~ムクから、トワへ~
トワとの約束を果たさず、私は、結婚しませんでした。いえ、約束は、守っています。だって今、私はとても、幸せなのですから。
山へ捨てられてくるお年寄りの中に、昔、学校で見かけた人が、ちらほら混じるようになりました。みんなは、私がムクだと、気づいていないようだけれど、私はわかります。あの時の、あの人。でも、もういいのです。ミサさんも、トシ君も、みんなみんな、ピンク色。さっき、みんなで手遊びをしました。小学校で流行っていた遊び。私は、一度も仲間に入れてもらえなかった、それ。
それが、今なら、一緒にやれます。皺くちゃになった手を、ぎゅ、ぎゅっと握り合い、手を合わせて、ポンと、音を立てます。一緒に歌って、一緒に笑います。
私は、とっても嬉しい。そして、みんなもここに来れて、ホントに良かった!もう、私達は、仲間です。
こうして、私は昔得られなかった子供時代を、やり直しています。
トワ、あなたの偉業のお陰で、私は幸せに暮らしていますよ。
下の生活も、穏やかになっていきました。いざこざは、まだまだありますが、あの大静粛を踏まえて、少しは社会全体、変わっていったのだと思います。
それでも時々、昔の私のように、下で生まれてしまって、上手くいかない子供達、自分の心の素晴らしさを表現できずに、衰弱してしまう子供達を、山へ呼びます。
でもね、ここで生まれた子供達は、みんな<ここの子>です。心を読むことが出来なくとも、相手を大切にしたい気持ちがあれば、いいのです。相手の仕草、反応をちゃんと見ていれば、どうして欲しいかなんて、すぐわかります。そりゃあ、みんなのように、遠く離れていても気付くなんてことは、出来ません。でもね、たとえ遠くに離れていても、心配してあげることは、出来ます。それで、いいのです。
その気持ちは、私達が受け取ります。
トワ、あなたの髪にも、白いものが混じりだしましたよ。トワの瞳に、見つめられる日が、「きっと、来る」って、伸びて来る爪を切りながら、思っています。「痛い」って、今、この瞬間に、
そしたら、二人で何色に髪を染めましょうか?トワは、ミントグリーンがいいかしら。そしたら、チョコミントになりますね。私は、イチゴ色、チョコがほんの少しの、ストロベリーアイス。
トワ、あなたが望んだように、
私は、幸せに、ムクのまま、暮らしています。
~山には、魔物が住んでいる。
ゲートから上には、決して昇ってはならない。
魔物の逆鱗に触れれば、
私達の世界は、終わる。
魔物は、
山の上から、我々の世界を眺め、
破滅させる機会を、口実を狙っている。
だから、
貢物が、必要。
ただ、嬉しいことに、
無駄な人間で、よい。
血が、入っていれば、
それでいい。
役に立たなくなった、世話のかかる、
年寄りを山に捨てれば、
済む~
なんとか、完結に持ってこれました。読んで頂いた方々、ほんとに、ありがとうございました。感謝しております。
これを執筆中にも、色々嫌な事件が起きました。感じることは、きっと誰でも出来ると思います。ただ、切ってしまっている人が、多過ぎる。関心がないってことなのかな?
後、一人で死ぬのが、怖いって、寂しいって、仲間をって、お年寄り、ほとんど一人で亡くなります。無理しないで、そこまで待てないかな~なんて。でも、確かに、酷い言われようとか、ありますよね……
少し、お休みして、又、書いていきたいと思います。その節は、よろしくお願いいたします。又、しばらくは、二作の見直しも、進めていきたいと思っています。楽しい日々を、ありがとうございました。




