幼き皇帝エメラダ=ウォーバルド
京真たちは帝国城の大きさに度肝を抜かれていた。
「神聖ミカド組様、こちらの大広間が会場です」
甲冑姿の男に案内され、一際大きな扉を開けるとそこには
「なんか私たちが非常に場違いな感じがしてきたました.....」
レガリアスがそう呟く理由も無理は無い、なぜなら大広間の中には煌びやかな装飾が施されたまるで神殿のような場所だったからだ。
「むむむ...お姉様.....あそこにある料理...すごい気になりますわ.....」
キャロルはテーブルの上に置いてある料理に興味津々なようだ。
「私のところから離れてもいいから、行ってきてもいいぞ」
「ならばルシーラ、行きますわよ!」
キャロルはルシーラの手を引いて、料理の並ぶテーブルに向かって行った。
「やれやれ、騒がしい奴だな」
するとレガリアスがモジモジしながら京真に告げる。
「あの...京真さん...私も行ってきていいですか...?もうお腹が空いて.....」
「分かった、なら私は一人で見て回るから行ってこい」
「ありがとうございますっ!」
レガリアスはキャロルたちの後を追うように駆け出した。
そうして一人になった京真は、暫く会場を見回ってたのだが突然周りのざわめきが途切れたのだ。
「おお、皇帝陛下だ」
近くにいた男が呟いたのを聞いた京真は大広間中央の階段から降りてきた人物に目を向けた。
そこには、赤いドレスに身を包んだ薄い緑髪の少女が佇んでいた、だが彼女はその容姿では隠しきれない威厳が見え隠れしていた。
(まさか、あんな幼い子がウォーバルド帝国の皇帝なのか?)
その皇帝らしき少女が階段を降り切った途端、周りに居た貴族らしき人々が駆け寄って行くのが見えた。
その時、彼女とハッキリ目が合う。
美しい真紅の双眸は京真をしっかりと見据えていたのだ。
「そこのお主!もしや、シスター・キョウカではないか!?妾の元に来るがよいっ!」
周りの人々を押しのけて、いきなり大声を上げて京真の名を呼んだのだ。
「えっ、今確かに呼ばれたよな……はぁ…」
行きたくは無かったが皇帝直々の指名を断るのも無礼かと思い、渋々だが行くことにした。
素の喋り方ではなくシスターの口調で彼女に喋りかける。
「はい、私がシスター・キョウカです、貴女は.....皇帝陛下ですよね…」
そう問うと、彼女は自信満々な表情をした。
「その通り!妾こそがウォーバルド帝国十代目皇帝、エメラダ=ウォーバルドじゃ!」
エメラダ、と名乗った少女は、皇帝というより姫という肩書きが似合うほどの美少女だった。
「ええと…エメラダ様、私のようなシスターに一体なんの御用ですか?」
単純な質問をぶつけたところ、なんとエメラダが予想外、というか想像すら出来ないような行動を取った。
「シスター・キョウカ.....これまで迷惑を掛けたこと、本当に済まなかったのじゃ!!」
そう言うと彼女は謝罪の言葉を口にしながら、頭を下げたのだ。
その瞬間、大広間中がざわめきと困惑に包まれた。




