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蛇王 ハイドラ

大蛇の群れはうねり、一匹の金色の巨大な蛇に姿形が変わった。

見上げるような大きさ、捕食者としての威圧。

地上の勇者をも難なく殺すことが出来るそのあごの力と毒の強さ。

この地の支配者としては相応の格を持つ怪物だ。


ハイドラの牙で切りつけるが数匹の蛇がその身体から剥がれ落ちるばかりで決定打にはならない。

となれば、こちらも相応の魔術を行い、勝負を決めるのが早い。


魔術、ハイドラ変化。

周囲に閃光と灼熱が放たれる。地面が燃え、焼けただれる。辺りには黒の煙が立ち込める。

その中からエメラルドを思わせる輝きの鱗をした9つの蛇の首が相対する金色の怪物を見据える。


怪物としての格を悟ったのかラドンの金色の身体は震えだし、見る間に身体を構成する蛇の群れはどこかへと逃げ出そうとする。


ハイドラと化した俺に容赦はない。

5つの首から炎、吹雪、雷、嵐、毒液を吹き出し、瞬く間に蛇の群れを全滅させる。

少々暴れ足りないが、敵がいるわけでもないため変化を解く。


「分裂の権能は返してもらった」

低くそれでいて艶やかな声が響く。

エキドナの姿が見えない。代わりに妖艶な美女が目の前に現れた。

白く傷一つない肌、巨大な果実のような胸、しっとりと濡れたような黒髪。


「エキドナなのか?」

「そう、力の一端を取り戻した姿だ、見てみろ」

エキドナはそう言うと勝気な表情を浮かべる幼い少女を虚空から生み出す。

さっきまでのエキドナとうり二つの姿だ。


「「第一層の支配権は妾にあり」」

二人のエキドナの高笑いが辺りに木霊した。

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