ノワールの名を継ぐ者
この物語はフィクションである。作中の如何なる人物、思考、事象は全て紛れもなく現実の人物、思考、事象とは無関係だ。・・・ん?君はこの世界に入ろうとしているのか?いいだろう、覚悟した者だけがこの世界に入る権利がある。・・・だが、警告しておく。この世界に入れば、お前は果てなき戦いに巻き込まれる事になる。この光景を見ているお前はそれでも「参加したい」という事だな?・・・ふふ、待ってろ、今会いに行く。
ここはとある世界のオークション会場。会場では大騒ぎになっていた。オークションに来た人は騒めき、ヤクザ達が突入してきた。その状況で天井には何か奇妙な存在がいた。全身黒ずくめで仮面を被っている男がいた。それは他の人達に気づかれて、辺りは大騒動になっていた。
???「くっ!!もうこんなに騒ぎになるなんてっ!!!」
???「でも、誘導作戦としては大成功よ!!私達の方は何とかなりそうだわ!!」
???「出口の誘導は任せてください!!」
その男はあるオークション会場から脱出しようとしていた。仲間からの通信を頼りに出口へ向かっていた。しかし、ヤクザ達も先回りして男の行き場を封じた。
???「げっ!!こんな所まで!?」
ヤクザ「貴様ら、例の奴らだな?ぶっ殺すぞ!!」
するとヤクザは体を震え始める。やがて人の顔から黒く中心に赤く光り輝く仮面をつけた姿へと変わった。これは普通の人間ではない。
???「戦力差は雲泥の差ね」
男「ふ、肩慣らしだ」
ヤクザ?「舐めるなっ!!」
その時、仮面の人間は体を液体状にさせた。その後、その液体が集まり、1つの形を作り出した。頭にハープ状の物が刺さって、左腕に布を包めた怪人が出来た。
怪人「始末してくれるっ!!」
男「所詮雑魚」
怪人「何っ!?ふざけるなっ!!」
男「来い」
男は背中に刺さってある剣を引き抜き、怪人と戦った。怪人もステンドガラス風の剣を取り出して、男と戦った。お互い鍔迫り合いになる程の戦いだがやはり通信でも言われた通り、怪人の体に剣を貫き、それと同時にもう1本の剣を取り出して、斬りつけた。仕上げに刺さっている剣を横に斬りながら抜いた為、怪人は爆散してしまった。その後、逃走を続ける男。後ろからはヤクザ達がゾロゾロとやってくる。男は上へと追い詰められているのだ。その後屋上へ行き、ビルから飛び降りようとした。その時、上から何かが男目掛けて降って来た。男は間一髪かわしたおかげで無事だが、その落ちて来たものはナイフだった。その直後にまた何か降って来た。髪は白く、仮面をつけ、フードを被り、黒い服を着ている謎の少女だ。その少女は手にナイフを持っていて、男に襲いかかった。その人は手に武器を持っていた為、防御出来たが少女は素早く動き、再び攻撃を繰り出した。少女は戦う事に素早くなり、武器で防御するだけでも手一杯だった。
男「何者だ?」
???「私達はノワールファミリー。闇から生まれ、闇と共に戦う者よ」
男「何っ!?」
???「私はあなたの持っているその・・・」
少女が何かを言いかけたその時、扉がバタッと開き、中から銃を持ったヤクザ達が現れた。
ヤクザA「手を上げろっ!!!」
ヤクザB「何だ?この女も仲間か?ならこいつらを始末しろっ!!」
ヤクザC「もう逃げられねぇぜ!!袋のねずみって知ってるか?」
男「面倒事になったな」
少女「仕方がありませんね。ここは共同といきましょうか」
少女は手から黒い剣を取り出し、男と一緒にヤクザ共に挑んだ。ヤクザ共もあの時と同じ仮面の怪人になって襲いかかった。2人の息のあった攻撃に次々と翻弄されていく怪人。戦っている間でも、2人は互いに剣をぶつけていた。少女もかなりの腕がある。敵の銃弾を難なく防ぎ、ついでに銃ごと怪人を斬りつけていた。やがて全て片付けると今度は2人同士で戦いを始めた。
男「何故お前がノワールファミリーを名乗っている」
少女「知りたければ私を倒しなさいっ!!」
その時、ヘリコプターが数台現れた。その内の1つにはハシゴがぶら下がっていた。男はそれに手を掴むとそのまま何処かへ消えていった。
男「今日はここまでだっ!!また会おうではないか!!」
少女もここにいてはいけないと思い、ビルから他のビルへワイヤーフックで移動した。ある程度、移動すると少女は仮面を外し、素顔を晒した。
少女「今回はあなたの勝ちにしますわ。だが、次こそは必ず勝ちますわよ、ノワール」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
少女は目が覚めた。あの変でワクワクする夢を。ただ、スマホの目覚まし時計によって起こされた為、途中で目が覚めた。それに今日は大事なイベントがある。季節は春。桜が満開に咲き、草原にはつくしも元気に生えている。そして何よりも大事なイベントがあった。それは―高校の入学式だ!!高校生になったらやりたい事があった。新学期早々に新しい友達を作り、楽しい会話をしたり、可愛いスイーツを食べたり、映え写真を一緒に撮ったり。私はただ・・・そんなJKライフを送りたかったのに・・・。どうして・・・どうして・・・警察に追われてるなんてーっ!?
警察A「見つけたぞ!!ノワールファミリーリーダー、ノワールガール!!」
警察B「今日こそ観念しろーっ!!!」
ノワールガール「もういい加減にしてーっ!!!」
ノワールガールと呼ばれる私こそ、この物語の主人公だ。どうしてこうなってるかって?それはほんの半月前に遡る。それは入学式だった頃の事だった。
§
担任の先生「出席取るわよー」
入学式の日、私こと瀬戸黒葉は夢の高校生活を送る事を目標としていた。というのも、中学生の頃はとてつもなく陰キャ寄りの陰キャで見た目もすごく地味だった。それに中学校時代は入学早々自転車事故に巻き込まれ、1週間入院する羽目になった。やっと登校出来たと思ったら、もうすでにグループが出来上がっていて、中々馴染めなかった。さらに持ち前のビビり気質であまり話しかける事が出来なく、友達は1人も出来なかった。それ故か、3年間勉強にあけくれて気づけば入試試験は満点で受かった。
瀬戸「あの時は最悪だったなー」
しかし、この経験があったからこそ今の私は大きく変化していた。この高校生活では必ず友達を沢山作り、夢のJK生活を謳歌するぞーっ!!!しかし、現実はそうはならなかった。やはり、持ち前のビビり気質が邪魔をして、中々話しかけるのが出来なかった。家で練習しても、いざとなると緊張して出来なかった。またぼっち確定になってしまう。辺りはもうグループが出来ていて、それを見て羨ましがった。
瀬戸(いいなー、私もあんな風に喋れたらなー)
こうして瀬戸の夢のJKライフ作戦は失敗に終わった。その日の放課後、落ち込んで帰っていた。また中学みたいにぼっちになってしまう事に怖くなっていた。
瀬戸「はぁ〜・・・」
瀬戸がトボトボと帰っていた時、誰かとぶつかってしまった。その時にお互いの荷物がバラけてしまった。
瀬戸「あ、すみません!!」
通行人「あ、いえ。こちらも前を見てなかったもんで」
瀬戸「あー、鞄の中身が!!」
通行人「あ、いえいえ。こちらで片付けますので」
通行人は男で、黒フードを被ってトランクケースを持っていた。お互いの荷物を片付け終えると、男は懐から黒い宝石のついたペンダントを取り出した。
通行人「これはお礼のお守りです。良かったら受け取ってください」
瀬戸「いえいえっ!!こんな高価な物、受け取れませんっ!!」
通行人「これは君に持ちたがっているようだ。それにこれは縁結びの効果もあるラッキーアイテムですよ」
通行人は瀬戸の手を取り、ペンダントを渡した。その後、頭を深く下げて、どこかへ行ってしまった。
瀬戸「あちゃー、とんでもない物を貰ってしまった〜。また会ったら返却しよう」
ペンダントを鞄に入れて、瀬戸はそのまま帰った。このペンダントが後に運命を変える事になるとは思いもしなかった。
§
瀬戸が家に帰った時、鞄からペンダントを取り出した。そのペンダントは暗くても綺麗に輝き、見る者を魅了してしまう程、可憐だった。
瀬戸「今日は散々だったな〜。友達作りは失敗し、謎の人からペンダント貰っちゃったし」
瀬戸はペンダントを試しに付けてみた。ペンダントをつけた自分を見て、自分には不釣り合いな気がした。外そうとはしたがもう少し付けてみたくなった。
瀬戸「やっぱり似合わないわね。でも、なんだかつい付けてみたくなっちゃうわね」
瀬戸はペンダントを外し、夕飯と風呂に入って寝てしまった。翌日、今日も学校に行った瀬戸はペンダントを鞄に入れたまま登校した。今日も友達作りを開始しようとするも、既にグループが出来てしまって、中々作れなかった。今日もボッチかー。そんな様子である壁を見てみた。そこには部活動勧誘のチラシが貼ってあった。サッカー部に野球部、バスケ部にテニス部、吹奏楽部、茶道部、美術部など色んな部活があった。その中でも隅っこに不思議研究会というチラシが貼ってあった。新入部員募集中で主な内容はあらゆる不思議を調べる事らしい。特にやりたい事はなかったが面白そうだと思い、試しに行ってみる事にした。場所は学校の離れにある旧校舎で、新校舎が出き、廃校になった学校だそうだ。しかし、壊れている訳でもなく綺麗に手入れされてあった。扉を開けると広いエントランスがあり、奥の方から何やら声が聞こえてきた。その扉をこっそり開き、中を覗くと3人ぐらいの女子達が会議をしていた。
女子A「今日の課題はUFOについてよ!!」
女子B「それはもう飽きた」
女子C「他の事しようよ〜。ねえ、最近変な集団が銀行強盗してるんだって」
何やら楽しそうな雰囲気ではあった。みんな菓子やジュースを飲んだりとゆったりしている。しかしUFOについての話とは一体?よく確認しようと覗こうとしたが、体勢を崩して倒れてしまった。それに驚いたのか、3人は立ち上がってしまった。しかし、ある女子が近づいてきた。
女子A「あなた、まさか新入部員!?ほらっ!!私の言った通りでしょ!!」
女子B「ほへー、ここにも人が来るとはな」
女子C「あー、これはその、UFOについてなんて・・・」
瀬戸「あ、あのー・・・」
女子A「ああ、驚かせてごめんね。私は"前川陽子"よ!!2年生、ここの部長よ♪♪」
女子B「自分は"村上璃子"よろしゅうな」
女子C「私は"松木早苗"!!璃子ちゃんとは幼馴染でーす!!」
前川陽子、黒長髪の女性で成績優秀、運動神経抜群の完璧女子だ。村上璃子、青髪ポニーテール女子で生まれが大阪出身だからか関西弁で話している。松木早苗、赤髪シニヨン女子で村上璃子とは仲の良い友達だそうだ。この空気、なんか自分入部する流れになってる気が。
前川「ようこそ!!我が不思議研究会へ!!」
瀬戸「そ、そんな〜」
これにて、瀬戸の物語が始まろうとしていた。




