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遠野  作者: 雨世界
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20

 天の川流星群を待っている間、みんなは朝見先生が持ってきてくれたポットの中に入ったホットコーヒーを飲みながら、草原の中でそれぞれに休息をした。

 天体望遠鏡のところには森川くんと東山くんと、それから瞳がいて、三人は今か今かと本格的に天の川流星群が流れるのを待ちわびている様子だった。

 そんな三人から少し離れたところで、愛は朝見先生となにかの会話をしていた。

 おそらくそれは愛の気遣いだった。

 愛は、この日に雨が水瀬くんに告白しようとしていることを知っていた。

 だから、雨のために(つまり、雨が水瀬くんと二人だけになれるように)、朝見先生と会話をしてくれているのだと雨は理解した。

 愛の行動に背中を押されるようにして、雨は一人で星を見ている水瀬くんのところまで移動した。

 この日は、朝見先生以外、みんな中学校の黒色の制服を着ていて、雨は制服の上に薄手のピンク色のコートを着ていた。

 水瀬くんは黒の制服姿のままだった。

 水瀬くんは自分の隣にやってきた雨にもちろん気がついたのだけど、二人はお互いに目を合わせてから、しばらくの間、会話はしないで、そのまま二人で一緒に夜空に広がる満天の星々を見つめていた。

 それから少しして、水瀬くんは視線を下げて雨を見つめた。

 雨も同じように、水瀬くんの顔を見つめた。

 それは普段なら緊張してしまって、絶対にできないことだった。

 でも、今はできた。

 それは、雨が勇気を振り絞って、覚悟を決めていたからなのかもしれないし、もしかしたら、夜空に輝く星たちが、雨に勇気をくれたのかも、しれなかった。

 とにかく、雨はなんだかすごく気持ちが落ち着いていた。

 自分が少しだけ、大人になれたような気がした。

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