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16・5-11 私の天使とレイル (マァサ side)

本日もお邪魔致しますすすー(´・ω・`)


サイドストーリーがサイドの量じゃなくて

困ってますすすーどしよ…













用意を終えた馬車の報告に




執事のリンデル様が報告に来られた際







エルヴァラ様が 独り言のように(つぶや)き始めた。








「ねぇ 悪者って悪徳商会から来たのでしょう?






もし逃げたらどうなるのかしら?




悪徳商会が助けるのかしら? 







もしマァサのお母様が悪者に捕まっていたら




悪徳商会はどうするのかしら?







うーん…






 ……






ねぇお兄様!






私 すっごく悪徳商会へ向かいたくなりましたわ!」










ええぇっ!と エルディン様の動揺(どうよう)の声が聞こる。









「伯爵家には お父様達が向かわれたのでしょう?





それなら私達は 




もう一つの悪者を捕まえに行きましょう!」








始めは(つぶや)きだったそれも 





次第に大きな声に変わり





周りに同意を求めるように 目を(またた)かせ







きっと私達は上手く行く(はず)




と 両腕をブンブン振って勢い付かせるエルヴァラ様。









「エヴァ!! いくらなんでも それは危ない!」




「エルヴァラ それはやめて頂戴(ちょうだい)?」








エルディン様も公爵夫人も 慌ててお止めになる。









それを聞いて エルヴァラ様は眉尻(まゆじり)を下げて




お二人を見つめ






「お母様 お兄様…




もしマァサのお母様が捕まっていて






私達が助けなかった為に





怪我(けが)を負ってしまったら 辛く悲しくなりませんか?」









お二人は声を詰まらせる。







お二人のお気持ちがわかってしまう。








私達のお母様より 




エルヴァラ様の身の安全を 優先させたいのだ。








それは当たり前の事だと思う。





それでも 




私達を前に 言葉にしないお二人に優しさを感じる。










エルヴァラ様のお気持ちと




夫人とエルディン様のお気持ちで、場が膠着(こうちゃく)した時









リンデル様が声を発した。








「奥様、エルディン様 私が皆様にお供いたしましょう。




もちろん充分な数の兵も お供させます。






…サラ、あとは頼みました。」








リンデル様が 視線を侍女の方に移す。








「かしこまりました。」






「リンデル ありがとうっ!!」







エルヴァラ様が リンデル様に笑顔を向けられる。









リンデル様が付き添われると聞き 



公爵夫人もこれ以上 強くは出られないようだった。








「…リンデル、頼みましたよ。」







「お任せください。 それに奥様…




エルヴァラ様には 守護者が付いておりますから。」








ニッコリ笑うリンデル様を見て



夫人とエルディン様が あぁ、確かに





と 安堵(あんど)の顔を(わず)かに見せた気がした。









「アイツが 間に合うかどうかが問題だな。」





と (つぶや)くエルディン様を先頭に






エルヴァラ様 私と私を運ぶ騎士 弟達とリンデル様は




共に馬車に乗り込んだ。












「全てが伯爵邸で無事に終えていれば





向かう先は 杞憂(きゆう)でしかなくなる。




そうなれば良いんだが… 」






ぼそりと呟くエルディン様に








「お兄様 大丈夫よ!




だっていつも 何とかなったでしょう?」





と元気に(はげ)ましの声をかけられる。








「エルヴァラ それは…




いつもアイツが何とかしてくれるからで…








…あぁ もう良いや。 




アイツも努力が報われずに 可哀想(かわいそう)なヤツだよ。」







ハァー…と 深いため息を吐くエルディン様を





私達は不思議に思い 見つめる。








その中でリンデル様だけが 




訳知(わけし)り顔で微笑んでいらっしゃった。

















もう少ししたら商会に到着、という馬車の中で




窓から外を眺めていたナイドが 突然声を上げる。








「今 ミーナが居た!!」







この言葉に反応したのは 私とヨルドだった。




ミーナとは 弟達を裏切った下女の名前だった。








お父様達が向かった伯爵邸に 居ないと言う事は…







まさか お母様に何かあったのだろうか




なぜミーナは ここに居るのだろうか







お母様の無事な姿を見ないうちは 安心できない。









リンデル様が御者(ぎょしゃ)に 馬車を止めるよう指示する。








ヨルドが見つけた方向へ向かうと 




裏小路(うらこうじ)の方から女性の声が聞こえる。








リンデル様は 





私を抱えている騎士に 商会へ到着している私兵達を




こちらへ向かわせるよう指示した。









「あんた達が失敗したからって




 何で私まで失敗扱いなのよ!







私はちゃんと手引きしたでしょ




約束を守ったでしょ! 契約の通りでしょっ!!」








涙を流しながら 大声で目の前にいる男達に(わめ)いている。









「契約通りにしたんだから 弟を返してよ! 





 二人を返してよっ!」







ミーナは男に(つか)み掛かり 声を荒げていたが




掴まれていた男がナイフを取り出し ミーナに襲いかかる。









「もうお前に 用はないんだよっ」









ダメ! と声を上げる前に 




リンデル様の唱えた攻撃魔術が ナイフに当たる。









「魔術防御の魔道具は




ナイフにまでは 作用しないみたいですね。」








冷静に分析しているリンデル様に 男達は驚きながらも




攻撃を始める。







エルディン様も応戦して 攻撃魔術を向けるが




魔道具によって跳ね返される。







二人も攻撃を受けるが防御魔術で(かわ)す為




お互い手詰まりとなり 




肉弾戦(にくだんせん)へと(もつ)れ込む。









男の一人が 隠れていた子供達を目ざとく見つけ




こちらに手を伸ばしてくる。








商会から こちらへ向かわせた私兵達の到着が間に合わず 




エルヴァラ様が捕まる瞬間




伸ばしてきた男の手が 








バチンと強い衝撃音(しょうげきおん)と共に()ねた。






あまりの強さに男の身体は回転し 床に転がった。










それに気付いた男達が 慌てて逃げようとしたところで




到着した私兵達に行く手を(さえぎ)られ 捕縛(ほばく)されていく。











後ろから ハァハァ、と 激しい息切れの音がする。










振り向くと 




黒髪と虹色に輝く瞳を持った とても美しい少年が




息を切らせ エルヴァラ様を真っ直ぐ見つめていた。









「 ま… に、 あっ… た… 」








ここまで言うと はぁぁぁーー… と息を吐き出して





座り込んでしまった。








「レイル 助かったよ。」







切り傷や 殴打(おうだ)の跡で赤くなった




頬や腕が痛ましいエルディンさまが 少年に声をかけた。









「今のは レイルが助けてくれたの?




やっぱり強いのね! ありがとうレイルッ!」







満面な笑みで 




レイルと呼ばれる少年へ駆け寄るエルヴァラ様。








彼等(かれら)ね、魔術防御の魔道具を持っていたの。




だから お兄様やリンデルも困っていて大変だったの。





でも 駆け付けてくれた兵士の皆んなと 




レイルのおかげで助かったわ!






私達を助けてくれて ありがとう!」









先程まで 殺伐(さつばつ)とした空気の中で




捕縛(ほばく)作業をしていた兵士達やエルディン様




レイルと呼ばれる少年は






ニカッと笑うエルヴァラ様を見て 肩の力を緩めていく。












…激しい戦闘が間近で行われ 




私と弟達は恐怖で身がすくみ 固まって動けずにいた。







気が付いた時には 




男の一人が エルヴァラ様を追いかけていて








その状況に恐怖しながらも 身体も頭も動かず 




目で追いかけるしか出来なかった。









弟達と一緒に 腰を抜かしていた自分が情けなくて




そして 恥ずかしく(みじ)めだった。










間一髪(かんいっぱつ)でエルヴァラ様を助け 




笑顔を向けられているレイルという 美しい少年を







私は 心の底から(うらや)ましいと思った。










今回もお読みいただき


ありがとうございまっすすカイブルー(´・ω・`)♡あおっ!

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