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音響監督の覚書5(芝居における『間』)

僕としてはかなり重要なことだと思うんですけど、これって簡単そうで難しいのかな?

今回言及したいのは『芝居の間』。

前回の演じ分けでも出て来た『テンポや間』ですね。

それをもっと細かく書いていきましょう。

複数の要素があっての『間』のお話です。


要素は大きく3つである。


[間の広さ(長さ)]

一番の基本はこれでしょう。

じゃあ、どんな影響があるのか……


間がないと捲し立てられ、畳み掛けられる。

例えるなら、考えることをさせずに押し切る感じ。


逆に間がたっぷりだと、余裕を感じられ、理路整然としているように感じられる。

例えるなら、相手に拒否させない力強さがある。


前者は焦ってて、後者は余裕がある。

前者は馬乗りになってマウントを取りにかかってて、後者はねじ伏せに行ってる。

……そんな感じ?


[テンポ]

台詞にもテンポは存在します。

調整の前に、台詞とBGMのテンポが合致すると効果的ですし、外れていると取ってつけたかのような印象を与えてしまいます。

BGMに対して台詞を乗せるために間尺を直すことは少なくありません。


そして、以下はBGMが無い状態での話になります。


台詞がトントントンと淀みなくテンポ良く繋がっていれば、その人は迷い無く心底疑いなく喋ってる印象になりますが、トントンントントンとリズムが外れる感じだと、嘘をついているのか自信が無いような印象になります。


少しでもズレるとひっかかりが出てきますんで、場合によっては意図的にズラして空気を作ったりもしますし、収録時にハマりきらなかったものが編集時にテンポを整えるとグッと良くなったりもします。


[息]

ブレスが強過ぎたり、急ぎ過ぎてると、緊張感が出てしまうのを編集で小さくしたりカットしたりする事で印象が変わったりもします。

場合によってはブレスの差し替え素材を貰うこともあるくらい雰囲気に影響するんですよね。

しかし、収録時に声を出すために必要なブレスだったりするので、役者に「ブレスを浅くして!」と言いにくい場合もあるし、新人が緊張しててコントロール出来ない場合もあるんです。

そうなると編集のお仕事ですね。


大きくこの3要素が芝居における間を作っています。

ブレスに関しては息の芝居として独立して指示することもありますが、そこにテンポも大きく影響してきます。

(そもそも、息の芝居ってもっと大きい芝居の時に使いますしね)


BGMのテンポに関しては聞きながら収録してるわけじゃないので、当然ながらベテランの役者でも編集する事が当たり前にあります。

(だって音楽のテンポは直せないもん!)

しかし、良い役者さんの芝居って意識してるかどうか分からんですが、間やテンポも良い!

上手い下手が如実に出ると思います。


そして、これらって編集時に直せるんですよね。

ディレクター自ら編集する場合はもちろん、エンジニアが編集する場合も多いです。

その時、エンジニアも演出家であれば直せる物もあるし、逆に芝居を壊す事も出来るという事です。


当たり前に役者の芝居を引き立てられる演出家・エンジニアでありたいです。

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