第6話 ストレの魔法教室(後編)
お待たせしました!
えっ?この小説って失踪してたんじゃ無いかって?そんな事無いですよ~だって前投稿したのだって…あれ?二ヶ月以上経って…あっごめんなさい!謝る!謝りますから、石とかペットボトルとか投げないで!
「………はぁ…取り敢えず、魔力を込めれば何かの能力を覚える巻物ってことはわかった」
俺は今、風切亭の自室で武神達の説明を受けていた―――
『おお!やっとわかってくれたか!』
「アア、ウン。ソウデスネ、ケンシンサマノオカゲデス」
―――永遠とも思える時間をかけながら。
いや、まあ、正確には30分位しか経ってないらしいんだけど…
わからない?わかるよね!え?なんのことかって?超感覚派な人に説明を受けるあの苦痛の事だよ!
なに!なんなの!何回聞いても『魔力をグッとしたらピカッってなって頭がグッとなって知識がバーってなるやつ』としか答えないし!なに!試練なの?よく分からない説明でも聞き続けろっていう神からの試練なの?
聞き方が大雑把過ぎたのかと思って「そのグッとか、ピカッの意味が知りたいんですけど」って言ったら「ああそれは、あれをグッとしたらピカッってなるって意味だな」って返ってくるし…
そんな押しても引いても擬音しか出てこない会話を見るに見かねて、弓神さんが『剣神!その説明では私でもわからないぞ!』と笑いながら教えてくれたのだが…うん!スッゴく解りずらかった!
いや…まあ『スクロールはな、ジャッとしてカッとなってグォォって来る物だ!どうだ?解りやすいだろう』という説明を聞いてわかる人は剣神の説明でもわかると思うんだ。
まあ、そんな紆余曲折を経て、とうとう俺は、スクロールの意味を理解したんだ!
もう…ゴールしてもいいんじゃないかな?…えっ?魔力込めれるようにならないとダメ?そうしないと魔法を教えてもらえない?あっはい解りました。
「というか俺がスクロールもらっても使えないんだけど」
『そういえばお主は、魔力操作の練習をしてたんじゃったな』
「ああ、それにまだ魔力を込めるなんて出来ないしな」
『まあ、魔力操作位なら儂等でも教えられるからの、ちょっと待っとれ』
~5分後~
『………これでいいのじゃな?』
先程のやり取りから5分ほど経ち…今、俺の部屋―――
『はい。私の結界も、時空神さんの時空結界も、ついでに張った下級結界神達の結界も準備完了です』
―――何故か物凄い防御力を手に入れてます。
『よし!じゃあ始めるかの!』
「ああ、そうだな!じゃあ始めるか…っておい!」
『『『え?』』』
武伸や剣神、その他もろもろがなに言ってんのみたいな顔でこっちを見てくる。
「いや、え?じゃねぇよ!なんで魔力操作の練習で部屋にこんな防御力持たせてるんだよ!なに?爆発でもするの?リア充撲滅委員会でも動くの?」
『はっはっは…自覚はあるようじゃの…よし!』
『『『『じゃあ殺るか!』』』』
「くっやられる…っておい!俺はリア充じゃねぇよ!って言うか結界張ったのってこのためかよ!」
『『『『リアジュウジャナイ?フザケルナ、アッテイチニチメノクセニイチャコラシアガッテ!』』』』
会って一日目?ああ、そうだね…うん。
「イチャコラって…肉体言語で?」
『『『『………』』』』
「それも一方的に?」
『『『『さあ、それじゃあ魔力操作の練習を始めようか!』』』』
ドバン!
『おい!結界が破れたぞ!どうなってんだ!』
『嘘だろ…あの結界…破壊神の攻撃でも1分は耐えれる強度なのに…』
「ちょーっとキキタインダケド?」
「すっストレさん?」
そこには般若にしか見えないオーラを纏ったストレがたっていた。
『ははは、とうとう幻聴か、あの少女からゴゴゴゴゴって音が聞こえてくるわ』
『あっお前もか?奇遇だな、俺もあの少女の回りだけ湯気みたいなオーラが見えるんだよ、もう末期なのかな』
「サッキノハドウイウコトカナ?」
「『『『『般若が出たぁぁぁぁぁ』』』』」
「ン?ドウイウコト?」
「『『『『どうもすみませんでしたぁぁぁぁぁ』』』』」
その日、とある神の間には、これ以上無いほどに綺麗な土下座が数十体並んでいたそうだ。
~5分後~
「………はぁ、それは本当の事なのね?」
「はっ!そうでございます!」
俺、桐山優介!出会って2日目にして、異世界人な事がばれました!
………えぇぇぇぇ!なんで?何でなの?普通、こう言う系統の小説の醍醐味の1つとと言えばさ、自分が異世界人な事を伝えずに過ごしていって、あることが切っ掛けで、話すかどうかってなった上で、悩みに悩み抜いた結果「信じてもらえないかもしれないけど…俺!異世界から来たんだ!」って言うのがテンプレじゃないの?
まあ、この5分で起きたことと言えば、ストレが「ユースケ、今会話してた人…誰?ちょっとお話したいんだけど?」って一言で三神を土下座状態で降ろしたり「へぇ~3人は神様なんですね~ユースケは凄いな~」って一言で俺が異世界から来たことや、その経緯を全部話すはめになった事位だ。
別に終始般若が見えていて怖かったとか、俺への威圧のはずなのに、弓神が耐えきれずに気絶したのが怖かったとか、それを見たストレが「私には喋れないのか…はぁ…」って言いながら威圧感だけじゃなく、気配や姿まで消して、その上部屋のあちこちからため息が聞こえてきたのが恐ろしかったとか、そんな事は…あるわ!というかむしろそんな事しかないわ!
ため息と同時に視界のどこかに現れる般若とか、気絶から復活した弓神がそれを見て昇天しかけたりとか、何が悲しくてそんな仕打ちを受けないと行けないんだよ!
だから話すと言った直後に現れたストレの笑顔を見て、ため息を吐いてしまった俺をどうか許して欲しい…というか欲しかった…
だって命の危険を感じてたんだぞ!そこから解放されてため息をはいた俺はきっと悪くない…と信じたい…
「そういえばユースケは、元の世界に帰りたい?」
さっきまでのやり取りを思い出して遠い目をしていた俺に向かって、ストレがラノベお決まりの台詞を聞いてきた。
「元の世界?ああ、元の世界…か…」
まさか転移2日目にしてこの質問をされるとは思って無かったが、この質問への答えは既に決めてある。
「ユースケ?」
『ストレちゃん泣きそうな顔をしとるのう』
『モテる男は辛いねぇ。ヒューヒュー』
『この世界は一夫多妻制の国が多いからな、こいつハーレムとか築いたりしそ「ギロッ」』
『『『ひっ』』』
うおっなんか背筋がゾッとした。
ストレが「どうせそうなんだろうけど今ぐらいは」って呟いた直後からなんか凄い嫌な予感がするんだけど大丈夫?俺が返答した直後にこの部屋爆発とかしない?
「おっ俺は…もとの世界へは帰らない!」
若干噛んだり冷や汗まみれだったりでカッコ悪いけど言えた!言えたよ俺!
今度こそもうゴールで良いよね…
「えっ?帰らないの?」
あれ?もしかして選択ミスった?これもしかして、嘘ついてでも帰るっていっといた方がよかったパターン?
「だって向こうの世界には家族だって、友達だって、かっ彼女だって、いるんじゃないの?」
よし!まだ大丈夫!最後の方に体が拒絶反応を起こして、よく聞こえない台詞があったが、ここの台詞さえ間違えなければ、爆発は無いはずだ!
「そうだな。たしかに家族や友達はいる」
大丈夫!この返答に間違いは無い!ストレが首をかしげた後に、なにかに気付いた様な表情になって、最終的に俯いている気がするが間違いは無い!
「彼女は?」
…おうふ…うるうるした顔で見上げてきてスッゴい可愛い…可愛いんだけど…
「彼女はいねぇよこんちくしょうがぁぁぁぁぁ」
『ユースケ泣いてるのう』
『あれはキツイな』
『一回はぐらかしてからの追い討ちだからな。彼女いない歴が長すぎるが故に更にキツ「ギロッ」ヒッ』
『自業自得じゃな』
『だな』
ちくしょう!なんで異世界来てまで傷口を抉られなきゃいけないんだよ!
「よっ良かった。彼女いないんだね」
「グハァ」
『追い討ちだな』
『普通なら嬉しい台詞なんじゃろうがなぁ』
『胸に突き刺さっとるな』
『『復活早ッ』』
「あっこっこれは!産まれてからここまで彼女いないのが可愛そうだと思っただけで、べっべつにそういうんじゃ…」
「ゲハァ」
『『『止め(じゃな)(だな)(だろうな)』』』
「あっごっごめんなさいユースケ、私焦っちゃって!産まれてからずっと彼女いないなんて!ふっ普通そんな事…ってあれ?ユースケ?どうしたの?」
「産まれてきてごめんなさい」
『うわぁ…』
『これは流石に同情するのう…助け船をだすかの…』
『死体蹴りだな…』
「えっ?なに?大丈夫?」
『ああ、えっと、ストレちゃん?後は儂達に任せてはくれんか?』
「えっ?なんで?」
『あー、えっと…そう!こう言う時は男同士で話し合うもんなんじゃ!』
「えっでも、彼女いない「グフッ」って言った辺りから、ユースケに生気が感じられないし…私もいた方が…」
『…ストレちゃんよ…時には男だけの話し合いというのも…重要なんじゃぞ…』
「そう…なの?まあ、そういうこともあるわよね!えっと、フェガトも呼んできた方がいい?」
『まあ、簡単な話じゃからな。儂らだけで十分じゃよ』
「分かったわ。じゃあ終わったら呼んでね?」
ストレは俺に「大丈夫?」と言い、最後まで心配しながら、部屋の外へと出ていった。
『まあ、そうじゃな、魔法神達も呼んでやるから、その…早く元気を出すんじゃよ?』
「…うっ…グスッ…おう…グスッ…俺…ズズッ…頑張る………彼女いないのがどうだって言うんだ!俺は…俺は…そんなのには負けんぞォォォォォ!」
『『『『『ウオォォォォォ!』』』』』
その日、とある宿のとある部屋にて、一人の男と、女神達から剣バカや結界マニアと言われ、全く相手にされない男神達の魂の叫びが行われたそうだ。
その叫びの参加者達は後日、口々に「我等の誓いは永遠だ!」と叫び合ったとか、合わなかったとか。
その日以降、女神から武神達へ話しかける回数が、目に見えて減ったらしいが、その理由は神のみぞ知る所だろう。
魂の叫びから30分ほど経ち、俺は今―――
「………これで、私の持ってる魔石は全部試したわね」
「これで、ストレ先生の魔法教室、第一段階はクリアだな」
―――風切亭の中庭にいた
「せっ先生だなんて…なんかむずむずするじゃない!」
「ははは。だって魔法を教えてくギャァァァ」
…何故か怒ったストレに殴られた。多分照れ隠しのつもりなんだろうけど、殴るパワーが強すぎる…
しかし、ここにたどり着くまで長かったなぁ…
あの叫びのあと、魔法神も来て行われた魔法訓練は、驚くほど楽に終わった。
理由は簡単。物凄く解りやすいのだ。
解りやすい理論に解りやすい説明、更に実践では、出来てないところを的確に、それでいて解りやすく、ストレスにならないように説明してもらった。
剣神や弓神は何だったんだ!と思ったのはしょうがない…と言うか必然だと想う。
…だから奥の方で「くそっ魔法神め!我等のブートキャンプでこ奴を武術特化型にしてやるからな!」とか、それが聞こえた直後から急に、実践が激しくなったのは気にしちゃいけないんだ!そして―――
「…と言うか………なんで魔力を込めるのを教えてもらっただけなのに、魔法が使えるのよ!」
―――魔法神達がハッスルし過ぎて六属性全部使えるようになってても気にしちゃいけないんだ!
「大体ユースケが魔法使えたら、先生以前に何も教えること無いじゃない!」
その日、見上げた星空には、「やり過ぎちゃった。テヘペロ☆」という文字と、魔法神のお爺さんがテヘペロしてる絵が、流れ星によって描かれていた。
「あぁ、明日は冒険者ギルドか…」
たそがれる俺と叫ぶストレと共に、今日も夜は更けていく。
本当にお待たせしました。
いやぁ…本当に説明回は苦手です。
一部説明を省いて(未来の自分に丸投げして)なんとか終わりまでたどり着けました。
…なので次回以降しわ寄せガガガ…
次回更新は1週間…を目指して頑張ります!
今回よりは遅くならないよう頑張るので、次回も是非お楽しみに!
2018年11月16日訂正:全属性となっていた部分を六属性に変更しました。
その他一部を読みやすいように変更しました。




