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凡ミスで始まる異世界冒険記  作者: ライスパディ
アクステリア王国編
4/6

第3話 ストレの魔法教室(前編)

自転車操業1週目ですw

「………これで、私の持ってる魔石は全部試したわね」


「これで、ストレ先生の魔法教室、第一段階はクリアだな」


「せっ先生だなんて…なんかむずむずするじゃない!」


「ははは。だって魔法を教えてくギャァァァ」


 …何故か怒ったストレに殴られた。多分照れ隠しのつもりなんだろうけど、殴るパワーが強すぎる…


 しかし、ここにたどり着くまで長かったなぁ…

 夜空に輝く星を見ながら、ここにたどり着くまでの苦労を思い出していた。



 話は、ストレの話をスルーしたところまで遡る。


「はぁ…じゃあ魔石を出すからちょっと待ってて」


 ストレが、深くため息をつきながら鞄の中を探っている。恐らく魔石を探しているのだろう。


 ストレが今からやろうとしている魔法適正の調べ方だが、適正を調べる方法は幾つかある。


 まず一つ目の方法は、大きい町のギルドや教会にある『魔水晶』という魔道具で調べる方法。


 最も一般的に使われているこの方法だが、高ランクのギルド員や、教会で言うところの司祭以上のメンバー以外にはお金がかかる。


 その値段も町やギルド毎に違うため、極端に高いことも多く、大体は口利きや紹介で安くしてもらってから調べるらしい。


 まあ、口利きをしてくれる教会関係者や高ランク冒険者の知り合いなんていないので、まずこれは却下。



 二つ目の方法は、魔術師や魔法使いに弟子入りすること。


 この方法は、本格的に魔法等を学ぶ人がとる方法で、その人への弟子入りが確定したときに、おまけで適正を調べてくれるらしい。


 方法は人によって違うらしく、なかなか面白そうではあるが、最低でも数年は修行をしなければいけない上に、若い人ほど弟子にしてもらえず、歳をとるほど辺境に行くそうなので、これも却下。



 三つ目の方法は、取り敢えず呪文を唱える方法。


 この方法は、この方法で魔法を使えたら、すべての国がスカウトに来ると言われるほどに難易度が高い。


 更に、この方法を試すには、回りに遮蔽物がない平原等に行かなければならず、そういう場所には大概魔物がいる為、この方法を試す人は殆どいないとか。


 勿論俺もその例外に漏れず…というか渋クロプスに襲撃された直後にそんなことを出来る人がいるならこっちが見てみたいわ!という事で却下。



 そして最後の方法が、調べたい属性の魔石に魔力を込める方法だ。


 この方法は一見簡単に見えるが、調べたい属性の魔石をすべて集めなければいけない上に、一部失伝した属性や、そもそも属性の無い魔石など、様々な障壁が有るため、一般的には使われていない。


 しかし、調べるのに必要な魔石自体はそれほど大きくなく、というか小さい魔石ならそこら辺に落ちているので、それを広い集めてもいいし、鍛冶屋や魔道具屋等にいけば何種類か売ってくれるらしいので、冒険者のなかでは結構一般的な方法らしい。


 なのでストレもこの方法を取ったんだと思う。



 因みにそこら辺に落ちている魔石だが、その土地毎に落ちている属性が違うらしく、行商人がその町の記念にと買ったり、鍛冶屋や魔道具屋の見習いが練習台に使ったりと、結構幅用途が幅広い為、鍛冶屋等の一部商店が安い料金で買い取りをしているらしい。


 安全で労力の割に賃金が安いので、子供の小遣い稼ぎに人気な仕事らしい。


 まあ、そういう背景もあって、大体どの町でも火・水・風・土属性の中から2~3属性の魔石を売っているそうだ。


 残りの光の魔石は聖心国、闇の魔石は魔王国にしか落ちてないため、基本的にその二つの属性は、魔物が持っている魔石のみが売られるらしい。


「そういえば、魔力って、どう込めるんだ?」


「えっ?」


 ストレがこいつなにいってんだ?って顔で見てくる。

 心にグサッと来るが、知らないのはしょうがないので、もう一度聞くことにする。


「いや、だから魔力って、どう込めるんだ?」


「そんな冗談言わないでよ」


 満を持して言ったのだが、顔は変わらず…というかむしろ嘲笑う感じになって余計にグサッと来るんですけど!

 …でも込め方を聞かないとどうしようもない…


「まっ魔力の込め方をお「ふざけないで!」ぶはぁ」


 心を越えて物理的にダメージを与えてきたんですけど!


「私の話をスルーした上に魔力の込め方を教えろですって…ふざけるのも大概にしなさい!」


「だって知らな「嘘つかないで!」ぐばぁ」


 2発目、まっまだいける。なんでストレがキレてるかは分かんないけど、折角魔法が使えるかもしれないのに、それを無しにするのはもったいな「ぐはぁ」なんで!なんで今殴ったの?


「なんで殴ったか分かんないけ「なんとなくよ!」ごぶぁ」


 4発…って言うかなんとなくだったんかい!足ががくがくしてるけどまだいける!何年も修行とか嫌「げぶぁ」また?またなの?


「こんどはな「なんかムカついた!」ぼばぁ「誰がババアよ!」言ってなグハァ」


 6発…って言うか最後の完全な言いがかりな「グベァ」もういい加減にし「バブォア」はいすいませんでした!


~10分後~


「はぁ、はぁ、流石に嘘をつく気も失せたでしょ」


「はぁ、はぁ、だから本当にしらな「まだつくか!」ゲブォア」


 ストレが昇◯拳の様なフォームで殴ってくる。

 一撃毎に違う技を繰り出してくるのが防ぎづらくて地味に辛い。

 人影がこっちに向かって来る!フハハハハ!新たな生けに「グベバァ」ごめんなさい許してください魔王なんて言いませんか「ゴフゥ」ストレサマサイコー


「やっと解放された…ちょっとユースケの様子を見に行ってただけじゃねえか…ってお前ら何やってんだ?」


「ふぇっフェガトさん!」


 救世主だ!救世主が現れた!ありがたやー、ありがたやー


「おい。ユースケ何拝んでんだ」


 救世主様が何か言ってるけど気にしないでおこう。きちんと祈ってご利益にあやからないと。


 あの騒動(半日意識不明事件)の後、フェガトさんが俺の事を『ユースケ』と呼ぶようになった。


 後で女将さんに聞いた話なのだが、フェガトさんは認めた人しか名前で呼ばないそうだ。


 そして名前で呼ばれるということは、()()()()()のフェガトさんが認めた証ということで、この町の冒険者の中で一種のステータスとなっているそうだ。


「聞いてよフェガト。ユースケが私の話をスルーした上に魔力の込め方教えろ何て言うのよ!私の話をスルーした上に!」


 話をスルーしたのそこまで強調す「グボブァ」ねえ聞こえてるの?俺の心の声聞こえ「ゲバォア」やっぱり「聞こえてないわ!」聞こえてんじゃねぇか!


「何が聞こえてないのかは分からんが、魔力の込め方を教えろってのは、まあ珍しくはあるが別に不思議って訳でもないぞ」


「なんでよ!魔力を込めるなんて5歳児でもしてることじゃない!」


 えっそうなの?5歳児でも魔力込めれんの?


 …なんかむっちゃ恥ずかしいんですけど…


 まあ、よく考えたらわかるよな。この世界は剣と魔法で、適正うんぬんがあるとはいえ、魔道具なんかが一家に一つはあるし、親が子供に自分の使ってる魔法を教えたりするのも一般的らしいから、魔力を込めるなんてことは3歳児でも出来るんだろうな…


「まあ、5歳位までに出来るようになるやつが殆どだろうが、逆に言うと5歳をこえるまでに教えてもらえないと、そんな馬鹿な話があるかって言って誰も教えなくなるからな…極々たまにだがいるんだよ。魔力の込め方を知らないやつがな」


「「そっそうだったんだ…」って何でユースケが知らないのよ!」


「まあ、聞くことも出来ないだろうからな…知らないのもしょうがないだろ」


 いつの間にかバカにされてるのも気付けない残念な子みたいになってしまった…やめて!可哀想な子を見るような目で見つめないで!


「まあ、魔力を込めれないって事はわかったわ」


「そっそれじゃあ」


「それでも私の話をスルーした罪は重いわ!」


 くっ…ちゃんと聞くふりをし「ゲハァ」…ちゃんと聞いておけば良かった!


「そうね…ユースケ殴っちゃったこともあるし…1時間ね!」


「えっ?」


 何か大きめの魔石を出しながら1時間ね!って言われても訳がわからない。というか1時間って俺の知ってる1時間と同じ1時間なのか?


 俺の知ってる異世界物では、同じ時間のやつとか、1時間なんだけど元の世界と比べると倍ぐらい時間が違うやつと『同じです』


 …えっ?秘書さん?どうしま『同じです』


 …えっ?秘書さんだよね?『違います』


 …いや、秘書さんですよね?『違うんです!転送時に時間と暦を伝え忘れた訳じゃないんです!』


 …それ結構重要な情報じゃな『すいませんでしたぁぁぁぁぁ『皆!秘書神が土下座し始めたぞ逃げ『ドン!』うわぁぁぁぁぁ』


そうですよね…大事な情報ですよね…『おい!誰か秘書神をなだめ『バン!』うわぁぁぁぁぁ』


それなのに伝え忘れるなんて…『野郎共!秘書神の野郎を取り押さえるぞ!『『おう!』』うお『ボン!』うわぁぁぁぁぁ』


本当に…本当にすいませんでしたぁぁぁぁぁ『撤退!総員撤退だ!秘書神を取り押さえる会の会員も秘書神の乱被害者の会の会員も逃げろ!被害予想区域から離れるんだ!』


『隊長!呼び通路一番から三番まで倒壊!使用できません!』


『くっ…危険度は増すが四番を使うしか…』


『たっ隊長!四番通路に向かった斥候部隊から連絡で、一秒に最低でも一万は爆発してるとのことです!』


『構わん突っ切れ!お前達だけでも生きて帰るんだ!』


『隊長!隊長はどうするおつもりですか!』


『俺は奴を押さえる…その隙に行くんだ!』


『たっ隊長…ご武運を!』


『総員突撃!隊長の犠牲を無駄にするな!』


『『『おう!』』』


『行くぞぉぉぉぉぉ!』


『『『おぉぉぉぉぉ!』』』


『…ふっ…柄にもねぇことしちまったな…秘書神!ここから先へは通さ『バン!』うわぁぁぁぁぁ』


つっ次こそは!次こそはちゃんとや「もういい!もういいから止めたげて!」


ゆっ優介さん…ありがとうございまぁぁぁぁぁす!『ドガァァァァァン』『『『うわぁぁぁぁぁ』』』』


 あっ念話が切れた…


 ………秘書さん完全に強化されてるじゃねぇか!感情の起伏は愚かちょっと反省した瞬間に『ドン!』って…もう神界いきたくないんですけど…


「どうしたのユースケ?私の話は全部スルーするし…何聞いてもそうだねとしか返してこないし…私の話は全部スルーするし!」


 あぁ、重要なことだから二回言ったんですね…


 やっちゃったぁぁぁぁぁ


 ストレ絶対キレてるよな…


 あんなどうでもいいこと(秘書神確保作戦)なんて放っとけば良かった!


 …くそ!どうすればいいんだ!一応話は聞いていたけど、1時間って所以外ほぼほぼ神々の絶叫か爆発音で遮られてて聞こえてないんだよ!やっぱりあんなどうでもいいこと(秘書神確保作戦)なんて放っとけば良かった!これ以上ストレがキレると俺の身が持たない!


「はぁ…最後にもう一度だけ言ってあげる」


「ありがとうございまぁぁぁぁぁす!」


 助かった!これで取り敢えず命の危険は無くなった!

 いや…まだだ!祈って、拝んで、聞いたことを直ぐに実行するまでがワンセットだ!まだ命の危険は無くなってない!


「ちょっちょっと土下座なんてしないでよ!良い?1時間よ!1時間以内に魔力を込めれるようにマスターしてきたらもう一度だけ魔法を教えてあげ「わっかりましたぁぁぁぁぁ!」この魔石の光が消えるまでって…行っちゃった…まあ、大丈夫でしょ!」




「俺…完全に空気だったんだが…一応、この宿の亭主なんだがなぁ…」


 夕日が指す中、口を挟むに挟めなかったフェガトであった…

 すいません。前回の後書きがバッサリと消えていたので、今週の回の次回予告が出来ていませんでした。


 次回の投稿はいつも通りの一週間後の6月4日予定です!


 今週の投稿からストック一切無しの自転車投稿になってますw


 次回の話も頑張って一週間で仕上げる予定ですので、是非お楽しみに!


2018年5月28日訂正:魔力を込める事が出来る年齢を3歳から5歳へ変更。

その他の文章も読みやすいように変更しています。


2018年6月1日訂正:読みやすいよう、一部文章を訂正しました。

話数が間違っていた為、プロローグ(4)からプロローグ(3)へ訂正しました。

アクステリア王国編追加に伴いプロローグをプロローグ(0)のみに変更し、この話をアクステリア王国編3話に変更しました。


2018年8月20日訂正:読みやすいよう一部文章を訂正しました。

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