元宮廷魔術師長フェーゼ
特訓開始
結局…俺は生きる術を彼女から学ぶ事にした。元の世界に帰れないともなれば彼女の教えを受けたほうがいい…
あの後でわかった事だが、彼女…フェーゼはクラン帝国という国の宮廷魔術師長をやっていたそうだ…
宮廷の権力争いに嫌気がさして国を飛び出しこの辺境で暮らしていたそうだ…
「君にはわしの下で魔術、闘気術、使役術、剣術を覚えてもらう。君の世界には仮想空間で戦うゲームとよばれる物があったそうだな。それならば体得にさほど時間かからんはずだ。」
「ホントかよ…!?」
「本当だぞっ。この世界で術による戦闘技術習得法は、大まかにわけて2つある…。一つは既存する術を体得する事、もう一つはイメージによる術の体得だ…。」
「イメージ…?」
既存する術の体得というのはなんとなくわかるが…イメージって…
「うむ…イメージによる術は術者の術のイメージが鮮明であればあるほど発動の確率が高くなる…。」
「じゃあ簡単に習得できるんじゃあ…」
「ところがそう簡単にいかないんだよ。君が獲物を捕らえてその獲物を丸焼きにして食べたいと過程しよう(なんちゅう例えだ…)君が丸焼きして食べたい考えて最初になにをイメージする…?」
「獲物を丸焼きできる状態にしてから火をくべますね。」
「じゃあ、あつめた枝や薪に火を点けるにはどうすればいい…?」「どうすればいいって…そりゃあ……あ、そうかっ!!」
「そう…誰もが獲物を丸焼きにするまでの過程はイメージできる…しかし…火だけはそうはいかない…この世界で手や杖から火を放射するというイメージがどうしてもわかないからだ…。なぜなら魔術には魔法陣とよばれる陣をしいて発動させるのが一般的だからだ…だから異世界人である君には既存の魔術を覚えてもらうが特にイメージ魔術のほうを重点的に覚えてもらう。異世界人である君にはそのイメージが簡単に出来るはずだ。なにしろ仮想空間で戦ったいう実績がある。」
なる程…暇つぶしにやっていたゲームがこんな事に役立つとはな…
「剣術や闘気術に関しては実施で覚えてもらう。この2つは時間が多少かかるから地道にやってもらう…最後の使役術には使役用魔術を授けてからモンスターを倒してもらう。」
「使役用の魔術?」
「モンスターを使役するにはモンスターに自身の魔術紋様を貼り付ける必要がある。貼り付けた後そのモンスター倒せばモンスターを使役出来るというわけだ。」
なる程…
「モンスターを倒したからといって使役出来るとは限らん。」
「なぜ?」
「魔術紋様の効果は自分より弱いモンスターでないと効果が発揮しないからだ…。どのモンスター使役するかでその者の強さ…一種のパラメーターになる訳だ。術者同士戦いではこれを使って無益な戦いを避ける…または自らの強さを誇示するために使う。」
「じゃあ師匠はなにを使役してるんですか? 」
「師匠…?なんだその言葉は…」
「俺の世界で先生という意味です。教えをこう者によく使われますね。」
「好きに呼べばいい…それよりどんなモンスターを使役してるかだったな…みたいのか?」
「見たいっ!!」
即答だったっ!モンスターを使役するなんて男のロマンだっ!師匠がどんなモンスターを使役しているか見てみたいっ!!
「急に顔をキラキラさせおって…君も男の子だな…みせてやろう…。」
そういった後師匠は全身に光が帯びはじめた…そうか…あれが魔力か…
「我の呼びかけに応えよ!!我の使役獣【ワイバーン】…フレイよ!!!」
その直後…辺りで薄暗いなり始め天が裂け…裂け目から光がさしこみ、そこから翼のついたトカゲがでてきた…マジでゲームに出て来るワイバーンそのものだった…
《キシャオオオォォーン》…ワイバーンが叫んだら大気が震えた…すげぇ…俺は感動のあまり言葉を失った…
ワイバーンが師匠横まで近づき…そして着地した…《ズズウウゥゥーン》
《我を呼んだか…我が主フェーゼよ》
「久しぶりだな…フレイ今日呼んだのは他でもない。教え子がフレイ…お前をぜひ見たいと言うから呼んだのだ。」
《主が教え子…!?信じられんな…あれだけ人に教えるのを拒んでいた主が…》
「目の前にいるだろう…こいつは特別だ…時政…挨拶しろ。」
「あ…はいっ!!フェーゼ師匠の弟子…姫島時政ですっ!弟子になったばかりの未熟者ですがこれからよろしくお願いしますっ!!」
「まったく…急に敬語を使い始めよって…そんなに感動したか…。」
師匠が呆れた様子で言ってきた…
「もちろんですっ!!モンスターを使役するなんて男のロマンですっ!!!」
「感動していられるのも今のうちだ…地獄の特訓…泣き言も言えないスペシャルメニューでお前に叩き込んでやる…覚悟しておくように…!!」
……少し早まったかもしれない…
ワイバーンを見たと時感動したな…
俺もモンスターを早く使役したいな…
(主人公が少し幼児退行してますねすいません…)