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遠野  作者: 雨世界
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 朝見先生の車は中型のワゴン車だった。(車内はすごく清潔で、綺麗に整頓されていた)

 雨が車の後部座席に乗り込むと、そこには今日の天体観測に参加するメンバーが全員揃っていた。

 言い出しっぺの瞳に、愛。それから天文部員の森川くんに東山くん。

 そして、水瀬守くん。

 朝見先生のワゴン車は七人乗りの車で、運転席に朝美先生。助手席に天文部部長の森川くん。

 その後ろの席に東山くんと水瀬守くん。

 そして、最後尾の席に瞳と愛と、それから最後にやってきた雨が乗り込んだ。

 すると人と荷物で、朝見先生の車の中はひどくぎゅうぎゅう詰めになった。

「先生! ちょっと狭くないですか? もっと大きな車で行きましょうよ?」

 と、瞳が後ろから朝見先生に文句を言った。

「車出してあげるだけでも、贅沢でしょ? 辻野さん、そういう文句言わない」

 にっこりと笑いながらミラー越しに朝見先生が言う。

「先生。じゃあ、早速出発しましょう。天気もいいし、風もあまりない。すごく星が綺麗に見える、最高のロケーションになると思いますよ」

 星空と地図を交互に見ながら、森川くんが言う。

「よし。じゃあ行きますか」

 朝見先生はそう言って車を出発させる。

 雨はその間、瞳と隣にいる愛に目で挨拶をして、それから雨の前の席に座っている水瀬くんの後ろ姿を見た。

 すると、水瀬くんはその雨の視線を感じたのか、軽く後ろを振り返って「こんばんは、遠野さん」と雨に言った。

「こんばんは。いい夜だね」

 少しだけどきっとしたけど、雨は水瀬くんに、そんな風にして自然と言葉を返すことができた。

 それから雨は、背もたれに寄りかかるようにして、愛を見た。

 愛は頬づえをついて、ぼんやりと車の前にある、なにもない薄暗い空間をメガネのレンズ越しに見つめていた。愛は雨の視線には、気がついていないようだった。

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