金がないなら働けばいいじゃない。何楽してお金を稼ごうとしてるの?みんな楽はしたいわよ。でも、みんな苦渋の道を進んでも逃げずに前を進んでいる。だけど、あなたはただ現実から逃げたいだけ。だからくだらない」


名取「貴様、俺様を怒らせるなよ?」


ノワールガール「だって事実じゃん?あなたは社会という壁に負けて逃げた、負け犬(おバカさん)だから」


・・・プツンッ・・・・名取はその言葉を聞いて、歯車が壊れてしまった。もう容赦しない。絶対に殺す。確実に殺す。殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・・。もうそれからは名取はただ殺す事だけを考え、他の事を考えるのをやめた。


名取「貴様ーっ!!!(ウェイブス)!!!!!!」


名取は地面に溜まっている雨をかき集め、大きな波を形成した。それは海で見られる大きさの倍はあり、そこから先端が鋭い槍を繰り出した。彼にとって雨は最高の武器であり、最強の味方だ。水があれば何でも思いのまま。名取は勝負をつけようとしていた。


名取「あばよっ!!」


波はそのままノワールガールを覆い被さるように飲み込まれた。ノワールガールは何も動く事なく、しかも動じずにただ立っていた。名取は何もしてこない事をいい事にそのまま攻撃しようとしていた。そして、槍はノワールガールの体を貫き、荒波事押し潰された・・・かと思いきや、水の中から黒い拳がにゅいっ現れて、名取の顔面を殴った。その威力は顔が歪み、変形する程硬く、強く、血が噴き出ていた。


名取「う、うぐぁぁぁぁ・・・?!」


名取も何が起こったか分からず、ただ唖然としていた。すると水の中からノワールガールがひゅーっと現れた。


名取「な、何がおこっひゃ・・・???」


ノワールガール「声も上手くだせないのか?なら声が出なくなるまで殴ってあげる」


ノワールガールは体から黒い物体を出して名取の体を掴み、そのまま宙へ投げた。その後は名取が落ちてくるまでジッとし、名取が近づいてきた瞬間を狙い、連続パンチを喰らわせた。


ノワールガール「クララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ、クラーッ!!!!!!」


名取「グギャアァァァァーッ!!!!!!」


名取は全てのパンチを喰らってしまい、公園の隅へ飛ばされた。その時に公園のベンチも壊れてしまった。名取は全身にダメージを負い、体はもちろん、声すら出せなくなっていた。そんな状況でノワールガールは近づいてきた。


ノワールガール「どう?今どんな気分?か弱い女性に倒される気分は?」


名取「ふー、ふー・・・」


ノワールガール「ちょっと何言ってるか分からない。あなたは私の家族を殺そうとした。あなたは罰を与えましょう」


するとノワールガールの背後に謎の影が現れた。それは全身黒ずくめで、漆黒の服装をし、フードからは黒い液体がドロッと流れ出ていた。これこそが彼女のスピリットであり、彼女の能力が具現化した姿、この素晴らしき世界ワット・ア・ワンダフル・ワールドだ。見た目は服を着たスライムと言った方がいいか。本来なら能力の具現化などありえない。しかし、この世界にはそれが出来るのだ。その例えに彼女は不思議なペンダントの力によってそれが可能となっていた。その姿は彼女の倍以上はあり、今にも飲み込みそうな雰囲気を出していた。


名取「な、何をすりゅ・・・やめ、やめちぇ〜・・・」


ノワールガール「やめて・・・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・あり得ないでしょ?あなたがやめてと言える立場にあると思い?あなたはこの闇の中に永遠に生き続けなさい」


名取「ぎ、ぎぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!!!!!!!」


名取の断末魔も激しい雨の中でかき消された。そして、体が動けない名取はそのままスライムに飲み込まれて消えていった。名取は能力の力で死亡してしまった。これが瀬戸黒葉、初めての覚醒と初勝利で収めたのであった。逆に名取は彼女の能力によりリタイア、死亡してしまった。それと同時に雨が止んだ。公園は悲惨な姿へと変わり、遊具も壊れてしまった。


ノワールガール「・・・次は暴れないようにしないと」


ノワールガールは瀬戸の姿へと戻り、急いで家へ帰った。


§


翌朝、気がつけばベッドの上で寝ていた。昨日、何があったかすら覚えていない。ただ、目の前で2人を殺された場面までは覚えていた。その後、何があったか、なんでベッドで寝ていたのかは分からない。外は明るくなっていた。昨日は土砂降りだったから、外は眩しいくらい太陽が輝いている。


瀬戸「あれ?私、何で・・・確か、昨日はカレー食べてて、頭殴ら・・・!!!!!」


その時、頭の中の出来事がフラッシュバックしてきた。妹達がっ!!血を流しているっ!!妹達が強盗に殺された事を思い出して、急いで階段を降り、リビングへと向かった。そして・・・


瀬戸「黒袮っ!!黒奈っ!!!」


黒袮「あ、おはよう」


黒奈「お姉、パン焼きたてだよ」


瀬戸「・・・あれ?生きてる?」


目の前にいたのは何事もなかったかのように、優雅に朝食を食べている2人の姿だった。昨日、荒れていた部屋も何故か綺麗に掃除されていた。自身で気づかないうちに掃除をした?そんな馬鹿な。床は血の池が張っていたのに綺麗になくなっている。試しに2人の頭を覗くも、傷口すら見当たらない。何だか、こっちがおかしくなりそうだった。


黒奈「お姉、どうしたの?」


黒袮「なんか死体を見たような顔をしてるけど?」


瀬戸「あ、いやー、それは・・・」


チーンッ!!


瀬戸「あ、パンが焼けたーっ!!!」


黒袮の鋭い察しにヒヤヒヤしたが、丁度トースターのパンが出来上がった事でこの場は何とか事なきを得た。とはいえ、昨日は誰かと戦った覚えがあるような気がした。その人は顔も名前も分からない。まぁ、妹達が無事ならそれでいっか。


§


???「・・・覚醒したのね」


???「だが、昨日の事は覚えていないようだ」


???「でも、彼女の能力は厄介」


???「大丈夫だ。まだ我々の事など知る筈がない。それよりアイスおかわりするか?」


???「うん」


丁度、瀬戸の事を見ていた女性とおもちゃがいた。しかし、何もする事なくその場を去って行った。

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