疑惑と一歩踏み出す決意
「でもさ……もし違ったら最低だよな。未来に変な疑いかけるだけだし」
「まあ確かにな。けどそれで気まずくなるくらいなら、腹をくくる方が男らしいってもんだろ」
拓海は光太の肩をぽんっと叩いた。
地面には朝の日差しが落ちていて、キャンパス内を行き交う学生たちの声が賑やかに響いている。
「よし、まずは様子を見て……それとなく話題を振ってみるか。本当に未来だったらどうするんだ……」
光太は自分で口にしながら頭を抱えそうになった。
どう考えてもデリケートな話題だ。
それでも、あの動画を見てしまった以上、何も知らないふりをして過ごすのは苦しすぎる。
「……分かった。とにかく、チャンスがあったら聞いてみるよ。拓海、ありがとな」
「いいってことよ。俺も興味あるしな」
そう言って笑う拓海の顔を見て、光太は少しだけ肩の力が抜けた気がした。
「未来、ちょっといいかな……」
放課後、教室でノートを閉じていた三浦 未来に声をかけると、彼女は柔らかく微笑んだ。
「どうしたの、光太くん?」
「えっと、その……最近、動画配信とか、興味あったりするのかなって……」
途端に自分でも顔が熱くなるのを感じた。
未来は首をかしげながら、「動画配信?」と小さく繰り返した。
「ううん、全然。そういうの、やったこともないけど……どうして?」
「いや……なんでもないよ。ごめん、へんなこと聞いた」
光太は急いでその場を離れた。
まさか彼女に何も通じていない感じだったし、本当に見間違いなのかもしれない。
かえって混乱が増すばかりだった。