16・5-33 私の天使と異質な空間 (マァサ side)
本日もお目汚し 失礼致しますすすー(´・ω・`)
何か 異様な存在感を放つ村だった。
ボロボロに崩れた廃屋が点在するだけの
侘しく 朽ちただけの廃村なのに
なぜかそこから 力のようなものを感じる。
廃村に辿り着いた時から 私達は二つのタイプに分かれた。
一つは 廃村から何も感じ取れないグループ。
詳しく調べると 魔力が少なく平民出身が多かった。
もう一つは 異様な圧力を感じるグループ。
魔力の多い私達と 貴族出身の護衛達が多かった。
貴族出身者は魔力が多い為 その力を身体強化に使える。
それを利用して 護衛や騎士職に就く者が多かった。
護衛のルイは そこに含まれている。
戦闘職ではなく 違和感も感じない侍従達は
荷馬車番として その場に留まらせ
魔力の高い者達は 異様な圧力がかかる中
廃村の中を進み 朽ちた教会に向かう事にした。
ミーナは 異様さを感じ取れないグループだったが
教会へ向かう事が目的なので 共に向かう事にした。
もちろん 本人の希望である。
エルヴァラ様には 公爵様が残るよう言葉にしたが
エルヴァラ様は 主張を曲げなかった。
「どんな事でも経験です お父様!
私はここにくるまでに
殆どの事が 一人で出来るようになりました。
凄い成長です!
只今 私は伸び盛りで
途轍もない伸び代を 自分に感じています!
お父様についていっても 邪魔はしません!
悪者と出会った時は隠れています。
それに私は魔力も豊富ですし
何かお役に立つかもしれません!」
荷馬車の潜伏が見つかった あの時を思い出す。
じっとエルヴァラ様を見つめ 黙っていた公爵様から
また冷気のような魔力が漏れ出したところで
「バーシル公爵 オレが絶対に護るのでお願いします。」
エルヴァラ様を庇うように前に立ち
真っ直ぐな眼で 自分と向き合うレイル様を見て
公爵様は 小さく息を吐き
「レイル エルヴァラを頼む。 護ってやってくれ。」
と レイル様に声をかけられた。
もちろんです、と答えたレイル様は
エルヴァラ様の隣に付いた。
私は レイル様が居るなら安心だと思う気持ちと
エルヴァラ様が行く事で
危険に巻き込まれる可能性が ゼロではないと感じてしまい
緊張で身を固くした。
それでも止めなかったのは 何かあった時
身を挺してエルヴァラ様を護ろうと 覚悟を決めたから。
前向きなエルヴァラ様の魅力を 奪いたくはなかった。
荒れた景色の中を 用心深く進んでいる私達に
レイル様が
「誰かに見られている」と 注意を促し
ルイを含めた護衛達は
視線の主を探すために散らばった。
かなりの時間を使い 廃屋の中や裏
崩れた瓦礫の中まで確認したが
視線の主を見つける事は 出来なかった。
それにより 一気に緊張が高まった。
誰も レイル様の能力を疑ってはいないからだ。
何かの視線を感じる。
廃村の隅々まで調べたが そこに視線の主は居ない。
ならば これから行く教会に何者かが居るのだ。
得体の知れない力と共に。
荷馬車で感じていたプレッシャーが 軽いものだったと
今ではわかる。
レイル様が視線に気付き 護衛達が動いた事で
こちらに向かってくる異様な圧力が 強くなったのだ。
教会に近づくにつれ 肌で恐怖を感じるのか
ピリピリと刺すようなプレッシャーを感じ
涼しい季節にも関わらず 妙な汗が吹き出し
それが冷や汗だと 一人一人が理解していた。
その中で レイル様は「おかしい…」と呟き
今まで見たことの無い 険しい表情になっていた。
廃村に入る前の エルヴァラ様を護りきるという
自信のある表情は消えていた。
そしてわかるのは…
危険を感じたとしても
元の場所に 戻れなくなったという事だった。
お読みいただき
ありがとうございましたたちつてと(´・ω・`)♡なにぬねの
(あのーこれって
皆さんに楽しんでいただけてるのでしょうか?
正直 自分に自信がなければ 自信もなくて
やっぱり自信がないまま〜なのです(´・ω・`)しょぼん