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【詩集】Shangri-La

春風

作者: 野鶴善明


 なにもない午後

 ごろりと畳に寝そべって

 開け放った窓から

 あの日と同じ春の風


 貴女のすべてに

 ため息をつきたかった

 跪きたいくらい

 愛していた



 白いうなじに照り映える

 やわらかな午後の陽射し

 長い髪にからませる

 桜まじりの春の風


 貴女のすべてを

 抱きしめていたかった

 たとえ傷つけても

 放したくはなかった



 黒縁のだてメガネ

 ほお紅をつけた貴女は

 やさしくはにかんで

 僕の肩にひっそりもたれた


 貴女のすべてに

 ため息をつきたかった

 跪きたいくらい

 愛していた



  ふたりで過ごした時は

  ゆったり流れ

  まるでそのまま

  眠りにつくよう

  遠ざかれば

  遠ざかるほど

  美しく萌えるのは

  なぜ



 なにもない午後

 ごろりと畳に寝そべって

 開け放った窓から

 おもかげ色の春の風



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