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16・5-21 私の天使と幸せな時間 (マァサ side)

※ 皆様 申し訳ありません!

前回 レイリルをリンデルと表記していました…


レイリル君は レイル君に改名いたしました(´・ω・`)


読んでくださっている方に ご迷惑をお掛け致しました〜

_:(´ཀ`」 ∠): 今後… 気をつけます… (切腹済み)



本日もお邪魔いたしますすすーぺこり
















とてもとても 楽しい時間を過ごした。










皆んなで輪になって カードゲームをしたり




ボードゲームで対戦したり






わざと暗くして ちょっとだけ怖い話をして脅かしたり




部屋に隠してあるヌイグルミを探す 宝探しをしたり






オヤツを食べながら お喋りしたり




途中から 男の子達の力比べになったり。











本当に楽しくて 温かい時間だった。








見つからないように何度も自分をつねった。




夢かもしれないから。








現実だと思う度に 泣きそうになった。




この喜びは 弟達も同じだと思う。









弟達の 心からの笑顔を見て嬉しくなる。




だけど彼らも 時々不安そうに私を確認してくる。







これは 夢じゃないよね? と。






その時は にっこり笑って 声にならない声で






「ゆ め じゃ な い よ」 と 伝えてあげた。







眼に涙を溜めて 笑顔を向ける弟達と一緒に 





私も 幸福感に包まれた。











いつもなら寝る時間になっても 眠くならなかった。





楽しい気持ちが(まさ)って ずっとドキドキしていて。 









こんな気持ちも こんな経験も初めてだから。









弟達も今 幸せだろうなーなんて考えながら




二人の笑顔を 何度も見ていた。







何度も ()みしめる感情。








私達が 



こんなに楽しい時間を過ごせるとは 思っていなかった。









そんな気持ちが湧いて 泣きそうになったけれど




今は楽しい時間だから




泣くのは日記を書きながら 一人で泣こうと思った。









遊びの途中で 




約束だからと 弟達はエルヴァラ様に()でてもらっていた。








二人はとても複雑な顔をするから 隠れて笑ってしまった。








レイル様への牽制(けんせい)と 




エルヴァラ様に優しくしていただいた 幸福感と優越感。






でも 異性として認めてもらっていない歯痒(はがゆ)さ。








見ていると 表情がくるくると変わり





それと共に 素直な感情が伝わってくるから可愛く思う。









初めて出来た異性の友達が とても愛らしくて





でも(しん)が強くて





自分達を助けてしまう ヒーローみたいな女の子。








カッコいいから甘えたくなるけど




自分も頼られて カッコいいところを見せたい。








そんな心境かな、とくるくる変わる顔色を見ながら




想像して笑ってしまう。









ヨルドは長男らしく 漢気(おとこぎ)があるから 




嬉しそうな顔と 照れて恥ずかしがる顔でくるくる代わり






ナイドは 甘えたい気持ちがあるから




甘える顔と レイル様への勝ち誇った顔とでくるくると。









エルヴァラ様が二人の頭を 




ニコニコしながら 撫でているその後ろで








まるで猛獣(もうじゅう)




猛獣使いに 羽交(はが)()めされているような光景が見える。









もちろん レイル様とエルディン様だけれど




レイル様の背中に エルディン様が乗っているというか





羽交い締めと言うか…







下敷きになっているレイル様に 





「落ち着け 落ち着け よしよし… ドウドウ… 」







この言葉を使う様子から




やっぱり 猛獣使いにしか見えない。








「俺が何年 男避(おとこよ)けしてきたか!




お前は知ってるよな! お前は味方だよなぁぁーー!」







エルディン様を 背中に乗せながら 




にじり寄ってくる姿が 普通に怖い。







本当に残念な美形で いっそ(あわ)れだ。









エルヴァラ様は 




二人に話しかけているから聞こえていない。







「命って大事なのよ。




次に何かあれば 私に教えてね! 守ってあげるから。




お友達同士は 大切にしあうものなんだから!」








エルヴァラ様は楽しそうに 弟達二人の 




少し癖毛(くせげ)でふわふわな髪を 優しく撫でて下さっている。








撫でられている二人は 




相変わらず嬉しそうで 恥ずかしそう。

 








その幸福感に包まれる 三人の後ろから




残念な美形が 美少年を乗せてにじり寄って来る光景は


















…ぶふっ










(こら)えきれず 隠れて吹いてしまった。







私の立ち位置が 一番楽しいのだろう。






皆んなが楽しすぎて 困ってしまう。













今日のような 




皆んなとお泊まり会が出来る日は




二度とないだろうと 私も弟達も理解していた。







私達も エルヴァラ様の評判を落としたいとは思わない。







公爵夫人のご厚意(こうい)を無駄にしないよう




今の時間を心から楽しみ 





記憶に 心に 大切に(とど)めておこう、そう思った。
















(しゃべ)りの中で リンデル様の話になった。









今までのリンデル様の 冷静な対応力や応用力を見て




彼に憧れる気持ちが芽生えていた。







お父様くらいの年齢なので 異性として見ることは無いが




リンデル様の話にはとても興味があった。












リンデル様とサラさんは




学園で出逢い 恋人になったそうだ。








サラさんは 元伯爵家の次女で 貴族令嬢だった。








お付き合いした後 二人は何度も婚姻の許しを求めたが






サラさんのお父様は 伯爵家の三男という 




将来 家名を外されるリンデル様との婚姻を許さず






学園の卒業後 子爵家に嫁がせる事を決めていた。











サラさんに (いく)つか縁談が来ていた中





相手の子爵家は 伯爵家より家格は低いが




領地運営が上手く資産家だった為






政略婚で学園卒業後 嫁がせる話を進めていたそうだ。









リンデル様も 自分が貴族籍(きぞくせき)から抜ける為 




貴族令嬢であるサラさんの幸せを考え 身を引いてしまった











しかしサラさんの方が (あきら)める事なく




生家(せいか)離縁(りえん)状の置き手紙を残し






リンデル様が(やと)われている公爵邸に




乗り込んできたらしい。








『平民となり下女(げじょ)として働くので 




リンデルのそばに置いて下さい。』










それを聞いた 当時の公爵夫人であり




もと第一王女である エルヴァラのお祖母様が 





サラさんを気に入ったそうで







サラさんの生家、伯爵家の説得に力を貸してくれ





伯爵家としては(しぶしぶ)々ではあるが 離縁(りえん)勘当(かんどう)の形ではなく




貴族籍を抜ける娘として 婚姻を認める流れとなった。










そのあと代替わりした 今の公爵様が 





二人と伯爵家との間に 遺恨(いこん)が残らないよう




サラさんのお父様が 代替(だいが)わりするまで 





幾つかの援助を申し出たらしい。












この理由から 




二人の公爵家への忠誠心は (なみなみ)々ならぬものだと聞いた。










侍女として迎え入れた後 二人は夫婦になり




公爵夫人と同じ頃に妊娠した為 




サラさんは 乳母に選ばれた。










エルディン様の乳兄弟として共に育った 





二人の長男が アディである。










その後の長女の出産では 




エルヴァラ様とは重ならなかった為






サラさんは 






エルヴァラ様の一部の家庭教師の役割と 




侍女長としての役割を (にな)っていたと言う。











リンデル様とサラさんの大恋愛を聞いて 




恋というものの凄さに 胸が高鳴ってしまった。






私はまだ知らないけれど 大人の世界は凄いらしい。









お友達になれたエルヴァラ様と





いつか恋について お話しできたら良いな、と思った。














ヨルドとナイド 




エルヴァラ様が眠そうに欠伸(あくび)を始めたので




皆んなで就寝する事にした。











私達女の子組は主寝台に向かい 





約束通り手を繋ぎながら 笑顔で布団に包まれていた。









そこでずっと気になっていた事を 聞いてみた。








「エルヴァラ様…




なぜ私と お友達になってくださったのですか?」








眠そうな顔で 眼をこすりながら 




ふふっと笑ってから 答えてくださった。








「馬車でマァサに怪我(けが)をさせた時ね 本当に怖かったの。




死んじゃったらどうしようって。






でもね 必死に駆けつけた時 マァサは私を見て笑ったの。




天使だって言われて 凄く驚いたわ。







私にとって怖い事だったのに 




マァサの笑顔のおかげで 夢にうなされなかったの。







その後はね マァサの最初の挨拶が





ふふっ 痛いのに一生懸命で…




お友達になりたいなーて 思ったの。」







胸が熱くなった。








「私ね 公爵令嬢だから 




お茶会にはよくお呼ばれされるのだけど






他の女の子の好きな 宝石やドレス お茶の種類や




貴族の男の子達の話に興味がないの。






女の子達が お花の種類を当てている隣で




こっちの花の蜜の方が美味しいよ、て教えたらね





次のお茶会では 浮浪児令嬢て陰口(かげぐち)を言われていたわ。」








遠くの方で 『そいつは誰だ!』と レイル様の声が聞こえる






『お前は静かに寝とけ!』と エルディン様の声も聞こえる








エルヴァラ様は眠いのか 二人の声は届いていないらしい。









「その後もね お散歩してる途中で誰かが




あの木に咲いた花が綺麗ね、て言うから




その木に登って 花を取ってあげたの。






そしたら 




次のお茶会では (さる)令嬢て陰口を言われていたわ。」








遠くでまた『誰がっ!』て レイル様の声が聞こえたけど





途中で むごご… て 口を抑えられた音が聞こえたから






エルディン様が 良い仕事をされたんだと思う。









「私ね 皆んなとのお茶会がつまらないの。





マァサは城下町の事も 皆んなの生活の話もしてくれる。




マァサは 皆んなと違って特別なの… 」









この後 スゥスゥ… と 寝息が聞こえてきた。









話を聞けて良かった。







喜びが(あふ)れ 涙となって頬を(つた)う。








私は 自信を持って




エルヴァラ様のそばに居て良いんだ…










信愛と友愛を 得ることが出来た喜びと




繋いだ手から伝わる温もりに 幸福感を感じながら







私は意識を 落としていった。







明日から訪れる平穏に 感謝しながら。













次の朝 






公爵様から話を聞いたエルディン様に







ミーナに会ってみてくれないか、と声をかけられるまでは。











本日は長文をお読みいただきまして


ありがとうございましたたップダンス♪(´・ω・`)♡タンタタ

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