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16・5-24 私の天使と罪 (マァサ side)

本日も お目汚し失礼いたしますすすー(´・ω・`)












(うつろ)な眼をしたミーナを抱えたまま 彼女に聞く。







「ねぇミーナ 





貴女の弟達は 助けられないの?」








この言葉に ミーナの眼が見開く。







(ろう)の外からも 緊張した空気が伝わってくる。









「…貴女(あなた)がそれを言うの?」









意識を失いかけていたミーナの身体に力が入り




拒絶するように ()う形で私から離れていく。






どこかを痛めている動きだった。










「これ以上 私を… (みじ)めにする気?






伯爵邸から引きずるように連れ出した男達には 殺されかけ






ボンバの契約は偽物だと 貴女に指摘(してき)され






牢の中からは 弟達の居た場所にも向かえず






家族の元に逝こうと自死したくても それすら叶わず







最後はなに? 




何も出来ない私を 嘲笑(あざわら)ってるの?




それとも 情けをかけられてるの?







罪滅ぼしとは言わないけど 死ぬ前に 




持っていた情報は渡したわ。







夫人を助けたからと言って まさか罪が無くなるの?





それとも今更 同情とか?  …はっ!」










ミーナは怒りのためか (かす)れた声で(まく)し立て





最後は声を 荒げる。










聞いていて やっぱりそうなのかと頭の中で納得した。






どこかで私達への申し訳なさがあって




悩みながらも 情報を渡してくれたのだろう。










距離を取ったミーナは顔を(ゆが)ませ 私を(にら)んでくる。





その強い視線を受けながら









「情報を渡す事で 私達が動くとは思わないの?」








冷静に声をかける。








あれだけ執着していた追跡(ついせき)を 




いとも簡単に諦めたミーナが 不思議だったのだ。







私なら もっと もがいていると思ったから。










「…どうしろと言うのよ。 私には何の力も無いのよ。





有益(ゆうえき)な情報だって… もう無いわ。 





弟達の場所だって 私がスキルで追いかけるだけ。





その方法だって もう… 」








ミーナは 頭をふる。








「たとえ スキルで追いかける事が出来ても





私に自由がなければ 叶わない願いだわ。





悪党達も フードを(かぶ)って顔は見せていないし





知っている顔は ボンバだけだし。






交渉材料にすらならないのよ、私の情報じゃ… 」









初めの(まく)し立てるような勢いは





最後の方では 弱々しく力を失っていった。











ミーナに生きる事を 諦めて欲しくなかった。





それもあって (あお)るような物言いになってしまったと思う。







そして一番 心の動く言葉をかけた。





優しくないやり方だとは わかっている。





でも放って置けないし 生きて欲しい。











ミーナは 私のこんな気持ちは わからないんだろうな




と少し悲しく思いながら








私達を(だま)し ボンバの(くわだ)てに協力し罪を犯している彼女を 





どのように生かしたら良いのか… 考えを(めぐ)らす。









この場には 





公爵家の嫡男(ちゃくなん)である エルディン様もいらっしゃり





ミーナの逃亡を 見逃して貰えるはずもない。






私が 次の言葉を考えていたら。












「ここから 出したらいいの?」











エルヴァラ様が 声をかけてくださった。






周りは その言葉に 息を()む。










エルディン様が 顔を青ざめさせながら




慌てて エルヴァラ様に声をかける。







「エヴァ… 彼女を逃亡させたら お前が罰を受けるし




きっと それだけじゃ済まないんだぞ?」









それを聞いて 私たちの顔も青ざめる。





エルヴァラ様が罰を受ける事を 誰も望んではいない。











「違うわ、お兄様!  私ね 思ったことがあるの!」









エルヴァラ様が ニッコリと 天使の笑みを見せ





それを見たエルディン様は 嫌ぁ〜なお顔をされた。














(つみ)ってね 





 被害者がいるから 罪になるんじゃないかしら!」











皆んなの顔が 唖然(あぜん)とする。





エルディン様の は? という声が聞こえる。












「ペルー家の皆んなが許しちゃえば





ミーナの罪は無くなって 自由になるんじゃ無い?





そしたらミーナは 弟達を助けにいけるわね?」











楽しい悪戯(いたずら)を思いついたかのように 





エルヴァラ様は 私とミーナにウィンクを飛ばしてくる。










「その時は 私も迎えに行きたいわ、お兄様!」






瞳を輝かせ 興奮気味に話すエルヴァラ様に











「だからオレは 




 エヴァを連れてきたくなかったんだよぉー… 」









と脱力して 膝を()くエルディン様。












「エヴァ 出かける時は オレに絶対教えることな!




絶対 エヴァを(まも)るからな!」









レイル様は エルヴァラ様の瞳を真剣に(のぞ)き込み




絶対に一緒に行くからな!と繰り返し 




エルヴァラ様は 笑顔で(うなず)いていらっしゃる。










「エルヴァラ様とレイル様が行くなら




 僕達だって行きたい!」





「そうだよ! 僕達だって一緒だよ!」










二人に(なつ)き 共に過ごせる喜びを知ったヨルドとナイドが 




二人の帰りを 大人しく待つはずが無い。













実行可能な案か どうかを見極められる




冷静な思考の持ち主は






唐突(とうとつ)すぎる 妹の思考についていけず  




半目で考える事を 放棄していた。












収拾(しゅうしゅう)のつかないカオスの中







ミーナは何とも言えない顔で それらを眺めていた。













私は














   さすがエルヴァラ様!と 頬を染めていた。












読んでいただき


ありがとうございましたぁぁメンボ(´・ω・`)♡スイスイ~

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