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片思いの女子がR18動画配信をしていた件  作者: さば缶
第3章 噂と誤解の渦
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立ち向かう決意と彼女の不安

 「おい光太、聞いたか? なんか学内掲示板が大荒れらしいじゃないか」

石川 拓海が声をかけてきたのは翌日の昼休みだった。

光太は急いでスマホを開いて学内専用の掲示板を確認する。

そこには「ミスコン準優勝の三浦 未来って子が出てる動画見つけた」や「AV女優か?」なんて書き込みが並び、嘲笑や興味本位のコメントが飛び交っていた。


「これはまずいな。完全にデマと真実が混ざって、めちゃくちゃになってる」

「しかも普通に名前まで書いてあるし、あれアウトだろ」


拓海は眉をひそめ、スマホをポケットに戻した。


「どうするんだよ。ここまで広まったら、おまえと未来が否定しても聞かないやつ多いぞ」

「わかってる。でも黙ってたら余計にエスカレートする。何とかできないかな……」


光太は歯がゆそうに額に手を当て、周囲を見回した。


場所を変えようと二人は一度学食を出て、廊下の端で話し合う。


「まずはガセネタだって書き込みするのが手だよな。でもネット上の連中は『本人降臨』とか言って面白がるだけかもしれない」

「それに下手に光太が擁護すると、かえって“あいつもグルだ”とか言われるかも」


拓海が苦い顔でつぶやく。

光太も大きく息を吐いた。


「未来はきっとショックだろうな。そもそも普通の配信だって、表に出せないってだけなのに……AVなんてデマが広まったら……」

「しかも結構な勢いで拡散してるみたいだぜ。いくつかのSNSにも貼られてるらしい」


拓海はスマホをいじりながら、小さく舌打ちした。

「ここまできたら、もう学内だけの問題じゃない。早く止めないとまずいよ」


急ぎ足で教室に向かうと、そこで未来に会うことができた。

彼女はノートを抱えたまま、何か考え込んでいるように見える。

「未来、大丈夫か?」光太は周囲をはばかりつつ声をかける。

彼女はうつむいたまま、小さく首を振った。


「大丈夫じゃない。どうしてこんなことになっちゃったんだろう」

「噂は消せないかもしれないけど、俺たちで何かしら手を打つから。

それに拓海も協力してくれる」

「うん、ありがとう。でもこんな騒ぎになっちゃったら、私……やっぱりもう配信なんて続けられないよね」


未来の瞳に涙がにじんでいるように感じた。

光太は彼女の手元に視線をやり、そっと言葉を選んで口を開く。


「それは……未来が決めることだけど。だけど、もうちょっと冷静になってからでもいいんじゃないかな。今は一気にいろんな情報が飛び交ってるから」

「わかってる。でも、すでに大学の人たちまで騒ぎ出してるし、本当に明日にも教授や学生課に呼び出されるかもしれないんだよ」


未来の声に絶望がにじんでいる。

光太はかける言葉を探しながら、また一つ深いため息をついた。

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