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ノワール・ガールズ・パニック  作者: アキラ明晃


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狂わされてしまった運命

 1週間後、半壊した校舎は元に戻り、いつもの日常に戻った。ただ、変わった事といえば、プレシャスファミリアに立ち向かった生徒会メンバーが英雄視された事、謎の女性2人組が現れた事で話題になっていた。個人的には異世界から来た人と知り合い、異世界の犯罪者集団と戦い、警察に追われる羽目になってしまった事かな?あと、このクラスにベルが転校生として現れた事ぐらいだ。


ベル「ベル・アナスタシアです。よろしくお願いします」


瀬戸「うげっ・・・ベルちゃん・・・」


昨日、ベルは朝早く荷物をまとめていた。何かやる事があると言って、家を出てしまった。そのやる事がこれって・・・どう言う感情を持てばいいのだろう?ベルがこのクラスに来た事により、クラス中大人気になっていた。まあ、こんな美人、振り向かない方が無理か。そんな中でもベルは冷静だ。その冷静さが逆にギャップ萌えになっているらしいけど。そんな時、ベルから手紙を渡された。誰にも気づかれないようにこっそり下から手を伸ばしていた。それを受け取ると、中にはこんな事が書いてあった。


『瀬戸さん、放課後、いつもの場所へ』


瀬戸「・・・あぁ、まだメール繋がってなかったわ」


昨日、一緒に食事をしたのに連絡を交換するのを忘れてしまった。放課後、一緒に交換しよう。時間は流れ放課後、瀬戸はベルと一緒に旧校舎へと向かった。


瀬戸「ねぇ、授業どうだった?」


ベル「全て10歳に学んだ事だらけだったわ」


瀬戸「え・・・え・・・?」


・・・スケールの大きさに話がついていけなかった。10歳で学んだ?向こうはそんなに授業が進んでるの?なんか、怖くなった。


ベル「何してるんだ?早くいくぞ」


瀬戸「・・・はっ!!はい〜っ!!!!」


部屋には既に前川、松木、村上が揃っていた。ベルの鞄からクロノスも現れた。今日集まったのは私、瀬戸に関する事らしい。どうやら、あのペンダントの力の影響で能力を持ってしまったそうだ。その力を見ようと言う事らしい。


前川「能力系キタァァァァァァァッ!!!!!!」


松木「うぉっ!!!相変わらず大きい声!!」


村上「ちょい、静かにせぇへんか?」


ベル「いつもこんな感じか?」


瀬戸「彼女が特別なだけです」


クロノス「そろそろ本題に入ろう」


瀬戸は鞄からあのペンダントを取り出し、首につけた。あの時みたいに変身は出来なかったが、通常の姿でも何か異変が出るらしい。私的には何も感じないが。


ベル「まだ、影響されてないのか?いや、もう出てもおかしくない筈だ」


瀬戸「そんな事、言われても・・・」


クロノス「多分、まだ力の全てを解放されていないせいだな。その石には"スピリット"と呼ばれる魂が存在する」


瀬戸「スピリット?」


ベル「分かりやすく言うと、精神力、或いは心の中に潜む者、と言った方が分かりやすいか?」


前川「おぉっ!!なんてスピリチュアルッ!!!」


村上「そうか?」


この石にはスピリットと呼ばれる者がおり、このスピリットによって選ばれ、認められた者しか力を発揮しないらしい。すごく繊細なペンダントではある。しかし、その石にどんなスピリットが存在するかは、クロノスにも分からないらしい。


クロノス「スピリットは本人の心から生まれるもの。どんな姿になるかは僕にも分からない」


瀬戸「じゃ、じゃあ、大きな猫になれたりとか?」


ベル「ま、そう言う事ね。ただ、選べる訳ではないわ。どんな姿になるかは本人次第って事ね」


松木「つまり、もう形は変えられないって事か」


この時間だけでもすごい事を聞かされた。それ程、このペンダントは危険だと言う事がすぐに分かった。ただ、ペンダントによって選ばれてしまった自分は、これからも危ない道を永遠に歩き続けなければならない。ただ、青春を謳歌したいだけだったのに。


ベル「・・・暗い話をしてごめん。ただ、これだけは話しておきたかった」


瀬戸「え、ううん、大丈夫よ。私もこのペンダントの秘密が知りたかったし。それに色々教えてくれてありがとう」


前川「おっと、こんな時間だし、今日は解散しましょう!!」


クロノス「そうだな。他にも話しておきたいが、続きはまた明日にしよう」


ベル、前川、クロノスが気を利かせつつくれた。多分、落ち込んでる私を見ての事だろう。確かに私の運命を変えられたのはショックだ。とはいえ、このまま落ち込んでもいられない。なってしまった事はしょうがない。危ない道に歩いてしまったなら、その先にある安全な道まで歩くしかない。私自身の戦いはここから始まったばかりだ。


§


ベルはあの車で住むらしく、自宅には寄らなかった。瀬戸はペンダントの事で頭がいっぱいになり、自宅を通り過ぎてしまった。


瀬戸「ただいまー」


花月野「おかえりー。今日、お客さんが来てるわー」


瀬戸「お客さん?」


確かに玄関には知らない靴が一足あった。しかし、この靴を見てすぐに思い出した。また、あいつが来たのか。そう思い、リビングに行くと案の定、そこにお客さんがいた。


花月野「桐斗くーん、コーヒーと紅茶、どっちがいい?」


東雲「あ、コーヒーで。手伝いましょうか?」


花月野「いいわよ。それよりも黒葉の相手をしてあげて」


瀬戸「・・・りと?何故ここにいるの?」


東雲「やあ、くろちゃん!!」


生徒会四天王の1人、生徒会長の東雲桐斗、彼は瀬戸黒葉の幼馴染だった。家が向かい同士と言う事もあって、小中と同じ学校に通っていた。彼の実家は大屋敷で両親は大手ゲーム会社の代表取締役をしているらしい。自分の父とは友人関係らしく、彼の起業を支援してくれたおかげか、今でも友好関係が続いている。


東雲「くろちゃん、先週は大変だったね。怪我とかない?」


瀬戸「それよりも、りとは大丈夫だったのっ!?」


東雲「僕は擦り傷を負った程度だよ。黒ちゃんが無事なら良かった」


瀬戸「はぁ、聞いたよ。変な奴らに立ち向かったって。全く無茶なんかして」


東雲「言ったでしょ?僕は黒ちゃんのナイトになるって」


瀬戸「その約束、今でも覚えていたんだ」


昔からの腐れ縁か、学校の時とは印象が違う。そんな彼だが、昔からモテてたらしく、告白してきた数は3桁を超えているとか。しかし、ことごとく振っている。イケメンなのに勿体無い気がするが。


東雲「ねぇねぇ、黒ちゃんの部屋に行っていい?」


瀬戸「そろそろデリカシーというものを学ぶべきでは?」


東雲「えー・・・黒ちゃんのいけず」


みんながイケメン生徒会長と呼んでいる彼の正体、それは私の前だけでは超絶甘えん坊な男だという事だ。一応、学校で(じゃ)れあうのはタブーと私がお願いしたので、今は家の中だけで私に戯れあってる。ほんと、子犬みたいな奴だ。


東雲「黒ちゃん、あーんして?」


瀬戸「自分でやりなさい」


東雲「そんな・・・僕、ずっと我慢してきたんだよ?学校で黒ちゃんに会うたびに興奮しないように目を合わせないようにしたし、向こうから歩いてくるとすぐ隠れるようにしたよ。でも、もう我慢出来ないっ!!」


瀬戸「だから私が目をあってもすぐ逃げたのか?いや、それで安全なら寧ろ続けてください」


東雲「そ、そんな〜・・・ガーン・・・」


東雲は膝と手をついて、落ち込んだ。彼にはこのくらい言った方がいいかもしれない。昔から何も変わっていないな。・・・私は変わったが。もし、私の正体を知ったら、きっと彼はすごく落ち込む、ちょっと繊細な所もあるし。だから、家族や彼にだけは絶対バレないようにしていきたい、そう心に誓った。


§


ドン・リングル「よーし、ジッとしてろよ」


その頃、プレシャスファミリアではリングルが数人の人に銃を向けていた。以前、キンピアスが投稿した求人情報をSNSに載せるとあっという間に数人の応募が入ってきた。応募してきたのは若い男女で、時給と仕事内容につられて応募したそうだ。いわゆる闇バイトに応募してしまった人達だ。


キンピアス「初めにしては中々の人数だな」


ネクシース「さぁて、この中の誰が生き残れるのかしら?」


応募した人達は口に手足を縛られて、周りにブレスロイドが武器を構えている為、逃げ出そうにも逃げ出せなかった。みんな、不気味な姿をしたプレシャスファミリアに怯え、涙を流す人もいた。さっそく、リングルが銃の引き金を引き、1人の男性に狙いをつけた。場所は心臓部だ。心臓部に撃つと、より強い能力が手に入るのだ。ただ、適合しなければ即死ではある。つまり、誰が生き残れるかは誰にも分からないのだ。


ドン・リングル「まずはお前からだ」


男「んんんーっ!!!!」


男は口を縛られても叫んだ。まさに絶体絶命であった。そして、トリガーに指をかけ、次の瞬間、バーンッと音が出た。銃弾は男の心臓目掛けて発射し、体には貫通した穴が空いていた。そのまま男は血を流しながら倒れてしまった。


キンピアス「ふむ、ハズレだな。本来なら血が体に戻るが・・・奴は適合しなかったな。南無阿弥」


ネクシース「ま、1人目だからしょうがないわね。次よ」


倒れた死体をみた男女は絶叫し始めた。逃げようにもブレスロイドに掴まれて、抵抗する間もなく撃たれた。1人、また1人、数人いた人はほとんど殺されて、床には血の池が広がっていた。もはやここは地獄と化していた。やがて、最後の1人になった。ひ弱そうでさっきの銃殺を見て、涙を流していた。


ネクシース「さっき、強面そうな奴やガタイの強そうな奴がいたけど、残ったのはこれだけっ!?」


ドン・リングル「まあ、能力がでりゃ話は別だがな」


キンピアス「今度こそ頼むよ、人間」


男は抵抗しようとするも、両腕をガッチリと掴まれて、動く事は出来なかった。そして、バーンッと撃たれた。男はそのまま倒れてしまった。穴から血が流れ出し、リングル達もこれまでかと思われた・・・その時だった。突如、血が体へ戻り始めていた。そして穴も塞ぎ始め、男は意識を取り戻した。


キンピアス「おぉっ!!成功だっ!!」


ネクシース「やっと出たわっ!!」


ドン・リングル「まさか、初日から1人目が出るとはなっ!!名はなんだ?」


キンピアス「名前は名取慎吾(なとりしんご)。フリーターと書いてあるぞ」


ネクシース「なら名取慎吾っ!!私達の為に金を強奪してきなさいっ!!この部屋いっぱいの金を持ってくるのよっ!!」


ドン・リングル「まさか、逃げようなんて考えてねぇよな?貴様の個人情報は俺達が持ってるんだぜ?逆らったら、分かるよな?」


名取「ひっ!!わ、分かりましたっ!!」


折角助かった命も今度は犯罪組織に利用される事になるとは思わなかった。彼の人生は間違いなく、狂わされてしまっただろう。この1日だけで狂わされた人が2人も生まれてしまった。果たして、彼らは己の運命にどう向き合うのか、少し面白くなってきた。

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