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第11話 デスクッキングは腸内細菌も例外ではない

 突然! てめぇも晩御飯!!



「つーわけで料理やる羽目になったアリアス・ヴェルキリー、魔王令嬢十二歳だぜ~」

「と、何も聞かされず強制連行されてきた、元四天王のカリュオスです。たすけて」

「今日は国王たんが『アリアスたんの手料理食べたぁ~い♡』ってことで、魔王直伝の飯作ってやるぜー。ひれ伏せー?」

「この国の王様。私はお嬢に聖剣を突き付けられています。自由意志はありません」

「ちな、アタシ達の姿は魔王(おやじ)開発の【配信魔法】で中継してんぜ~。知りたいヤツは特許料払ったら教えてやる!」

「皆さんは間違ってもこれで不倫現場を旦那さんに見せつけないように」

「第一被害者はアタシの魔王(おやじ)なッ!」



 ◆



 じゃ、早速今日の料理

『魔王の愛情たっぷり♡ 魔族風ポトフ~サイタマへの郷愁を込めて~』

 を作ってくぞ~ぅ。


 材料は下に書いとくぜ。



【材料】

 ・竜こま切れ肉(またはオーク肉):150〜200グラム

 ・馬鈴薯:3個

 ・玉ねぎ:1個

 ・紅マンドラゴラ:1/2本

 ・エルフの髪っぽい白い糸?(あれば):1/2袋

 ・スライム油:小さじ1


【調味料】

 ・水:200ミリリットル

 ・甘い白い粉:大さじ2

 ・黒いしょっぺぇ水:大さじ3

 ・側近の隠してた甘ぇ酒:大さじ2

 ・魔女ん家からパクった酒:大さじ2



 用意できたら、料理してくれる人間かゴブリン攫って来いよ~。


「お嬢、それ意味ないです」


 カリュおじはスルーして、始めてくぜい!



【てめぇで下ごしらえ】


 馬鈴薯はゴブリンの目玉サイズに切って水に沈める。

 玉ねぎはドラゴンの鱗状、紅マンドラゴラはサキュバス姐のイヤリングっぽく切る。

 エルフの髪っぽい白い糸(シラタキ?)ってのは一回茹でてから切る。



「サイズ感のわからない方は『一口大』と覚えれば大丈夫です」

「魔族見たことぐらいあんだろぉん?」

「普通、魔族見た人間は殺されてますよ」



【炒めろ!】


 鍋は一般家庭にあるオリハルコン製のモンで!


「それ普及する技術あったら魔王軍瞬殺でしたよ」


 なけりゃステンレスでも!


「だからありません。鉄鍋で十分です」



 よく燃えるスライム油ひいて肉炒めて、色変わったら野菜も全部ぶち込めェ!!


「お肉は家畜化した竜かオーク、またはギルドが卸した天然ものがオススメです」

「みーんなのためにアタシら魔王軍で家畜化しときましたーん♪」

「魔王様が最初から『オーク族家畜化計劃』を企ててたのゾッとしました」

「二足歩行オークはとっくに絶滅してるぜぃ!!」



【煮るぞゴルァ!!】


 水と調味料も鍋入れたら、リザードマンが吹けるぐれぇの火で煮てけ。

 焚き火は知らん!


「ちなみにお嬢は神竜級のブレスで厨房ごと焦土にした前科ありです」

「えへっ」

「ブレス吐いたのもお嬢です。魔王様ドン引いてました」


 料理人も何人か焼いちった気がすっけど、気にしねーのがアリアスちゃん流だッ!



【弱火で20分ぐれぇっつってんだろ!!】


 馬鈴薯がやわくなったら、エルフの髪っぽい白い糸も入れて5分追加で煮ろよな!


「コニャック? コダック?」

「コンニャクです」

「ケッコーな犠牲出して魔王領で開発してたよなー」

「魔王様はよく『我の地元にはあったから! 毒魚食える方法も見つけてたから!』とおっしゃってましたね」

魔王(おやじ)がうろ覚えだったせいで雑兵ゴブリンかなり死んだよなぁ」

「魔王様の故郷でも似たような歴史があったのでしょうか?」

「所沢こえぇ~。場所知らんけど」



【仕上げェェェェェェェフォォォォォォォォォォォ!!】


 火ィ止めて10分置くと味染みて美味くなるぜ。


「待ってる間に雑談コーナー! カリュおじってなんで『竜喰らい』って異名なんだ?」

「低級竜はともかく、獰猛な飛竜や知性持ちのドラゴンを魔王軍に入れたのが私だったもので」

「足抜けするまでは騎竜兵団長もしてたしなー」

「懐かしいですねぇ。彼らと飛んだ空が少し恋しいです」

「けど『喰らった』ってよか『食った』だろ?」

「……」

「ドラゴンが馬車に発情するようになったンも、カリュおじが色々仕込んで――」

「さあそろそろお鍋の状態はどうでしょー?」

「種植える畑が違い過ぎてドラゴン少子化したよな」

「増え過ぎて人類側に渡したくなかっただけですー! 決して変な趣向などありませんよー?」



【完成ブルァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!】


 ぱんぱかぱーん。


「これで魔王軍名物の魔族風ポトフ、完成だぜぃ!」

「魔王様曰く、ご出身のトコロザワでは『肉じゃが』と言われてたとか」

「『じゃが』ってなんだろな?」

「蛇蛾でしょうか、邪牙でしょうか……?」



 これで作り方講座は終わりっっっっ!!!!


 人間の家でも簡単に作れる。おめーらも一回試しに作ってみろよな! 



「で、完成したのを食べたヤツがこちら……と」



 床でうずくまる勇者も配信魔法で映してやった。



「腹、いだい、ぎもぢわるい……」

「おかしいですね? 人間が食べても問題ない料理の筈ですが」

「勇者の分はスライム油用意すんのダルかったから、バラムツ油で代用した!」

「……二度と料理しないでくれる?」



 勇者、半ギレ。魔王(おやじ)以上にコイツの殺気ゲットだぜ!


 便秘対策にはちょうど良いみたいダナ☆



 ※余った肉じゃが(バラムツ含)はカリュおじに食わせた!

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