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アマゾネスの婿
女巨人タナシスは勝負の後、自らの宮殿に引きこもったまま、姿を見せない。
アマゾネスの女たちは俺が唇を奪ったことへの責任を咎めた。
彼女の許しが無ければ、この先には進ませない。
許しを乞うには彼女の傷ついた心に寄り添わなければならないのだ。
結果、俺は彼女に求婚せざるを得なくなった。
密林の中に建つ象牙のように白い宮殿の奥へと進むと膝を抱えた乙女の姿があった。
美しく輝く銀の髪が今や涙の束のように思われる。
こちらに気づくとタナシスは捨て鉢にわめいた。
「来るな!」
それでも歩み寄らなければならない。
俺は薄緑の指輪を彼女に差し出した。
自分の首の一つを切断し、その血肉を魔力で指輪として生まれ変わらせたのだ。
これは自分の力の一部を彼女に分け与えることを意味する。
覚悟の証なのだ。
指輪に見入るタナシス。
「君が美しかった。それだけだ」
それだけで十分だった。
俺がアマゾネスの婿となることで彼女は勝負の結果を受け入れたのだ。
宮殿の外に出た仲間からの目は冷たい。
どうやら同じ指輪を捧げなければならないらしい。




