16・5-⑨ 私の天使と裏切られた双子 (マァサ side)
やっと自分の作風?なるものが分かってきた様な…?
未だに稚拙ですが 下手なりに
以前のものを書き直してました…(´・ω・`)ふぅ
本日もお邪魔いたしますすすーぺこり
高台が素敵な場所だと 教えてくれたのも
高台に神様の言い伝えがあると 偽ったのも
そして
二人のせいで お父様が騙されたと吹き込んだのも
忌み子が消えたら
家族が幸せになれるだろう、と虚辞を連ねたのも
全部 一人の人間の仕業だった。
ある日 悪徳商会の男がやって来た。
まだ 騙される前だった。
男は
安い給金で働いてくれる 20代前半の下女を斡旋してきた。
まだ負債を抱える前だったが
下女に問題を感じなかった私達は 雇う事にした。
彼女は
双子の弟達への忌避感を持たず 明るく仕えてくれた。
貴族である弟達に 物怖じをしない彼女の様子は
友人のいない弟達にとって 好感の持てる態度だった。
寂しさを抱えた二人が 下女に懐くのに
時間は掛からなかった。
その後
負債を抱え給金が滞った時も不満を言わず
他の者達が辞めていく中 ずっと仕えてくれた。
ペルー家にとって 家族を支えてくれる一人になっていた。
そして
私達を 家族を 裏切る一人になっていた。
ヨルドが声を震わせ 話している間
ナイドは声を殺しながら 泣いていた。
ヨルドは 襲ってくる負の感情に潰されまいと
拳を握りしめながら 話し続けた。
あの高台に神の言い伝えがあると 下女は話していた。
水晶になった聖女のように 命を捧げれば
願いは神に届けられる、と。
だけど 最初は信じていなかった。
なのに…
長い刻をかけ 楽しい会話の合間に繰り返される
お父様の事業の失敗や お母様の不調
周りから疎まれ 姉である私が巻き込まれる話。
そして これからの事。
今までもこれからも
ずっと自分達の存在が 家族を苦しめる話を 聞かされた。
最初は 心配しているように話し出し
二人が忘れないように誘導し
悲しめば同情し 寄り添うフリをする。
繰り返し繰り返し… 辛い事を忘れないように。
ゆっくりと死地へ追いやるように
繰り返し現実を突きつけられていた。
「僕達は生きているだけで
大好きな皆んなに迷惑をかけるから…
それなら 僕達の命を神様に捧げて
皆んなに幸せになってもらいたかったんだ… 」
ヨルドは俯きながら 最後は小さな声で呟いた。
瞳から 今まで堪えていた大粒の涙が
ボロボロと膝の上に落ち スボンを濡らしていった。
声を殺し肩を震わせる二人を お父様と抱きしめながら
下女の紹介先を思い出した。
ドッと冷や汗が流れ 頭の中が恐怖と怒りで震えていた。
あの者達は 一体いつから 何を狙っていたのか。
弟達は 信頼を裏切られ全てを奪われるほどの
何をしたというのか。
友人を欲し 親しくなった者を信頼した彼らを
なぜ傷付け裏切るのか。
怒りで涙が滲み
ドッドッと早鐘を打つ心臓を抑えながら
顔色を失ったお父様と 顔を見合わせた。
あまりの怒りと恐怖で 言葉も出ない。
エルヴァラ様の仰った様に お母様が心配になってくる。
最近 寝込む回数が増え 気になってはいたが
まさか… それも…?
焦りでお父様を見ると
同じ事を考えているだろう お父様の唇が青くなり
震えている。
どうしようどうしよう…
ヨルドとナイドの様子を じっと見ていたエルヴァラ様が
すくっと立ち上がり 周りからの視線を集めた。
「悪者は その下女なのね!
悪者が そんな近くにいたなんて酷い話だわ。
ヨルドとナイドが無事で 本当に、本当に良かったわっ!
お父様 お母様 お兄様!
皆んなで悪者をやっつけましょう!!
そして ペルー家の皆んなに泊まってもらいましょう!」
本日も お読みいただき
ありがとうございますすノーボード(´・ω・`)♡もう春♪