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満月の夜と吸血鬼城の秘密

1. 闇に包まれた吸血鬼の星へ降り立つエイトくん

エイトくんの宇宙船は、不気味な霧が立ちこめる惑星に着陸しました。

見上げると、巨大な満月が不気味な光を放ち、黒い城が丘の上にそびえ立っています。


「うわぁ…ここ、なんだか怖い雰囲気の星だな…!」


町を歩くと、人々は家の扉をしっかり閉め、窓から不安そうに外を見ています。

やがて、一人の老婆がエイトくんに声をかけました。


「旅の方よ、早く隠れなさい。もうすぐ満月が昇る…」


「満月?何か起こるの?」


老婆は震える声で答えました。


「この星には、ヴラド伯爵 という恐ろしい吸血鬼が住んでおるのじゃ…!」


2. 吸血鬼城への潜入とヴラド伯爵

エイトくんは怖がるどころか、好奇心で目を輝かせました。

「吸血鬼!? すごい!本物のヴァンパイアに会ってみたい!」


老婆は驚きましたが、エイトくんの強い意志を感じると、小さな銀の十字架を渡してくれました。

「これを持っていきなさい。きっとおぬしを守ってくれる…」


エイトくんはお礼を言い、城へと向かいました。

城の門はギィィ…と不気味な音を立てて開きます。


中に入ると、長い赤い絨毯が敷かれた廊下、燭台のゆれる炎、壁にかかる肖像画の目がエイトくんを追っているような気がします。


「こ、これはさすがに怖いな…」


しかし、彼が大広間へ足を踏み入れた瞬間——


「ようこそ、好奇心旺盛な旅人よ…」


天井から黒いマントをはためかせ、一人の男が舞い降りました。


それが、吸血鬼 ヴラド伯爵 でした!


「貴様、わざわざ我が城に足を踏み入れるとは…勇敢なのか、それとも愚か者か?」


エイトくんは堂々と答えました。

「僕はエイト!この星の人たちが怖がってるけど、本当に悪い吸血鬼なのか確かめに来たんだ!」


ヴラド伯爵はニヤリと笑いました。


「ほう…ならば試してみるがいい。我が試練を乗り越えられたら、話を聞いてやろう。」


3. ヴァンパイアの試練と決闘

ヴラド伯爵は手をかざすと、無数のコウモリが渦巻き、広間は闇に包まれました。

次の瞬間、伯爵はエイトくんの背後に現れ、鋭い牙を光らせながら言いました。


「速さと知恵がなければ、我が獲物となるぞ…!」


エイトくんは瞬時に判断し、老婆からもらった銀の十字架を取り出しました!


「これならどう!?」


ヴラド伯爵は一瞬たじろぎましたが、すぐに笑いました。

「ククク…そう簡単にはいかぬ。」


彼は影のように消えたり現れたりしながら、エイトくんを試すように攻撃を仕掛けます。

しかし、エイトくんはすばやく動き、城の中にあった大きな鏡を利用しました!


「これでどうだ!」


鏡の前に立つと、そこにはエイトくんだけが映り、ヴラド伯爵の姿はありません!


「お前の正体が映らないってことは、やっぱり本物の吸血鬼なんだね!」


伯爵は驚き、やがて低い声で笑いました。


「フフ…実に面白い。ここまで私の動きを読んで戦った者は久しい…」


4. 予想外の真実と別れ

ヴラド伯爵はふと、寂しそうな表情を見せました。


「この星の人々は、私を恐れている。しかし、私はただ…一人でいるのが寂しかっただけなのだ。」


エイトくんは目を丸くしました。

「えっ、じゃあ星の人たちを襲ってたわけじゃないの?」


伯爵はゆっくりとうなずきました。


「私は長い年月を生きるうちに、人々が私を恐れるようになった。それからは、誰も私に近づかなくなったのだ。」


エイトくんは考えました。


「だったら、みんなと仲良くなればいいんじゃない?」


ヴラド伯爵は驚きました。

「そんなことが…できるのか?」


エイトくんは笑いました。


「できるよ!だって、僕と戦ってくれたし、ちゃんと話もしてくれたでしょ?」


こうしてエイトくんはヴラド伯爵と町の人々の誤解を解き、彼が本当は孤独な存在だったことを伝えました。


町の人々は最初は警戒していましたが、エイトくんが伯爵と並んで笑っている姿を見て、次第に安心していきました。


「この星に…平和をもたらしたのは、おぬしが初めてだな。」


ヴラド伯爵はエイトくんに感謝し、黒いマントを翻しながら言いました。


「次に会う時は、私がこの星の人々と共に生きているか、確かめに来るがよい。」


エイトくんはにっこり笑い、宇宙船に乗り込みました。


「約束だよ、ヴラド伯爵!」


そして、満月の光を浴びながら、エイトくんの宇宙船は星空へと飛び立っていきました。

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