3.わたしは、私
玲奈ちゃん、初めての恋心を見て見ぬふり。(あちゃーー)
恋って幾つになっても 不治の病なんでしょうねぇ~(´・ω・`)
わたしは 真っ赤な蓮の顔を見て 固まってしまった。
真っ直ぐに見つめてくる蓮の眼を見て…
急に胸が 苦しくなる。
胸の鼓動が激し過ぎて痛い。
こんなに息苦しくて、心臓も痛くて、体も熱くて…
わたし、死ぬの? 病気なの?
怖くなって 蓮に縋りたいのに
なぜか、とてもとても 恥ずかしくなってしまって
蓮に 視線を向けられない。
どうしても 蓮に視線を向けられなくて 辛くなってくる。
このままじゃ、蓮と 笑い合えない。
それは凄く イヤだ!
前に戻りたい… 前の、前の わたし…
ふぅーと息を吐いて…
スーッと わたしの目が座る。
そうだよ、慣れない雰囲気で 緊張しただけ。
いつものわたし… 蓮と対等な、いつもの わたし。
……
(うわー! 蓮がーー! かぁっこ良いぃーー! あははー)
あまりの衝撃で
わたしの、心と頭のネジは… ぶっ飛んだ。
(蓮のくせに カッコいいなんて、どーゆーことだっっ!)
この状況を理解出来ず
頭の中でコミカルに ふんすふんすと 鼻を鳴らす。
「… それで … 俺は どう?」
向けられていた 熱く真っ直ぐな視線は
こちらを窺う
上目遣いの視線に 変わっていた。
身長が高いから顎を引いて こっちに縋るような表情。
…なんで 男子がっ! 蓮がっ!! …可愛いのっ??
見たことの無い 蓮の顔に 再びパニック。
「えっ! えっ? なにっ? どうって 何!!
主語が分からないんだけどっ!
構ってちゃん 嫌いだからね、わたしっ!
急に先輩の話されて、なんか怒られて
カレカノの話になって それで 俺はどうって… 。
… ? 俺は … どう? って… …ん?」
よくわからなくなって 眉間に皺を寄せながら
「ん?」 …と 首を傾げ 視線が上にあがる。
上の方で プッと吹き出す 蓮の音が聞こえる。
「ふはっ。
…俺と 玲奈が付き合ったら 楽しそうじゃね?」
ぷふふふ、と笑いながら
足元に落ちてるボールを拾い カゴにシュートしていく蓮。
…うん 確かにね、と思い 気安い雰囲気の中
「だねー。」と 思考放棄して 話に乗っかってみた。
「…じゃぁ、これからは…
俺が彼氏で 玲奈は彼女って事でっ よろしくっ!
あ!
帰りは一緒に帰ろーぜ、更衣室の外で待ってるわ。」
めちゃくちゃに 嬉しそうな顔をしながら
ポイポイと 残りをカゴにシュートし終わって
爽やかに手を上げ 倉庫から去って行く。
(なんだ? あのイケメンは??)
あまりの速い展開に 自分の中で 芽生えた想いを忘れ
ぽけー… と見送っていた、が…
ハッ! と気付く。
「わたしっ!
私っっ!! 彼氏が出来たんだわぁぁぁぁーー!」
絶叫を上げながら ガバッと身体を上げた、ら? …あれ?
… え? … ここ、どこ…?
絶叫と共に…
勢い余って 寝ていた身体を起こした、、、らしい。
見慣れぬ室内と 豪華ベッドの上で
わたしは息を呑み 大きく目をひらいて 室内を見渡す。
日本家屋とは違う 豪華で広い部屋。
(わたしは なんで 豪華絢爛ホテルに泊まってるの?
これって、宿泊費を払えるの?)
なぜ 最初の心配が宿泊費なんだ!
と 突っ込む相手は ここにはいない。
そして そんなコントじみた余裕も無い。
見知らぬ風景の中で
吹き出す冷や汗と共に シーツをギュッと握った。
遠くから パタパタと早い足音が聞こえ
扉の向こうから
「エヴァが 起きたの?」と 女性の声が聞こえる。
扉を開く音は静かでも 慌てている様子が伝わる。
扉から覗かせた
壮年の美しい女性の顔は 青ざめていて
心配をかけた事に 胸が痛む。
「お、母…様… 。」
口から 自然と言葉が出た。
(マァサも。 リンデルも…。)
お母様の後に 専属侍女のマァサと
執事のリンデルの二人が 部屋に入ってくる。
お母様は ベッドサイドの椅子に座り 手を握ると
「目を覚まして 良かったわ。」 と
優しく微笑んでくれた。
お母様ほど 態度には出ないけど
青ざめた顔や 潤んだ瞳から
後ろの二人の気持ちは伝わってくる。
心配気な 三人の顔を見た事で
わたしが 私である事を思い出した。
…あぁ、良かった!
ここの部屋の支払いは 無かったのねっ!
結局 そこに 落ち着くらしい。
今回も 読んでいただけて 嬉しいですっ!
ありがとうございますすす〜(´・ω・`)♡