結成、ノワールファミリーッ!?
瀬戸「・・・うん・・・うん、私、何やってんだろう・・・」
警察から無事逃げられた瀬戸とベルは変身を解き、旧校舎に身を隠していた。幸いな事に、ここは森の中で遠くからではあまり見えない為、隠れるには打ってつけではある。ベルは瀬戸の所へ近づき、質問責めをしてきた。
ベル「何故あなたがこのペンダントを持っているの?一体どこで手に入れたの?」
瀬戸「あ、あの〜、それは、見知らぬ人に、縁結びのお守りとして渡されて〜・・・」
ベル「あれはただのお守りなんかではないっ!!あれは重宝されるべき物なんだぞっ!!」
瀬戸「あ、あのーっ!?順序よく話してくれませんかっ!?」
ベル「あ、ああ、取り乱してすまない。このペンダントは各異世界の封じられた力を解放する力がある」
瀬戸「へ?各異世界?封じられた?解放?」
ベル「あなたが解放したのは実力者の世界。あなたは実力者の世界の力を使えるようになったのよ」
瀬戸「う、うげぇぇぇ〜・・・なんかスケールが大きすぎて頭が整理出来ない・・・」
ベル「理解出来ないのも無理はないわ。私はまだ力が解放されてない。でもあなたは解放させた。あなたには恐るべき力があるわ」
瀬戸「褒めてるの?」
しばらくベルが話していると、窓からクロノスが入ってきた。どうやら、他の人も次期に現れるようだ。
クロノス「ここにいたのか。探したぞ」
ベル「クロノス、みんなは無事なの?」
クロノス「ああ、もうすぐ来るぞ」
その時、ドアがバタッと開いた。そこから前川、松木、村上が入ってきた。
松木「ねえ、さっき何が起こったの!?」
村上「うちらは校舎裏からこっそり見とったが、ありゃ何だっ!?」
前川「ねえねえっ!!さっきの力、もう一度見せてっ!!」
4人からの質問責めに困惑した。それにしても、何だか疲れた気がした。視界がボヤッとし、頭もフラフラするし。そのまま瀬戸は意識が消えて、寝てしまった。
§
その頃、何とか逃げ切れたリングル達。あれだけあった金銀財宝はベルと瀬戸が邪魔したせいで雀の涙程度しかなかった。もちろん、金にうるさいネクシースは不機嫌になっていた。
ネクシース「どうするのよっ!!変な奴が現れたせいでたったのこれっぽっちじゃないのっ!!」
ドン・リングル「まあまあ、金ならまた集めればいいじゃねぇか。こんくらいでも数日は飯が食えるじゃねぇか」
ネクシース「こんなんじゃだめよっ!!もっと、この部屋いっぱいじゃないと嫌なのよっ!!」
ドン・リングル「一体どうすりゃあいいんだっ!!俺達が出向いたら、またあいつらが来るじゃねぇかっ!!」
リングルも不満だった。マフィアなのに金のないマフィアなど、あっていい筈がないからだ。とはいえ、ブレスロイドでもあの2人には屁でもない。自分達が出向けば、世間から顔を知られているので金儲け出来ない。このままでは不満がこの部屋いっぱいに満たされてしまう。
キンピアス「うーむ、あ、そうだ。私にいい考えがある」
ドン・リングル「考えだー?」
キンピアス「我々が出向けないのであれば、我々で新たに配下を作ればいいだけだ」
ネクシース「配下を作る?そう簡単に出来るの?」
キンピアス「何、これさえあればな」
キンピアスはブレスロイド達に頼んで、ゴツいトランクケースを持ってきてもらった。その中からある青い銃を一丁取り出した。
キンピアス「これがあれば能力者を作り出し、我々は手を汚さずに済む」
ドン・リングル「いいじゃねぇか、早速やろうじゃねぇか」
リングル達は早速行動に出た。他人からスマホを盗み、そのスマホでSNSを開設、記事に求人を載せた。内容は『被験体になる実験。数秒で終わる。日給100万。待ち合わせ場所はこちらから連絡する』という、何とも疑わしいものだった。これはいわゆる闇バイトというものだ。
ネクシース「こんなんで大丈夫なの?」
ドン・リングル「何、背に腹はかえられねぇ。それにオレ達ぁマフィアだろぉが」
キンピアス「しかし、この銃は人間を選ぶからな。人間を数十人確保する必要があるぞ」
こうして、SNSを使って人間を確保しようとするリングル達だった。
§
瀬戸「う〜ん、なんか視線を感じるような・・・」
瀬戸は眠っていたが、何か妙な視線を感じた。体は少し疲れが残って眠たかったが、すぐに目覚めてしまった。目を開けるとそこは自分の部屋で、部屋はパジャマを着ていた。自宅へ帰って、パジャマへ着替えた覚えはなかった。しかし、ある光景を見て全て理解した。
ベル「う〜ん、あ、おはよう・・・」
瀬戸「おはよう〜・・・じゃなくてっ!?どうしてあなたが家にいるのっ!?」
ベル「あなたの生徒手帳ってやつを見させてもらったわ。住所はクロノスが解析して、ここに連れて来たわ」
瀬戸「いやプライバシーの侵害っ!?」
ベル「でもあなたをここまで運んだのは私のおかげよ。玄関に置いて帰ろうとしたけど、あなたの母に引き止められてね」
瀬戸「か、母さん・・・何してるの?」
ベル「今日はここに泊まらせてくれたわ。狭い部屋ね」
瀬戸「余計なお世話よっ!!」
その時、下からドタドタと走る音がした。音は次第に大きくなり、こっちへ向かっているようだ。ドアから現れたのは双子の妹だった。
妹A「あ、お姉ちゃん起きたっ!!良かった〜」
妹B「お母さーん、お姉ちゃんが目を覚ました」
名前は黒奈と黒袮。いつも2人で行動していて、いたずら好きな双子でもある。今日は黒美の無事を確認しに部屋に来ていた。部屋にはベルもいたが、昨日も会ってるので普通に接していた。
黒奈「ベルさんの分の朝食もあるんで、よかったら食べてね〜」
ベル「ありがとうございます。あなたも早く食べに」
瀬戸「あ、ちょっとっ!?」
瀬戸は着替える時間もないまま、ベルに連れられて居間へ向かった。居間には父さん、母さん、妹2人が席に座っていた。机には目玉焼きに焼いたパン、サラダがあった。ちなみに父は獅童、母は花月野。
獅童「昨日は災難だったようだな。変な武装集団が現れるとはな」
花月野「でも、今日は緊急休日になったから疲れは取れるわね。ベルちゃん、ありがとね」
ベル「いえ、私は何も」
瀬戸「あははは・・・」
昨日、ベルと戦った事だけは口が裂けても言えなかった。ちなみにベルは家族に"一緒に逃げて、何とか見つからずに外へ出たが、階段から誤って落ちて気絶しちゃったのを、ベルが抱えて家まで連れてきた"という事にしているという。もっとマシな言い訳はなかったのかと思う。とはいえ、お互い傷を癒すにはちょうど良かった。食事を終えると、ベルは家を探索し始めた。
ベル「この世界ではここが家なのか。私の世界でこの広さは倉庫だぞ」
瀬戸「あの〜、いちいち比較するのやめてくれます?」
とはいえ、異世界から来た彼女からすれば、全てが異様かもしれない。まあ、慣れるには時間がかかるだろう。部屋に戻ると日光浴をしていたクロノスが飛んでいる。彼はベルと一緒に私を運んでくれたようだ。
クロノス「おはよう、昨日はぐっすり眠っていたようだね」
瀬戸「いやー、今も頭が混乱してて〜」
クロノス「だが、昨日の件でおそらくプレシャスファミリアに目をつけられたのは厄介だ」
瀬戸「プレシャスファミリア?」
ベル「昨日戦ったアイツらよ。奴らは金儲けの為ならどんな非道な事も構わない犯罪者組織よ」
瀬戸「は、犯罪者組織っ!?」
クロノス「とはいえ、奴らが動き出した情報はない。何か妙だ」
ベル「奴らの事よ。もう行動に出てるかもしれないわ」
つまり、もういつもの日常には戻れないと言う事だ。このペンダントのせいでなんか酷い目にあってるような。おかげでマフィアや警察にも追われる立場になってしまうとは。そんな事を考えていると、スマホからメールが来ていた。差出人は前川だった。『至急、旧校舎集合、裏道送っとく』と言う内容が書かれていた。
瀬戸「えー、今すぐに?」
ベル「何かあったのかも?今すぐ学校にいくぞ」
瀬戸「えっ!?どこから出るのっ!?」
ベル「窓からだろ?」
瀬戸「そ、そんな〜っ!!!」
瀬戸はまたベルに連れられて窓から外へ出て、旧校舎に到着した。中に入るとそこにベルの車が入っていた。昨日、ベルが車をここに入れたらしい。そして、部屋には前川と村上、松木が集合していた。
前川「よく来たわねっ!!部員達っ!!」
村上「私達、出ちゃいけないんじゃ?」
松木「そうよ、急に呼び出してどうしたの?」
前川「ふ、ふ、ふ・・・そう焦らない。実はこの不思議研究会の名前を捨てようと思う」
村上「あ、廃部なった?」
前川「いいえ。私、昨日の全てを見て確信したわ。これは未知なる発見だと・・・」
松木「発見って、昨日は大変だったような・・・」
前川「悩み悩み悩み抜いたわ。そして、ある決断をした」
瀬戸「何を?」
村上「どうせ、ロクでもない事を思いついたんちゃうか?」
前川「今日からここは、秘密結社"ノワールファミリー"にしようと考えていますっ!!」
全員「・・・・・」
前川「なんかノリ悪いわね?」
村上「ちょっと何言ってるか分からない」
松木「以前とどう変わったの?また同じようにやるの?」
前川「それは・・・私にも分からないっ♪♪という事で、みんなからの賛成もいただいたし」
瀬戸「何も言ってないんですが・・・」
前川「これより、私達ノワールファミリーの歴史が始まるわよーっ!!!!!」
ベル「いつもこんな感じか?」
村上「早く廃部ならへんかな?」
こうして、不思議研究会はノワールファミリーへと改名した。後にこの名前が全異世界に驚く事になるとは、まだ全員知らなかったのであった。
クロノス「・・・大丈夫か、彼女達?」




