狂った羊飼いの少年(ショートショート)(旧作復活版)
昔々、ある村に正直者の羊飼いの少年がいました。
羊飼いの少年は非常に正直者だったため、村の人達は少年のことを大変信用しておりました。
ある日、羊飼いの少年が、突然羊達が狼に襲われ始めたと言い出しました。
羊飼いの少年を信用していた村の人達は、少年に言われるがまま、羊の群れの元に向かいました。
ところが、村人達が羊達の元へ行っても、狼は一匹もいませんでした。目撃したと言う狼は、恐らく少年の見間違いだろうと言うことで、村人達は少年に今後は気を付けるように言いました。
その後も、羊飼いは狼を見続けたため、幾度も村人達に助けを求めました。しかし、何度村人達が羊達の元へ向かっても、その場所に狼はいませんでした。
そんなことを繰り返していくうちに、村人達は段々と羊飼いのことを信じなくなっていきました。
村人達が完全に羊飼いのことを信じなくなった頃、遂に羊飼いが大事件が起こったと言い出しました。
なんと、突然現れた狼が全ての羊を食い殺したと言うのです。
当然、羊飼いのことを信用しなくなった村人達は、この話を聞いても、誰一人として羊飼いを信用しようとしませんでした
すると羊飼いの少年は、誰も信じてくれないこの状況に絶望し、闇雲に暴れ出しました。
村人達は突然暴れ出した羊飼いの少年に驚き、彼を拘束しました。そしてそのまま彼を拘留所へと連れて行ってしまいました。
それからしばらくして、独房にいる羊飼いの少年が突然腹痛を訴え始めました。何でも、与えられた食事の中に毒が入っていたと言うのです。
そこで独房にいる少年に対して、医療機関がありとあらゆる医療検査を行うことにしました。
あらゆる検査をした上で、医者は羊飼いの少年にこう言いました。
「どうやら君は、統合失調症のようだね」




