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16・5-23 私の天使と薬湯 (マァサ side)

自分で描いた挿絵に納得がいかず 

ずっと悪戦苦闘してました〜(苦笑)



絵心無いのに描いた自分のミスです笑



納得は7割程度ですが もしよろしければ


改めて 挿絵を見てやって下さいませ〜(ぺこぺこ)


美形を描ける方に憧れますよね(´・ω・`)カイテホシイ


(本日もお邪魔いたしますすすー)

















貴方(あなた)は お母様が毒殺される事を知っていたの?





貴女がお母様を助けたのでしょう?」











再び 意識を投げ出しそうなミーナに




私は矢継(やつ)(ばや)に 質問をする。









とにかく 彼女の興味が引けるように。




些細(ささい)な情報でも 引き出せるように。









そして私自身が ミーナの言葉を聞きたいのだ。












「ねぇ ミーナ





どうやってそれを 阻止(そし)したの?





公爵家の侍医が 説明していたの。






あの医師の薬を飲み続けたら




心臓が悪くなり 命を落としていたと。








お母様が無事な理由を探したら




ミーナに必ず薬湯(やくとう)を飲まされていたって 




教えてくれたわ。










貴女は 私達を(だま)したけれど





侍医の話と お母様を人攫(ひとさら)いから(かば)った話を聞いて




貴女が 危害を加えるとは思えなくなったの。







貴女は初めから お母様には親切だったわ。







 ……







私は ミーナがお母様を助けたと思っているの。」











ミーナの様子を見ながら 言葉をかけたが





半分閉じた(うつ)ろな眼は 




私を見ているようで (いま)だに私を見ていない。










再度 確認するように話しかける。











(だま)されていたと知った時




最初はお母様の不調を ミーナのせいにしたわ。







でも貴女は 毒からも人攫いからも 




お母様を守ってくれたのでしょう?







お母様を守ってくれてありがとう ミーナ。」











ミーナの眼が少しだけ私を見る。









しばらくの沈黙のあと ミーナの口がゆっくりと動く。











「夫人はね… 私の母さんに似ているの…






初めに会った時 声を上げて 駆け寄りそうになった…









…そんな感情を(おさ)え込んで






弟達を助ける為に 心を殺す日々が 






私の日常だった…」











ポツリポツリと 言葉を落としていく。










「あの医者が診察に来る日は





いつも 人目のつかないところで情報交換をしていた。





あの日 あの医者は…」










ミーナの眼が 再び遠くを見つめる。










「『貴女は貴女の仕事を遂行(すいこう)なさい。





私はボンバに 貴女の監視を頼まれていますが 





私ほどの優秀な者を 監視に使うとは(あき)れていますよ。





本当の私は あの方の代行者なのでね。








あの方の指示により ここの夫人はもう長くは無い。





貴女も早く 仕事を終えた方が良いですよ。





弟達が待っているのでしょう?』







そして私に(さげす)むような いやらしい笑顔を向けたの。








そして最後に 





『あれは 特別な毒ですよ 』と





嬉しそうに(ささや)き 笑顔で去って行ったわ。









私は 弟達のためにボンバを裏切るつもりは無かった。







でも伯爵夫人を 母さんのように(した)う自分も居た。







医者の言葉を忘れてしまおう、心を消してしまおう。





何度も何度もそう思った…







でも… 出来なかった… 」












ミーナの眼には影が掛かり 目は伏せられた。





ミーナの声が 震える。












「夫人に 医師とのやり取りを確認すると





薬が変わったと教えてくれたのよ…








自分の目的の為に心を殺し 





人の良い貴女達を騙し 傷付ける準備をして来たのに…







なのに…







私に母さんを 2回も失えって…









私には それを受け入れる強さは無かったのよ… 」











伏せた瞳から 数粒の涙が落ちる。











「いつのまにか 





夫人を救う為の言い訳を 考えていたわ…









あの医師は ボンバ以外の者の仕事をするのだから 




これを邪魔しても ボンバへの裏切りではないと





自分の中で 言い訳を考えていたの。










医者から毒だと聞いて 言い訳を思い浮かべながら




父さんから教えられた 毒消しの薬湯を作った。








毒と一緒に飲んだ時だけ 無毒化できる効能(こうのう)なのよ。







今までは 毒だとわかって飲む人が居ないから




作ることは無かったけど








 …








そうなの…








最後まで 自信が無かったから…







無毒化できたなら 良かった… 」











()めていた息を 細く吐く彼女に





(わず)かだが温もりが戻ったような そんな気がした。











「そう… なのね… 」










本当にミーナがお母様を 助けてくれていた。










弟達の人攫いで 騙され裏切られた私は 





ミーナを信じたいけれど 





信じようとする その気持ちすら怖かった。








複雑な思いが(めぐ)る中で ミーナに言葉をかけていた。












そして ミーナの話を聞き






本当に お母様を守ってくれていた彼女と 





ミーナを信じ 言葉をかけてい自分にも安堵(あんど)した。





信じて良かった、と。
















ミーナに聞かされた話に 気になるところが出て来た。











ちらりと エルディン様に視線を向けると





(うなず)き返してくれた。












「ねぇミーナ 






医師の言う あの方って誰かわかるの?」










ゆっくりと 





ミーナの反応を確かめるように 聞いてみる。










「…いいえ、私は何の情報も持っていないわ。





私はボンバの… ただの駒よ… 」










捨て駒よ… と力無く(つぶや)






またミーナの瞳から光が失われていく。












その表情を見て ミーナに騙されていたと知ってから 





捨てたはずの記憶が (よみがえ)ってくる。














お父様がボンバ商会に騙され 





負債を負わされたあの時から 私達はそれぞれが 





出来ることをやっていこうと 話し合った。










もともとが豊かではない貴族な為 




贅沢(ぜいたく)はしていなかったが





支出を(おさ)える為に 出来ることはやった。










歓迎されていない社交を無くし 貴金属類を売却(ばいきゃく)し 




ドレスなどの購入費や 邸の修繕費(しゅうぜんひ)




借金返済に()て 侍女や侍従達を多く解雇(かいこ)した。









古参(こさん)の執事達は 最後までそばに居ようと





低賃金での雇用を申し出てくれたが





世話になった者達を 沈没(ちんぼつ)するとわかっている泥舟(どろぶね)





乗せ続けようとは思わなかった。











従者の居なくなった(やしき)で 





生活のために始めた慣れない掃除や料理 洗濯などを





丁寧(ていねい)に教えてくれたのは ミーナだった。










お母様は体調を(くず)しやすい為 数人の下女達と





弟達に手伝ってもらいながら





主に私が 邸を回していた。










そこには 令嬢としての矜持(きょうじ)は無かった。








手は水仕事であかぎれ 肌は日焼けで色がつき 





髪は手入れが面倒で 半分ほど切った。









貴族としては 落ちぶれた姿だった。









だが私自身は





生きている実感と 充足感(じゅうそくかん)に満たされていた。










貴族の務めだからと教えられた 政略結婚の心得(こころえ)




いつ役立つかわからない 貴族の教養より 







生きる為に努力する学びの方が 楽しくて 




何より私自身が 前の自分より好きで 







それを教え 導いてくれるミーナに 




心から感謝をしていた。










友人とは違うけれど とても近しい関係だと思っていた。







彼女も同じように 




親しく思ってくれていると 信じていた。







彼女に騙され 裏切られたと知るまでは。













共に過ごした日々や感情が (いつわ)りだと知ってから





心の奥底に閉じ込めた (つら)く悲しい過去。











でも お母様への想いを聞いて





(いつわ)りだと思っていた日々の中に 真実があったのなら。













今はミーナを許せなくても 






いつかは 弟達と話し合って 許せるものなら許したい。











そして私は 彼女に













     生きていて欲しいと 願った。














本日も お読みいただき


ありがとうございましたたッチパネル(´・ω・`)♡ゆびー

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