音響監督の覚書8(ナレーションと言うもの)
失敗例……とは違うかもしれませんけど、一読頂ければ幸いです♪
前々回の『棒読みの正体』で-
ナレーションは、情報を聞いてる人に伝えるイメージが無ければ伝わりません。
それがコンシェルジュとお客さんの対話なのか、演説なのか、チュートリアルなのか、はたまたプレゼンなのか。
そう言うイメージをせずに原稿を読めば、ただ文字を読んだだけのものになってしまう。
-と記しました。
最近、必要以上に芝居がかったナレーションと言うか……やりたい事は判ります。ディレクターの意図も判ります。けど……悪い言い方をすると馬鹿にしてる感じがして残念だなって思ったんです。
例えるなら……子供に絵本を読み聞かせをするのに、もの凄く感情を込め過ぎてドラマティックになっちゃってる感じですかね。
幼児向けで赤ちゃん言葉を使っちゃうみたいな。
変に抑揚をつけたり、ニュアンスを入れ過ぎちゃってるんですよね。
キャラナレをしてるんじゃないんだから、もっと素直にやった方が魅力的だと思えちゃったんですよね。
ただまぁ、これに関してはディレクターの趣味も多分に作用する点なのでナレーターの責任とは言えないのですから、あくまで僕の主観での話としておいて下さい。
声優もナレーターも『伝える』と言う部分では根は同じだと思います。
けど、芝居と言うのはその世界がありき。
ナレーションと言うのはお客さんがありき。
それぞれ同じような事をベースにしながら『意識するポイント』や『ベクトル』が全く違う、似て非なる物なんですよね。
演出をしていても似たような言い回しを使う事があります。
『何をどう伝えたいの?』
原稿なんて文字だけのものです。
それなのに、芝居とナレーションでこうも違うものかと痛感します。
そして、だから面白い!
芝居もナレーションも『声優』と言う仕事の範疇にあります。
今は歌も仕事の範疇と言えるかもしれません。
マルチにはマルチの大変さがあり、それぞれの違いを理解して対応しなくてはいけません。
何かの参考になれば幸いです。
また、なにか思ったら書こうと思います。
ここまでは過去に書いたものを再編しただけですので。
効果音だとかミックスについて書いてもいいかもしれませんね♪