16・5-18 私の天使と感謝 (マァサ side)
いまだに作風?なるものが迷子です…orz
皆さまにはご迷惑をおかけしておりますっ
(スライディング土下座ーーー)
本日も お邪魔いたしますすすー(´・ω・`)
お父様方の報告に 周りの皆んなは
特にペルー家の私達は 言葉を失った。
ボンバ商会の存在が無くなった!
しかしそれは 負債を返さない理由にはならなかった。
貴族にとって 平民と貴族の立場の差は大きいが
商人である平民に金を借り それを返済しないのは
貴族として名折れどころの話ではなかった。
自分達の手で 守ってきた家名を汚すことになるのだ。
悪評が広がり 社交界で嘲りの的となり
貴族として落ちぶれた姿を晒すことになる。
矜持を無くした貴族ほど 惨めなものはない。
中には悪意や知恵のある貴族達が 権力や情報を使い
金銭のやり取りの痕跡すら消し 平民を虐げる話も聞くが
私達は そんなことが出来るほどの知恵も悪意もなく
貴族として落ちぶれるつもりも無かった。
貴族特有の矜持と価値観の中
例え商会が無くなっても負債が免除される事は無く
支払いは国庫へ吸い取られるのだが
今回の詐欺は悪質極まりなく
ペルー家に対し隣国からの 悪意ある介入が見られた為
取り引きから生まれた損失による負債では無く
他国からの侵入 攻撃により被った国の損失として扱われ
結果 負債は消滅したのだった。
その代わり 情報 開示を求められたが。
資産の面では
失った分は戻らないが これ以上失う事は無くなった。
大人達の話を聞きながら 身体の力が抜けていった。
私のお父様とお母様は 人の良い人達だと思う。
箱入り息子、箱入り娘がそのまま 大人になったような。
貴族として 大人しく生きるなら問題の無い性質であるが
悪意と知恵を持つ者に囲まれると
途端に隙ができ 守りが弱くなる。
私はそれに気付き お父様 お母様 弟達を守りたくて
随分と大人びた性格を手に入れたように思う。
これ以上 お父様が騙されないように
これ以上 お母様が親族から攻撃されないように
これ以上 弟達の笑顔が奪われないように
それが私の人生だった。
ただ あの男との婚約が本物になると知った時
これ以上の我慢も頑張りも出来ない
私の存在を貶めないで欲しいと
心が壊れたのも本当だ。
あの男達が関わってきてから
私達の大切なものが 壊されていった。
だけど…
そのおかげで 天使に出逢えた。
神様から
今までの頑張りに見合ったご褒美をいただけた
そんな誇らしい気持ちになっていて
進む先に 何が起こるかわからないから
最後まで 生きる事を諦めてはいけないんだと
そう思った。
お父様の口から 負債が消えたと聞いた時
驚きと安堵と 感謝の気持ちでいっぱいになっていた。
私達が救われる結果になったのは
公爵家の皆様と 公爵家に携わる皆さんのおかげだ。
そして
その中の誰よりも エルヴァラ様のおかげだと思っている。
エルヴァラ様は 弟達二人に
良かったわね、と嬉しそうに声をかけて下さっていた。
弟達も はい、ありがとうございます!
と涙を溜め エルヴァラ様の手を取り喜んでいた。
その握った手を まるで親の仇を見るかのように
青ざめながら凝視する存在も 近くにいたが
私はその存在を 脳内で見えないものとして処理し
三人の微笑ましい姿を視界に入れながら
この結果を受け止め 涙ぐんでいた。
じわじわと喜びが溢れ
近くのお母様と 手を取り合い喜び合う頃には
涙は溢れていた。
弟達とも エルヴァラ様とも抱きしめ合い喜び合った。
公爵家の皆様 公爵家の従者の皆様
本当に 本当にありがとうございました
その後の幾つかの報告の中に 護衛のルイから
リュイ達の報告が上がっていた。
彼らの当面の寝床は ルイの家になった。
宿に連れていくにも 身なりや浮浪児という立場から
断られたり 襲われたり 攫われる可能性があるため
子供達の安全面を考え 自分の家での保護を選んだという。
子供5人の面倒を見るのね
思ったよりも良い人なのね、と思った。
今回の騒動で発生した報酬の件では
お父様は最後まで折れなかった。
負債が無くなった為 時間をかけて金銭の支払いで良いと
公爵様は拒否を示していたが
お父様は 感謝の気持ちをお伝えしたい!と熱く語り
「視察をされる理由はまだわかりませんが
ご自分の持ち物でしたら いかようにも扱えますので
どうぞお受け取りください。」
と 最後まで珍しく強気に押し付けていた。
確かに まだ産出量の減らない生きた鉱山には価値がある。
きっとお父様は 公爵様と深い繋がりが欲しいんだろう。
打算的な目的ではなく
ただ純粋に漢に惚れた、という感じだった。
まるで エルヴァラ様に向けた私の気持ちと一緒ね
流石は 親子ね、と心の中で笑う。
お母様はお母様で 学生の頃
公爵夫人のカリスマ性に憧れていた一人だったらしく
お会いできて嬉しいわ
と夕食前に私の部屋に訪れ 嬉しそうに話してくれた。
応接室に通されるたびに公爵夫人の隣を
さりげなく陣取っている。
お父様とお母様の青春の名残りを見ているようで
子供としては 面映ゆく感じた。
負債の消滅から なんとなくペルー家は浮き足立っていた。
お母様の薬の中に
毒が仕込まれている報告を聞くまでは。
本日もお読みいただきまして
ありがとうございましたたんぽぽ(´・ω・`)♡お花よき