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凡ミスで始まる異世界冒険記  作者: ライスパディ
アクステリア王国編
1/6

プロローグ 始まりの始まり

初執筆・初投稿・初作品です。

誤字脱字等が多いと思いますが、ご指摘お願いします。

「ここは、どこだ」


 目を覚ますと俺は何か白い空間に立っていた。

 まわりには何もなく、ただ一人、黒髪で背が高いチャラそうなお兄さんがいるだけだ。


 お兄さんが話しかけてくる様子もないので、思い出せる事を整理していこうと思う。


 まず、俺の名前は桐山優介。半分引きこもりかけているが、16歳の高校生だ。身長は大体平均ぐらいで、顔の方は「良くも悪くもないよ」と俺の高校でモテにモテている親友が言っていた。


 確か今日は、月に数度のラノベの新刊を買いに行く日であり、それに行っていたはずだ。本屋に行ってる最中に上から何か音が聞こえて…そこから先の記憶が無い。あれ?俺、あの後どうしたんだっけ?


「いやぁ、ごめんね。こっちのミスで死んじゃって」


「…は?」


 このお兄さんはいったい何を言ってるんだ?

 それにミスで死んだ…ってどう言うことだ?


「あの、死んだってどう言うことですか?それにミスって…どう言うことですか?」


 お兄さんは頭をポリポリと掻いている。


「ちょっとこっちでミスっちゃったみたいでね、君…死んじゃったみたいなんだわ」


「俺…死んだのか」


 その言葉に、俺はなぜか凄く納得していた。

 うっすらとだが、何かの爆発に巻き込まれた記憶があるし、なにより、この真っ白な空間にいるのは、俺とお兄さんのふ


「いやぁメンゴメンゴ、許してよ~。こっちも悪気があった訳じゃ無いからさ~」


「軽っ、えっ軽すぎない?俺、あんたのミスで死んだんじゃないのか?」


 しまった!とっさにあんたとか言ってしまった。しかし謝るにしてもメンゴメンゴは無いだろ、もしかして自分のミスじゃないのか?じゃあ部下のミスとかか?

 いや、それでもこれはどうかと思うが…でもまあ…うん。部下の代わりに謝りに来てるとか、そんな感じかもしれな


「いやぁ、飲みの席でね、いつもはね、ほんと真面目な子なんだよ、ホントに真面目な秘書をやってる子がね…ククッ、あの一発ギャグはダメだって…クククッ」


「完全にお前のミスじゃねえか!えっ何、つまり俺は、あんたが一発ギャグをツボらせて起こしたミスで死んだってか?…ふざけんな!」


 いやほんとふざけんなよ!『死因:飲み会でツボったことで起きたミス』とか絶対嫌だからな!


「まあまあ、怒ると寿命が縮むよ」


「いや、あんたがいうなよ!ってかもう死んでるんですけど!あんたがツボったせいで死んでるんですけど!」


 あっ目をそらした、確信犯じゃねえかこのお兄さ…こいつ!


「あっあはは、面白いジョークだね。やっぱり人生楽しく生きなきゃ損だよね」


「あはは~、もう死んでるんですけどね~、あなたがツボったせいで人生終ってるんですけどね~」


 あはは~、このお兄さん自分で墓穴掘ってその中にダイブしていった~、あはは~、オモシローイ

 あっまた目をそらした、もう犯人確定じゃねぇか!


「そこで君には2つ選択肢がある」


「唐突!?」

 ホントに唐突だ…っていうかこいつまさか…


「お前、自分の立場が危ういからって、わざと話をそらしたんじゃないよな?」


「そっそんなことはなっ…とにかく!二つの選択肢の説明をするぞ」


 わかりやす!…ってことはやっぱり責任追求が怖いんじゃねぇか!


「じゃっじゃあ、まずは一つ目の選択肢から」


 うん!動揺が隠しきれてないな!こいつはやはり有罪(ギルティ)か…


「やっぱりわざと話をそ」


「一つめは『ついた瞬間に「なんか違う!」』ってなる世界、そして二つ目が『何もかもが「ああ、普通だ」』と思える世界だ。さあ、どうするかい?」


 食い気味で遮りやがった…っていうかなにこの2択。「なんか違う」対「ああ、普通だ」ってどう言うことだよ!…っていうか…


「あの、元の世界への復活は?」


「無いよ」


「…はぁ?」


 はい?どう言うことだ?他の世界に復活出来るのなら、元の世界にだって復活出来るんじゃないか?


「元の世界に復活は出来ないのか?」


「だからそんな選択肢は無いって」


 そうか…あくまでもしらばっくれるか…じゃあこっちも、少し『独り言』を言わせてもらおう。


「飲み会」


「…そんな選択肢はな」


「ツボにはいってミス」


「……だから~そんな選択肢」


「そのせいで人が一人死」


「はい私が悪かったです本当に申し訳ございませんでした」


 その日、俺は今まで見たこともない位にダイナミックな土下座を見た。



~15分後~


「………それじゃあ、理解してくれた?」


「ああ、なんとなくな」


 あのあと俺は土下座のまま、なぜ復活出来ないのかを必死に、それはもう必死に説明されたので若干…いやかなり引いている。

 何が悲しくて男二人の空間で土下座のまま説明されなきゃいけないんだ!ちくしょう!


 まあ、それは置いといて、何で復活出来ないのか、奴の説明によると『その世界のあり方の違い』らしい。

 まあ、つまるところ、死者蘇生ができる世界か、できない世界かってことらしい。

 もちろんだが、俺のもといた世界には死者蘇生なんて言うものは存在しない。


 ついでに、一つ気になったことも聞いておこう。


「そういえば、お前は何者なんだ?」


 そう。こいつはこの白い空間で目覚めたときから、俺の目の前にいた。

 仮に俺が死んでいるとして、目覚めたときから目の前にいるこいつはいったい何者なんだ?


 そして、この質問に対し、奴は目一杯溜めて、カッコつけながら、その返答を発した。


「…私は神だ!」


 そして―――




 ―――場の空気が凍りついた。


「うわぁ~」


「やめて!そんなかわいそうなものを見るような目で私を見ないで!ホントだから!ホントに私、神だから!」


 ああこれは、自覚症状が無いやつだな、一応フォローしておこう。可愛そうに。


「うんうん、人には誰にも、そういう時期があるもんだ。ほら、小さい頃、戦隊もののヒーローの真似とかしたろ…だから、卒業したら言ってくれ…お前の前で今の写真をばらまいてやるから」


「酷っ!完全に傷をえぐりに来てるじゃん!っていうか違うから!本当に神様だから!」


「わかってる、わかってる…だから、卒業したら教えてくれよ」


「この人全然わかってないんですけど!完全に勘違いしてるんですけど!」


「そんなに言わなくてもわかってるから…安心しろって」


「あぁ、いい笑顔…じゃなくて!わかってないから!むしろその笑顔は不安になるから!」


「大丈夫!理解していないのはお前の脳みそだ!卒業した暁にはしっかりと今の動画を見せてやるからな。今はわからないかも知れないが、そのときになったらしっかりとわかるから安心してくれ」


「いや、わかってないのは君ぃ!お願い、お願いだから話を聞いて!」


「大丈夫!いつかきっとわかるさ!」


「あぁ、何かをものすごく諦めた顔してるぅ…お願いだから話を聞いてぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・」


 そうして自称神の叫びは、虚しく白色の世界へと消えていくのであった。




「………という訳であの方は本当に神様なんですよ」


 俺は今、俺が死ぬ原因となった一人、自称か…神の秘書と話をしている。


 唐突に現れた扉から入ってきた自称か…神の秘書は、黒髪で長髪、背は中二びょ…神より少し低い位で、眼鏡をかけて片手には手帳…うん。これぞ秘書って感じだな!


 そんな秘書さんの話によると、自称神は中二な人ではなく、本当の神様らしい。

 ついでにいうと、秘書さんや、秘書さんが来た辺りから扉の向こうに居る野次馬達も神様とのことだ。


 だけどいちいち秘書の神様とか呼ぶのもめんどくさいので、俺はこのまま秘書さんと呼ぶことにしようと思う。


 そしてやはりというか、俺が死んだ原因も、奴が笑いすぎてコップを下界に落としたせいのようだ。


 なんでも俺が死んだ場所には、数キロに渡ってクレーターが出来ているとか。

 俺以外に中二神のミスに巻き込まれた人がいないのは幸か不幸か…まあ、幸運なんだろうな。


 そして、俺は再びあの質問をされることとなった。


「さて、改めて問おう。桐山優介君、君には2つの選択肢がある。君は、どちらを選ぶのかい」


 とりあえず一回も自己紹介をしていないのに名前を知っている辺りを問い詰めたい気分で一杯だが、選択肢のおさらいをしておこうと思う。


 さっき神が言った2つの選択肢は「なんか違う」世界か「ああ、普通」な世界の2択だ。なんともいまいちな選択肢だが、これから俺が生きていく世界だ、慎重に選ばないといけないな。


「よし!決めた」


「そうか、じゃあどちらにするか教えてくれ!」


 俺は、悩みに悩んだ答えを神に言った


「俺は…普通な世界へ行く!」


「そうか、じゃあどちらにするか教えてくれ!」


「・・・」


「・・・」


 …よし、次は早口でいこうか。喋る言葉も『俺は普通な世界へ行く』じゃ長いな…よし、これでいこう。


「普通な世界へ」


「そふっ…」


「・・・」


「・・・」


「ふっ、じゃあ普通な世界へ送ってくれ」


 俺の企み通り、喋るのを待っていた神は釣られて早口になり、見事に噛んだ。


 物凄く悔しそうな顔で睨んでくるので、物凄くいい笑顔で返しておこう。それはもう、いい笑顔で。


 そうして、俺がいい笑顔をしていると、隣の秘書さんが物凄く微妙な顔をしている。


 と言うか神が「どちらを選ぶのかい?」って言った辺りからずっとこの顔なのだが、どうしたのだろうか?


「…凄く悪い顔をされてますね」


 あはは~。こんなに良い顔をしてるっていうのに秘書さんたら酷いな~、大切なことなのでもう一度言おう。こんなにもいい笑顔なのに!


「はぁ…ちゃんとした説明をしないとですね」


 秘書さんが今度は物凄く疲れた顔で話しかけて来た。


 ちゃんとした説明?ってどう言うことだ?宴会でコップ落として俺を殺すようなやつでも、流石にここで説明ミスって事は無いと思うんだが…


「えっとですね、とりあえずなんですけど………」


 困惑していた俺に、秘書さんはあることを教えてくれた。その内容は簡単『神が苦し紛れに嘘をついた。そんな世界は存在しない』って事だ。よし、あいつやっぱり殺ろう!


「…やっぱり、悪い顔ですね」


 ははっ秘書さんたら冗談きついぜ…こんなにもいい笑顔だってのに!さあ~って(獲物)はどこかな?


 10分後、そこにはボコボコにされ、倒れている神がいた。


 俺の悩んだ時間と労力を考えればもっとボコボコにしておきたかったのだが、神が気絶したと同時に物凄い歓声が起こり、野次ってた神達が一斉に満面の笑みでサムズアップしたため、ボコボコにするのはそこで終わっておくことにした。


 その後、なぜか一瞬で傷を回復させて復活した神を交え、様々な脅し…もとい交渉(脅し)を行った俺は、満を持して異世界へと旅立つ事となった。

 ストックがある限り週に一度のペースで投稿予定です。


 初作品なので、変な言い回しや、誤字脱字等が多いと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。


 これから宜しくお願いします!


 2018年6月1日訂正:読みやすいよう、一部文章を訂正しました。

 アクステリア王国編追加に伴いプロローグを1話のみにに変更しました。


 2018年8月20日訂正:読みづらい文章を一部修正しました。

 それに伴い、一部文章が変更されていますが、話の流れ等は変わっていません。


 2019年1月28日訂正:読みやすいよう文章を一部修正しました。

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